Meta(旧Facebook)は2021年10月にコンバージョンAPIを提供しました。
これにより、Cookie規制の影響を受けずに、広告の効果を正確に把握できるようになりました。
この変化は、広告主だけでなく、広告業界全体にとって大きなメリットだといえるでしょう。
近年、広告業界では、より個人のプライバシーを尊重したデータ収集方法やトラッキング手法が検討され、その一環としてコンバージョンAPIが採用されはじめています。
ここでは、Web広告やWebマーケティングの担当者向けに、コンバージョンAPIの特徴や導入背景、仕組みやメリット、設定方法などをご紹介します。
この記事の内容
コンバージョンAPIとは
コンバージョンAPI(CAPI)は、広告キャンペーンの成果(コンバージョン:CV)を測定する技術で、Cookieに依存せずにマーケティングデータ(Webサイトイベント、オフラインコンバージョン)を計測できます。
コンバージョンAPIが導入された背景
コンバージョンAPI(CAPI)の導入は、おもに次の2つの要因によるものです。
個人情報保護の観点からのCookie規制
以前は、CookieがWebサイトの訪問者の興味や行動に関する情報を収集し、マーケティングや広告に活用されていました。
しかし、世界的に個人情報の保護に関する関心が高まり、Cookieの使用に関する規制が広がっています。
特に、サードパーティーCookieの使用が制限されている状況です。
データ計測の精度向上
Cookie規制により、従来の広告効果の測定方法が難しくなりました。
その結果、サードパーティーCookieに依存しない計測方法が重要視され、コンバージョンAPIが注目されています。
コンバージョンAPIの仕組み・メリット・注意点
Cookieに依存しないコンバージョンAPIは、独自の仕組みでデータ計測を行います。
ここでは、コンバージョンAPIの仕組み・メリット・注意点をご紹介します。
コンバージョンAPIの仕組み
コンバージョンAPIは、広告主自身のサーバーから直接Meta社のサーバーへデータを送信します。
具体的な流れは、以下のとおりです。
1.ユーザーが広告主のサイトを閲覧します。
2.サーバーイベント(例:動画の視聴や商品をカートに入れるといったユーザーの行動)の生成要求が行われます。
3.イベントデータを送信します。(コンバージョンAPI)
4.データはMeta社の広告サーバーへ送られます。
コンバージョンAPIのメリット
コンバージョンAPIの導入によって得られるおもなメリットは、以下の3つです。
データ測定が安定する
Cookieやデバイスの規制といった不安定要素がなくなり、計測データの正確性が高まるのは、コンバージョンAPIを導入するメリットです。
計測データの量と質が改善する
サーバーから直接送信される情報とMetaピクセルの連携により、オフラインのデータも取得可能になります。
広告の最適化が進む
広告の効果が最大化されます。
データの収集と分析が円滑に行われ、PDCAサイクルを迅速に進めることで、有効な改善策を立案できます。
コンバージョンAPIの注意点
コンバージョンAPIの設定に時間がかかることは、1つの課題といえます。
その理由は、コンバージョンAPIの導入には多岐にわたる専門的な知識が求められるためです。
コンバージョンAPIの設定方法
コンバージョンAPIの設定は、以下の手順で実施します。
- 送信内容を決定する
- 実装方法を選定する
- 送信テストを実施する
以下で、それぞれの内容を確認しておきましょう。
ステップ1:送信内容を決定する
まず、Meta社のサーバーに送信する内容を決めましょう。
コンバージョンAPIは、広告の属性付けや最適化に必要なイベントデータの主要なパラメーターと、その他の追加パラメーターで構築されています。
ステップ2:実装方法を選定する
次に、どのようにコンバージョンAPIを実装するかを決定します。
このステップでは、エンジニアと連携しながら対応するのがおすすめです。
ステップ3:送信テストを実施する
最後に、設定した内容が正しく動作するかを確認するために、送信テストを実施しましょう。
以上のステップを踏むことで、コンバージョンAPIの設定が完了します。
ただし、設定には時間がかかることもあるため、余裕をもってスケジューリングしましょう。
また、個人情報保護の観点から、法務部門との連携が必要になることもあります。
具体的な設定方法については、Meta社の公式ドキュメントも参考にしてみてください。
参考:Meta/Metaイベントマネージャで、パーソナライズされた手順に基づきコンバージョンAPIを実装する
まとめ
コンバージョンAPIは、今後広告業界で広く活用されることが見込まれます。
そのため、Web広告やWebマーケティングを担当する方は、今のうちから知見を蓄えたり、実際に運用したりするのがおすすめです。
本記事の内容を参考に、コンバージョンAPIの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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