デプスインタビューとは? 実施するメリットやデメリット、流れを紹介

  • デプスインタビュー

公開:2022/09/28

更新:2023/06/01

マーケティングリサーチをしたいなら、消費者の生の声が聞けるインタビュー調査が有効です。

本記事では、インタビュー調査の手法の1つであるデプスインタビューとは何か、実施する際のメリットやデメリット、流れを紹介していきます。

インタビュー調査を自社製品のマーケティングに利用したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

デプスインタビューとは?

デプスインタビューは、深層心理や意識下の要素にアプローチし、詳細な情報や洞察を得るための質的調査手法です。

対象者との直接的な対話を通じて、思考プロセスや感情、潜在的なニーズやモチベーションを探求することを目的としています。

デプスインタビューは一対一の形式で行われることが一般的であり、インタビュアーと被インタビュー者の間で密なコミュニケーションが行われます。

グループインタビューとの違い

グループインタビューは、4~6名ほどの複数の対象者に対して1人のインタビューアーがインタビューすることです。

司会(モデレーター)の進行によりテーマに沿って話し合うなかで、情報の収取をしていきます。

モデレーターからの質問や参加者同士のディスカッションを通じて、多くの人から意見や反応を得ることに向いています。

一方、個人ごとの価値観や生活様式、深層意識など探るには、デプスインタビューを実施するのが一般的です。

デプスインタビューを実施する3つのメリット

1.深い理解と洞察の獲得

デプスインタビューは、対象者の意識下に潜む情報や要素にアクセスするための効果的な手法です。

一対一の対話を通じて、被インタビュー者の感情、価値観、ニーズ、モチベーションなどを深く理解することができます。

これにより、マーケティング戦略や製品開発、サービス改善などにおいて具体的なアクションプランを立てることができます。

2.豊富な詳細情報の収集

デプスインタビューは時間をかけて深掘りするため、被インタビュー者から豊富な詳細情報を収集することができます。

一般的な質問に加えて、追加の質問やプローブを使用することで、事前に想定していなかった重要な洞察を得ることができます。

3.双方向の対話と関係構築

デプスインタビューは対話的な形式で行われるため、被インタビュー者との双方向のコミュニケーションが可能です。

インタビュアーとの信頼関係を築きながら、対象者が自由に意見や感情を表現できる環境を提供します。

これにより、より深い洞察や本音を引き出すことができます。

デプスインタビューを実施する2つのデメリット

1.時間とコストがかかる

デプスインタビューは通常、一対一の形式で行われるため、時間とコストがかかる場合があります。

デプスインタビューの実施には、被インタビュー者との時間調整や交通費などの負担が発生します。

また、デプスインタビューは比較的時間がかかる傾向があります。

それぞれの対話が深い洞察を得るために必要なので、インタビュアーと被インタビュー者の両方にとって十分な時間を確保する必要があります。

2.主観的な偏りや一般化の難しさ

デプスインタビューは質的な情報を収集するため、主観的な偏りが生じる可能性があります。

被インタビュー者の個別の経験や意見に基づいているため、一般化することが難しい場合もあります。

そのため、デプスインタビューの結果を客観的な視点で分析し、他のデータや研究結果と組み合わせることが重要です。

デプスインタビューの基本的な流れ

1.目的と対象の明確化

デプスインタビューを実施する前に、目的と対象を明確にします。

どのような情報や洞察を得たいのか、調査の範囲や対象者の特徴などを明確に定義します。

2.インタビューガイドの作成

インタビューガイドは、デプスインタビューの中心となる質問のリストです。

ガイドは柔軟性を持ちながらも、主要なトピックや質問をカバーするように設計します。

被インタビュー者の意見や反応に応じて、追加の質問を使用することも重要です。

3.インタビューの実施

実施時には、十分な時間とプライバシーが確保されていることを確認します。

インタビュアーは被インタビュー者との信頼関係を築きながら、質問を進めていきます。

柔軟性を持ちながらも、インタビューガイドに従って対話を進めます。

4.データの分析と洞察の抽出

デプスインタビュー後には、収集したデータを分析し、洞察を抽出します。

インタビューの録音や記録を復習し、主要な洞察やパターンを特定します。

被インタビュー者の意見や感情、思考プロセスに焦点を当て、深い理解を得ることが重要です。

5.結果の報告と活用

デプスインタビューの結果をまとめ、報告書やプレゼンテーションなどの形式で提出します。

洞察を関係者と共有し、マーケティング戦略や製品開発、サービス改善などに活用します。

報告書は具体的な洞察と提案、行動計画を含むように作成し、組織内で意思決定や改善策の検討に役立てることが重要です。

まとめ

デプスインタビューは深層心理や意識下の要素を探求するための質的調査手法です。

対象者との一対一の対話を通じて、洞察や詳細な情報を収集し、深い理解を得ることができます。

デプスインタビューの実施には時間とコストの要求があり、主観的な偏りや一般化の難しさも考慮する必要があります。

ただし、豊富な情報や洞察を得ることができるため、マーケティングや製品開発、サービス改善などの重要な意思決定や改善策の立案に活用する価値があります。

デプスインタビューの実施にあたっては、明確な目的と対象の設定、適切なインタビューガイドの作成、信頼関係の構築などが重要です。

デプスインタビューの料金については以下のリサーチ会社のサイトなどを参考にしてみてください。

⇒ デプスインタビューの概要 

最後までお読み頂きありがとうございました。

執筆者

光田直史

高校卒業後、地元の運送業界や不動産業界に従事し、以後8年をIT企業の製造部門で勤務。事業部長と内部監査室長も兼任した。
その経験を活かし、2020年よりライターとして活動開始。
ビジネス、金融、IT、マーケティング、不動産、農業など複数ジャンルでの記事執筆を手がけている。

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