PSM分析のメリット・デメリット、価格戦略への活用方法などを紹介します

  • PSM分析

公開:2023/06/08

更新:2023/06/08

PSM(Price Sensitivity Meter)分析は、価格感受性を測定するための手法であり、商品やサービスの価格設定に役立ちます。

この記事では、PSM分析の概要やメリット、活用法、活用事例、デメリット、そしてPSM分析の流れについて紹介します。

PSM(Price Sensitivity Meter)分析とは?

PSM分析とは、顧客の価格感受性を測定する手法です。

商品やサービスの価格に対する顧客の反応や意識を把握することができるため、企業は適切な価格設定やマーケティング戦略を策定することができます。

PSM分析のメリット

PSM分析には以下のようなメリットがあります。

1.新商品の価格設定

新商品の価格感受性を把握し、市場における需要とのバランスを取りながら価格を設定します。

2.既存商品の価格見直し

顧客の価格感受性の変化や競合他社の価格を考慮して、既存商品の価格を見直します。

3.プロモーション戦略の構築

顧客がどの程度の割引価格までなら購入意欲があるのかを把握し、プロモーション戦略を立案します。

PSM分析の活用事例

PSM分析の具体的な活用事例です。

1.新商品の価格設定

ある新商品の価格感受性を把握するため、以下の質問を行いました。

【質問1】この商品を他の類似商品と比較して、どの程度の価格差までなら購入意欲がありますか?

【結果1】

  • 1,000円までなら購入意欲があります: 40%
  • 2,000円までなら購入意欲があります: 35%
  • 3,000円までなら購入意欲があります: 20%
  • 同じ価格までなら購入意欲があります: 5%

【質問2】この商品の価格が上昇した場合、どの程度の価格上昇までなら購買意欲が変化しますか?

【結果2】

  • 価格が変わらなければ変化しません: 40%
  • 2,000円までなら購買意欲が変化します: 35%
  • 3,000円までなら購買意欲が変化します: 20%
  • 1,000円までなら購買意欲が変化します: 5%

【判断】

分析結果から、新商品の適切な価格帯を決定しました。

顧客の価格感受性が高い範囲で価格を設定し、需要を喚起することが重要であると判断しました。

2.既存商品の価格見直し

売上が低迷している既存商品の価格感受性を調査するため、以下の質問を行いました。

【質問1】商品の価格が下がった場合、どの程度の価格下落までなら購買意欲が変化しますか?

【結果1】

  • 価格が変わらなければ変化しません: 50%
  • 3,000円までなら購買意欲が変化します: 30%
  • 2,000円までなら購買意欲が変化します: 15%
  • 1,000円までなら購買意欲が変化します: 5%

【判断】

分析結果から、売上低迷の原因が価格にあることを把握しました。

価格を適切に下げることで需要を喚起し、売上回復を図ることを判断しました。

3.割引キャンペーンの効果測定

割引キャンペーンの効果を測定するため、以下の質問を行いました。

【質問1】通常価格よりも割引価格が安くなった場合、どの程度の割引価格までなら購入意欲がありますか?

【結果1】

  • 50%割引までなら購入意欲があります: 40%
  • 30%割引までなら購入意欲があります: 30%
  • 20%割引までなら購入意欲があります: 20%
  • 10%割引までなら購入意欲があります: 10%

【判断】

分析結果から、顧客が最も購買意欲を持つ割引価格帯を把握しました。割引キャンペーンにおいて、最適な割引率を設定することで売上を最大化することを判断しました。

以上のように、PSM分析によって具体的な質問を行い、その結果をもとに価格設定やマーケティング戦略の判断を行います。

PSM分析の流れ

PSM分析の流れは以下のようになります。

1.質問項目の設定: 顧客の価格感受性を把握するための質問項目を設定します。

2.アンケート調査の実施: 質問項目に基づいて顧客に対しアンケート調査を行います。

3.データの集計と分析: 収集したデータを集計し、顧客の価格感受性や傾向を分析します。

4.結果の活用: 分析結果をもとに、価格設定やマーケティング戦略を立案し活用します。

PSM分析のデメリット

PSM分析には以下のようなデメリットがあります。

結果の一時性

顧客の価格感受性は時期や状況によって変化するため、PSM分析の結果も一時的なものとして捉える必要があります。

データ収集の困難さ

PSM分析には多くのデータを収集する必要があり、その過程で困難やコストが発生する場合があります。

まとめ

PSM分析は、顧客の価格感受性を把握することで、適切な価格設定や競争力の向上、売上最大化を図ることができます。

また、新商品の価格設定や既存商品の価格見直し、プロモーション戦略の構築など、様々な場面で活用されます。

PSM分析を正確に実施することで、効果的な価格戦略を立案しましょう。

最後に、簡単にPSM分析が出来るアンケート調査票の資料をご紹介します。

リサーチ会社が無料で提供している資料なので是非ご活用ください。

最適価格がわかる、価格戦略に活かせるアンケート~価格受容性調査とPSM分析~

マーケティング活動のお役に立てれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

執筆者

光田直史

高校卒業後、地元の運送業界や不動産業界に従事し、以後8年をIT企業の製造部門で勤務。事業部長と内部監査室長も兼任した。
その経験を活かし、2020年よりライターとして活動開始。
ビジネス、金融、IT、マーケティング、不動産、農業など複数ジャンルでの記事執筆を手がけている。

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