販売価格の決め方は、どのような事業を営んでいても切り離せない話題です。
この記事では、販売価格の決め方やその際の注意点などについて解説します。
ポイントを理解して、適切な販売価格を設定しましょう。
この記事の内容
販売価格の決め方は3つ
販売価格の決め方としては、以下の3つの考え方が一般的です。
- 商品の原価をベースに決める
- 競合が販売する商品と比較して決める
- 利益率から考えて決める
単純に原価や利益率を見て計算するだけでは、購入されやすい、収益を上げやすい価格設定ができないことも多くなるでしょう。
それぞれ解説していきますので、参考にしてみてください。
1.商品の原価をベースに決める
商品金額のうち、原価を何割に設定するかをベースに決める方法です。
この場合の計算には「原価率」を使用します。計算は、以下の式に数値を代入してください。
- 仕入れ価格/原価率=販売価格
たとえば、仕入れ価格10,000円・原価率40%に設定した場合の販売価格は25,000円です。
2.競合が販売する商品と比較して決める
同様の製品を販売している競合と比較して決める方法もあります。
まず、販売しようとしている商品の需要をリサーチし、そして競合価格を参考にして売値を検討していきましょう。
先に解説した、原価率から決めた販売価格が競合よりも高ければ売れなくなることも考えなければいけません。
利益を出すために、競合調査は大切です。
しかし、安易に競合よりも安くするような判断はしないように注意しましょう。
価格競争に巻き込まれたり、消費者から「低品質かもしれない」と印象付けられてしまったりするおそれがあります。
そのため、競合価格は参考程度とし「自社から買いたい」と思わせる施策を組み合わせ、戦略的に価格設定を考えることが必要です。
3.利益率から考えて決める
利益率を先に考慮してから販売価格を決める方法も知っておきましょう。
計算式は以下のとおりです。
- 原価/(1-利益率)=販売価格
例を挙げると、仕入れ価格10,000円・利益率80%に設定した場合の販売価格は50,000円となります。
また、利益率を高めるほど販売価格が上がり、低く設定すると下がることも理解しておきましょう。
販売価格を決めるうえで理解しておきたい計算方法
販売価格を決めるうえで理解しておきたい計算方法についても知っておきましょう。
ポイントになるのは以下の2点です。
- 原価・原価率
- 利益率
それぞれ計算例を挙げながら解説します。
販売しようとしている商品の原価や取引で得たい利益、自分が求める利益率などを、紹介する例に当てはめながらチェックしてみてください。
原価・原価率
価格設定をするうえで、原価や原価率の考え方は欠かせません。
原価は「商品を製作するまでに必要となった費用」です。
原価率は「販売する価格に占める割合」のことを指します。
利益を上げるには、原価が販売価格を超えないように設定しなければなりません。
計算式は以下のとおりです。
- 仕入れ価格/原価率=販売価格
たとえば、原価1,000円の商品を2,000円の販売価格で売れば、1,000円の利益です(この場合の原価率は50%)。
- 1,000円/(原価率50%)=2,000円
逆に、原価2,000円の商品を1,000円の販売価格で売れば1,000円の赤字となります(この場合の原価率は200%)。
- 2,000円/(原価率200%)=1,000円
利益率
利益率から販売価格を設定するには、以下の式を使用します。
- 原価/(1-利益率)=販売価格
先ほどと同じ価格で例を挙げましょう。
2,000円の販売価格を設定しようとしたとき、原価が1,000円とすると以下のとおりになります。
- 1,000円/(1-0.5%)=2,000円
この場合、利益率は50%となります。
ほかにも、利益率を30%とした場合は以下のようになります。
- 1,000円/(1-0.3%)=約1,428円
なお、この場合の利益額は428円です。
販売価格の決め方で注意すべきポイント
販売価格の決め方で注意すべきポイントを紹介しますので、押さえておきましょう。
- 消費者目線で考えているか:その価格で「買いたい」と思えるか
- 市場価格と乖離していないか:市場価格とのバランスは取れているか
- 原価に足しや漏れはないか:仕入れ以外にも広告費や人件費が漏れていないか
そのほかにも、社会情勢や調達費用の高騰、天候不順などの影響をリスクとして捉えたうえで、販売価格を設定する必要があります。
まとめ
販売価格の決め方に関することを解説しました。
適正な販売価格を設定するには、原価・利益率・競合調査を組み合わせて考える必要があります。
当記事を参考に、商品ごとの価格を考えてみてください。
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最後までお読み頂きありがとうございました。