NPSとは?顧客満足度との違いから活用方法まで解説します

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公開:2023/06/08

更新:2023/06/08

NPS(Net Promoter Score)は、企業や組織が顧客の満足度や忠誠度を測るための指標として広く利用されています。

この記事では、NPSの基本的な概念や計算方法、顧客満足度との違い、そしてNPSの活用方法と注意点について詳しく説明します。

NPSとは?

NPS(Net Promoter Score)は、Bain & Companyが提案した顧客満足度の測定指標です。

NPSは、顧客が「会社や製品を友人や同僚にどれだけ推薦するか」という質問に対して、0から10のスケールで回答する方式を採用しています。

回答者は、0から6の範囲を「批判的支持者(detractor)」、7や8の範囲を「中立(passive)」、9や10の範囲を「積極的支持者(promoter)」として分類されます。

顧客満足度(CS)との違いとは

NPSと顧客満足度(Customer Satisfaction:CS)の大きな違いは、測定の視点です。

CSは、顧客が特定の製品やサービスに対してどれだけ満足しているかを評価する指標です。

一方、NPSは顧客の忠誠度を測定するための指標であり、推薦行動を通じて顧客の結束力を測ることを目的としています。

NPSは、顧客が自主的に他の人に対して会社や製品を推薦することができるかどうかを重視しています。

NPS調査の種類

NPS調査には、主に以下の2つの種類があります。

1.トランザクション型NPS調査

顧客が特定の取引やエクスペリエンスに関連してNPSを評価する方法です。

例えば、商品の購入後に送られるアンケートや、特定のイベントやサービス利用後に行われるNPS調査が含まれます。

トランザクション型NPS調査は、個々の顧客エクスペリエンスや取引の品質に焦点を当てるため、改善の具体的な方向性を提供することができます。

2.リレーションシップ型NPS調査

顧客が特定の期間内に企業全体のパフォーマンスやブランドに対してNPSを評価する方法です。

通常、定期的に行われる調査で、一定の期間(例:3か月、6か月)ごとに顧客の忠誠度を測定します。

リレーションシップ型NPS調査は、顧客全体の関与度や結束力を把握し、長期的な顧客関係戦略の評価に役立ちます。

NPS調査の質問項目

NPS調査では、以下の質問項目が一般的に使用されます。

「0から10までのスケールで、会社や製品を友人や同僚にどれだけ推薦しますか?」という基本的な質問を行います。

回答者は、0から6までの範囲を「批判的支持者(detractor)」、7や8の範囲を「中立(passive)」、9や10の範囲を「積極的支持者(promoter)」として分類されます。

また、NPS調査には開放型のフィードバック質問も組み合わせることがあります。

顧客からの具体的な意見や提案を収集することで、NPSの結果に対する詳細な洞察を得ることができます。

NPSの計算方法

NPSの計算方法は比較的簡単です。まず、回答者を「批判的支持者」「中立」「積極的支持者」の3つのグループに分類します。

次に、「積極的支持者」の割合から「批判的支持者」の割合を引いた値がNPSとなります。

例.積極的支持者50名、中立者100名、批判的支持者30名
積極的支持者27.7 - 批判的支持者16.6 = 11.5となり、推奨者が多くなると、NPSのスコアが上がります。

NPSの値は-100から+100の範囲で表され、高い値ほど顧客の忠誠度が高いことを示します。

NPSの目標設定

NPSの目標設定は、組織の状況や業界のベンチマークによって異なります。

一般的なアプローチは、競合他社や業界の平均NPSと比較しながら、自社のNPSを向上させることです。

また、継続的な改善を追求するため、定期的な目標の設定と評価が重要です。

NPSは、顧客満足度の測定において有用なツールであり、企業や組織にとって重要な情報源となるので適切な調査方法や質問項目の選択、注意点の把握、目標の設定を通じて、NPSを活用し顧客中心の経営を推進することが求められます。

NPSの導入・評価に際しての注意点

NPSを導入し、正確かつ効果的に評価するためには、以下の注意点に留意する必要があります。

1.調査の頻度とタイミング

NPS調査の頻度やタイミングは、ビジネスの特性や顧客の特性に合わせて適切に設定する必要があります。

適切な頻度で調査を実施し、結果を定期的に評価することで、顧客の変化するニーズや意見を把握しやすくなります。

2.サンプルの選択と代表性

NPS調査では、適切なサンプルを選択することが重要です。

顧客の特性やセグメントを考慮し、代表的なサンプルを確保することで、より信頼性の高い結果を得ることができます。

3.フィードバックの活用

NPSの結果だけでなく、開放型のフィードバックや意見も積極的に収集し活用することが重要です。

顧客の声を真摯に受け止め、改善活動や戦略立案に反映させることで、顧客満足度の向上につなげることができます。

まとめ

NPSは、顧客の推薦行動を通じて忠誠度を測るための指標であり、顧客満足度(CS)とは異なる概念かつ、企業間の比較や改善施策の効果測定に利用される重要なツールです。

ただし、NPSの活用には注意が必要であり、他の要素や詳細な分析との組み合わせやフィードバックの継続的な収集が求められます。

組織全体でNPSを活用し、顧客中心のマインドセットを確立することで、持続的な成長と競争力の向上が期待できます。

最後にアンケート調査票が簡単に作れる雛形をご紹介します。

リサーチ会社が提供している無料のテンプレートなので是非ご活用ください。

アンケート調査票のテンプレート

最後までお読みいただきありがとうございました。

執筆者

光田直史

高校卒業後、地元の運送業界や不動産業界に従事し、以後8年をIT企業の製造部門で勤務。事業部長と内部監査室長も兼任した。
その経験を活かし、2020年よりライターとして活動開始。
ビジネス、金融、IT、マーケティング、不動産、農業など複数ジャンルでの記事執筆を手がけている。

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