この記事の内容
代理店に対して感じる不安
Web広告の運用を行う際、代理店に対する不信や不満の声を耳にすることは少なくありません。
皆さんも何らかの経験があるのではないでしょうか。
代理店に対する不信感や不満は、広告予算の大きさによって異なることが多いです。
企業規模や担当者の広告知識レベルによっても異なりますが、月々の予算が一つの目安になることが多いです。
例えば、Web広告にかける予算が少ない場合、または市場規模に対して競合に比べて予算が少ない場合、代理店から月一で送られてくるレポートにはわずかな考察しか含まれておらず、改善提案も乏しいため、不安を感じるという声が多く聞かれます。
特に、効果が芳しくない状況下では、新しい提案や改善策が適切に行われないと感じることが多いようです。
このような場合、不安を解消できる対応のしっかりした代理店を選ぶことが重要です。
一方、予算が大きい企業では、縦割りの組織構造が多く、広告媒体や形式ごとに担当者が異なるため、全体像が把握しづらいという問題が生じることがあります。
また、将来的な戦略が不透明であると感じることも少なくありません。
このような場合、依頼している代理店がバラバラで、全体の統一感が欠けていることが原因となることがあります。
最近では、「〇〇円の予算で最適化します」という形式での代理店契約も増えています。
しかし、実際には代理店がほとんど何もしておらず、クライアントが無駄に費用を支払っているケースも少なくありません。
このような問題は、外部コンサルタントを導入した際に判明することが多く、当社にもこうした相談が増えている状況です。
広告予算に焦点を当てて考える
代理店側から見た場合、広告予算に焦点を当てて考えることが重要です。
例えば、月の広告費が100万円の場合、それは企業にとって非常に高額な出費です。
企業にとっては1人を採用できるほどの金額ですが、代理店にとっては手数料が20%の場合、20万円に過ぎません。
この金額では、複数名を専任にすることは難しいです。
広告費が500万円で手数料収入が100万円になれば、ようやく代理店として1人を専任にするかどうかの検討ができるという状況です。
利益も必要ですので、月の予算が100万円の場合、代理店の担当者が自社専任でついてくれることはまずありません。
そのため、その中で一生懸命取り組んでくれる代理店を見極める必要があります。
逆に、大きな予算をかけている企業の場合、Web広告以外にも多くの施策に予算を投下していることが多く、業務全体を代理店に丸投げしているケースが見られます。
ある程度の成果が出ていると、代理店側も細かくチェックすることが減り、Web広告だけでマーケティング施策が完結しないにもかかわらず、全体像が把握されずにコミュニケーションが不足している企業が多いです。
代理店との関係においては、担当者次第で大きく結果が変わることがよくあります。
例えば、発注前のやりとりでは営業担当者が非常に優れていたものの、実際の運用担当者に引き継がれると、何のアクションもなくなってしまうというケースです。
営業担当者がずっと担当してくれると思っていたが、実際は運用担当者に代わり、対応が雑になってしまったということがよくあります。
デメリットやリスクも話してくれる代理店を選ぶ
少ない予算で成果を出さなければならない企業が代理店を選ぶ際には、デメリットやリスクについても誠実に話してくれる代理店を選ぶことが重要です。
リスクに関する話が曖昧な代理店は、契約後に後出しでリスクが明らかになることが多いため、最初からリスクを説明してくれる会社は信頼できる可能性が高いです。
また、コンペやリプレイスの際に「当社ならこれくらいのCPAが可能です」「現状に比べて〇〇%CPAが下がるシミュレーションが出ました」といった提案があることがありますが、これらは多くの代理店が提示する標準的なシミュレーションに過ぎません。
そのため、提案の根拠を尋ね、ポジティブな部分だけでなくネガティブな点も含めて説明してくれるかどうかが、代理店選びのポイントとなります。
代理店の運用体制もしっかりと見る
運用体制についても重要なポイントです。
AIを活用する会社が増えていますが、AIを使って業務効率や利益を向上させること自体は悪いことではありません。
しかし、運用が始まると自動最適化に任せきりになり、担当者が手を動かさないケースが増えているようです。
AIに頼りすぎると、広告運用の成果が出ている場合は問題ないかもしれませんが、成果が芳しくない場合には新しい提案が出にくくなります。
AIの学習に頼りすぎる代理店が増えている一方で、AIだけでは十分に対応できない部分があることも理解しておく必要があります。
運用時の期待と実際のサービス品質のギャップを避けるためには、契約前に運用担当者としっかりとコミュニケーションを取り、サポート内容や期待するサービスの質について認識をすり合わせておくことが重要です。
また、代理店とのやりとりを通じて、技術的な理解やトレンドの知識を深めることも、信頼感を高める要素となります。
以上が、限られた予算で成果を出すための代理店の選び方に関するポイントです。
発注側で最低限理解しておくべきこと
発注側、つまり企業のデジタル担当者は多くの施策を兼任していることが多いため、最低限理解しておくべきことを整理しておきます。
まず、指標についての知識は不可欠です。
例えば、クリック率や単価の計算方法、これらの指標がどのような要因で変動するのかを理解していないと、代理店とのコミュニケーションや改善策のズレに気づくことができません。
BtoB企業が【法人向け】と明示してターゲットを絞った広告を展開する場合、個人からのクリックや問い合わせが減るため、広告のクリック率が下がり、CTRが悪化することがあります。
しかし、広告費が削減される一方で、広告ランディング先のCVRが向上するなど、プラスの効果も見られるでしょう。
指標を理解していないと、施策の結果を正しく評価・判断できなくなるため、指標の仕組みを理解することは重要です。
理想的には、何のために広告を出稿しているのかを逆算し、指標までを論理的に説明できる状態にすることが望ましいです。
実際にあった事例
また、どの代理店が運用しても獲得単価が1万円かかる商材で、以前の代理店では3,000円だったというケースがあったとします。
実際には、LPのCTAボタンのクリックを指標にしていたため、3,000円という数値が出ていたが実際の名簿獲得単価は2万円を超えていた、ということがありました。
このようなミスを防ぐためにも、何を目的とし、どの指標を目標とするのかを正しくすり合わせることが重要です。
大きな予算をかけている企業の場合、大手代理店に依頼することが多く、単価も高くなりますが、それに見合うサービスの質を期待することができます。
しかし、細かい部分で無駄な出費が生じていることもあるため、複数の代理店との接点を持ち、市場のトレンドやコスト感覚を把握しておくことが重要です。
まとめ
最後に、施策が複数の担当者に分かれている場合、それぞれの施策がバラバラに進行してしまい、全体のコストが増加することがあります。
例えば、SNSのアカウント運用がインフルエンサーを活用した企画と連動していない場合、SEOやMEO、広告と一体となって施策を展開することで効果を最大化できるにもかかわらず、横の連携が取れていないケースが多いです。
結局のところ、マーケティング施策の全体像を描き、担当者間で徹底的に情報共有しながら連携を図ることが最も重要なことになります。
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