化粧品市場の規模や海外進出を目指すべき理由、課題について解説します

  • 化粧品市場

公開:2023/03/28

更新:2023/10/25

日本の化粧品市場の規模は、コロナ禍以降回復基調にあります。

しかし、日本を取り巻く環境を考えると、海外進出を目指さなければ市場規模が縮小してしまうと予測できるでしょう。

この記事では、化粧品市場の規模から海外進出を目指す理由、課題まで解説します。

化粧品の市場規模について

2021年度の国内の市場規模についてまずは見ていきましょう。

新型コロナウイルス感染症の流行は収まりませんでしたが、緊急事態宣言が出されたあとも店舗営業が続けられたことや外出機会の増加などから、市場は回復基調にあります。

2021年度の国内化粧品の市場規模は、2兆2,900億円(前年度比102.5%)です。

参考:化粧品市場に関する調査を実施(2022年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

続いて、世界の化粧品市場規模についても確認しておきましょう。市場規模の大きい国を並べると以下の通りです。

  • アメリカ:約777億USドル、8.5兆円
  • 中国:約572億USドル、約6.1兆円
  • ブラジル:約283億USドル、約3.1兆円

特に中国の伸び率は高く、2013年に日本の市場規模を追い抜いてから右肩上がりで成長を続けています。

参考:2020年度化粧品産業動向調査報告書|独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)

化粧品メーカーが海外進出を目指すべき理由

化粧品メーカーが海外進出を目指すべき理由には「日本製品が評価されていること」と「国内需要への依存を脱却すること」の2つが挙げられます。

日本製品は世界の消費者からの人気があり、高い品質などが評価されています。

特に、アジア圏においては高い需要があるといえるでしょう。

コロナ以前に話題となった「爆買い」ですが、当初は家電製品などが対象となっていました。

しかし、現在では生活用品や化粧品へと購入されるものがシフトしています。

日本貿易振興機構の調査によると、中国の消費者が「日本から越境ECで購入した製品」の上位2項目に化粧品関連がランクインしていました。

また、欧米諸国と比較して基礎化粧品市場が大きい傾向にあるため、アジア市場では基礎化粧品の販売に期待が持てそうです。

参考:中国の消費者の日本製品等意識調査|日本貿易振興機構(ジェトロ)海外調査部 中国北アジア課

また、国内需要への依存を脱却することについては、これまで日本の化粧品メーカーは、国内需要に依存している傾向が強く見られました。

しかし、少子高齢化・人口減少が進む日本においては、いずれ市場規模の縮小が予測されています。

現状、日本の化粧品メーカーの海外売上比率は高くありません。

国内シェア上位3社の海外売上比率は、以下の通りです。

  • 資生堂:56%
  • 花王:7%
  • コーセー:32%

大手化粧品メーカーにおいても海外進出は途上にあるため、中小メーカーにも取り組み次第ではチャンスがあるといえるでしょう。

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海外進出するうえでの課題

化粧品メーカーが海外進出をするうえでの課題には「国ごとに異なる規制」と「DX化の遅れ」が挙げられます。

国ごとに異なる規制については、化粧品の安全基準や販売方法は国ごとに違いがあります。

規制項目の例は以下の通りです。

  • 化粧品に使用する成分
  • 販売前の届出
  • バーコード取得の手続き
  • 販売責任者の明記

定められている基準にはさまざまなものがあるため、進出を検討している国ごとに事前調査が必要です。

DX化の遅れについては、これまで日本の化粧品販売は、対面・1人ひとりへのカウンセリングを重視してきた経緯があります。

その結果、DX化が遅れているといわざるを得ません。コロナ禍を境にEC化が進められていますが、十分でないのが現状です。

具体的な取り組み事例としては、化粧品ブランド「KATE」の公式サイトで提供されている「AI顔分析」などが挙げられます。

顔を撮影して輪郭や肌の色、眉毛の特徴などから最適なメイク方法を提案してくれるサービスです。

また、リアルタイムでメイクした顔を見られるのも大きな特徴といえます。

DX化を推進することによって、対面販売のメリットをオンライン上で提供する施策が海外進出するうえで欠かせません。

参考:AI 顔分析 – デモ体験|法人向けビューティーソリューション

まとめ

日本の国内における化粧品市場規模や海外進出すべき理由、課題について解説しました。

コロナ禍以降、化粧品市場は回復しつつありますが、人口減少が予測されている日本では海外進出を検討しなければなりません。

このままの推移をたどると、いずれ市場規模は小さくなってしまうでしょう。

従来の日本の化粧品販売の強みを活用するために、国ごとの調査やDX化の推進を検討してみてください。

最後に日本、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、シンガポール、マレーシアのいずれかに在住する20代~40代男性を対象にスキンケア商品の使用・購買に関する実態を調査したアンケートデータをご紹介します。

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⇒ 東南アジア男性のスキンケア実態調査【生活実態編】

⇒ 東南アジア男性のスキンケア実態調査【使用・購買編】

海外の化粧品市場のリサーチに是非お役立てください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

執筆者

光田直史

高校卒業後、地元の運送業界や不動産業界に従事し、以後8年をIT企業の製造部門で勤務。事業部長と内部監査室長も兼任した。
その経験を活かし、2020年よりライターとして活動開始。
ビジネス、金融、IT、マーケティング、不動産、農業など複数ジャンルでの記事執筆を手がけている。

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