Xでは、季節や行事ごとに生まれる会話の波を先読みし、効果的なタイミングで投稿する「Xモーメントカレンダー」が多くの企業に活用されています。この記事では、7〜9月に注目すべきイベントと、実際の投稿事例を交えて、Xモーメントカレンダーを活かしたSNS運用のヒントを詳しく解説します。
Xモーメントカレンダーとは?
Xモーメントカレンダーとは、X上でユーザーの関心が高まる「モーメント=特定の出来事や季節的なタイミング」に着目し、SNS投稿のタイミングやテーマを設計するためのカレンダーです。
年中行事や記念日、季節の変化、社会的な話題などをあらかじめ押さえておくことで、ユーザーの共感や関心を引きやすい投稿が可能になります。SNS運用におけるコンテンツ企画の手助けとなり、計画的かつ戦略的な運用をサポートするツールとして、多くの企業が活用しています。
活用メリット
Xモーメントカレンダーを活用することで、季節や行事に合わせたタイムリーな投稿が可能になり、ユーザーの関心に自然に寄り添った発信が実現できます。こうした“今”に即した投稿はエンゲージメントを高めやすく、話題化やフォロワーとのつながりを深めるきっかけにもなります。
また、年間の投稿計画を立てやすくなるため、運用の効率化にもつながります。
Xモーメントカレンダーを使った運用のコツ
Xモーメントカレンダーを活かすには、単にカレンダー通りに投稿するのではなく、自社のブランドやターゲットに合った切り口で“意味のある発信”に昇華させることが重要です。投稿画像やポスト内容、場合によってはキャンペーンなどを事前に準備しておくことで、ビジュアルや文言にもこだわった投稿が可能になります。
また、ユーザーが参加しやすいハッシュタグや投票、質問形式などの工夫を加えることで、投稿の広がりや話題性を一層高めることができます。
運用の基本的なサイクルは「企画 → 制作 → 投稿 → 分析 → 改善」の繰り返しです。
Xモーメントカレンダーをベースに毎月の注目イベントをピックアップし、タイミングに合わせてコンテンツを用意。投稿後はエンゲージメントやリーチを確認し、成果や反応をもとに次回の施策に反映させることで、精度の高いSNS運用につながります。
【25年7~9月】Xモーメントカレンダーの注目イベント
続いて、7月~9月の注目イベントを見ていきましょう。ぜひ投稿企画の参考にしてください。
7月21日【海の日】
海の日は、海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う祝日です。海水浴やマリンスポーツとの親和性が高いため、アウトドアやレジャー関連の商品・サービスのプロモーションに最適です。
たとえば、ビーチでの楽しみ方やおすすめの海辺のスポットを紹介する投稿は、フォロワーの興味を引きやすいでしょう。家族連れやカップル、友人グループなど、年齢を問わず夏のレジャーを楽しむ幅広い層がターゲットとなります。ハッシュタグとしては、#海の日 #ビーチ #夏の思い出 などが効果的です。
7月中旬以降【夏フェス】
7月中旬から8月にかけては、日本各地で夏フェスが開催されます。特に「FUJI ROCK FESTIVAL」や「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」など、全国的に知られた大型フェスは、SNS上でも大きな盛り上がりを見せるタイミングです。
夏フェスにちなんだ投稿としては、フェスに向けた準備アイテムやコーディネート紹介、フェス当日の暑さ・汗対策などが挙げられます。機能性とおしゃれを兼ね備えたフェスコーデや、熱中症対策グッズ、現地での過ごし方のコツなどを紹介する投稿は、フェス参加者のニーズに合致します。
ハッシュタグとしては、#夏フェス #フェスコーデ #FUJIROCK #RIJF #フェスの楽しみ方 などが活用しやすく、特定のフェス名と合わせて投稿することで、検索にもヒットしやすくなります。
7月下旬【夏休み】
学校の夏休みが始まるこの時期は、家族での旅行や子供向けのイベントが増える季節です。特に小中高生のいる家庭では、家族との時間が増えると同時に、子どもの退屈をどう解消するかが保護者にとっての関心事になります。SNS上でも「夏休みの過ごし方」や「親子で楽しめるアイディア」に関連した投稿が急増し、需要が高まるタイミングです。
「家の中でできる遊びや簡単な工作」や「夏の自由研究のアイデア」のような投稿は、特に保護者層の関心を集めやすいでしょう。また、共働き家庭などに向けては「時短でできる夏休みごはん」「子どもだけでも安全に楽しめる家遊び」など、実用性を意識した切り口も効果的です。
一方で、家族旅行やお出かけを計画している層に向けては、「夏休みのレジャー情報」「穴場の観光地紹介」など、情報収集に役立つ投稿もニーズが高いです。特に写真や動画を活用して現地の魅力を伝えると、視覚的にも興味を惹きやすく、旅行意欲を後押しする効果が期待できます。
EC事業者などにおいては、夏休み限定のキャンペーンやセール情報を発信することで、購買意欲を刺激することができます。
夏休みは1ヶ月以上続く大型モーメントであり、内容次第で長期間にわたって継続的に投稿のテーマとして活用できます。#夏休み #親子時間 #自由研究 #夏休みごはん #おうち時間 #夏の思い出 など、ターゲット層や投稿の切り口に合わせてハッシュタグを使い分けるとよいでしょう。
8月11日【山の日】
山の日は、登山やハイキング、キャンプなど、自然と触れ合うアクティビティに関連した投稿が効果的です。たとえば、アクセスしやすいおすすめのハイキングコースやキャンプ場、アウトドア用品の紹介などが挙げられます。
ターゲット層は、アウトドア愛好者や自然志向のライフスタイルを持つ人々がメインになるほか、夏休みでもあるため家族旅行を検討しているファミリー層にもアプローチしやすいでしょう。ハッシュタグとしては、#山の日 #登山 #キャンプ などが効果的です。
8月中旬【お盆】
お盆の時期は、夏季休暇を設定している企業も多く、全国的に人の移動が活発になる時期でもあります。帰省ラッシュが起き、駅や空港、高速道路の混雑がニュースになるほど、日本中が「家族」と「ふるさと」に意識を向ける貴重な期間です。
帰省や家族との時間を過ごすシーンが多くなるため、家族との団らん、久々の再会、地元での過ごし方に関する投稿が多くの共感を集めやすくなります。お盆休みに合わせた旅行やレジャーの提案も効果的です。
また、EC事業者にとっては「お盆ギフト」「帰省土産」の需要も高まる傾向にあるため、家族向けの贈り物、仏壇用のお供えセット、お取り寄せグルメなどを紹介する投稿も、購買意欲を刺激するチャンスです。
ハッシュタグとしては、#お盆 #帰省 #家族の時間 #夏の思い出 などが挙げられます。
9月15日【敬老の日】
敬老の日は、子どもからおばあちゃんやおじいちゃんへの感謝の気持ちを伝えるギフトやサービスの紹介が効果的です。特にギフトを販売する企業にとってはプロモーションの好機でもあります。高齢者向けの健康グッズ、食品、リラクゼーショングッズなどはもちろんのこと、手書きメッセージ付きのお菓子など、「気持ちを届ける」ギフトの提案が効果的です。
ターゲット層は、30〜50代の子育て世代を中心とした「親から祖父母へ贈り物をする側」と、10〜20代の若年層で「孫として祖父母に感謝を伝える側」の両方に分かれます。それぞれの層に向けて、「家族みんなでお祝い」「遠方でも気持ちが伝わるギフト」「孫からの手紙」といったテーマで投稿を工夫することで、広い層に訴求できるでしょう。
ハッシュタグとしては、#敬老の日 #感謝の気持ち #ありがとうおじいちゃん #ありがとうおばあちゃん #長寿祝い などが適しています。
9月23日【秋分の日】
秋分の日は、まだまだ残暑が厳しい季節ではありますが、秋の味覚や紅葉など、季節の移り変わりを感じさせる投稿が効果的です。秋の味覚を使った料理、模様替えや衣替えにまつわる日常風景などが、視覚的にも秋らしさを演出できます。
また、今年の秋分の日は9月23日(火)で飛び石連休となるため、9月22日(月)とあわせて4連休とする人も多いでしょう。旅行や遠出、家族・友人との時間を楽しむ投稿も増加します。旅行業界や観光地関連のアカウントにとっては、秋の行楽シーズンの開幕を告げる重要なタイミングであり、「秋分の日に行きたい●●特集」「今しか見られない絶景スポット」などのコンテンツが注目を集めやすくなります。
その他、「読書の秋」「芸術の秋」「スポーツの秋」といった秋にちなんだテーマも自然な流れで取り入れることができます。
ハッシュタグとしては、#秋分の日 #秋の気配 #秋の味覚 #季節の移ろい #秋のはじまり などが考えられ、テーマに応じて選定することで、トレンドに乗りやすくなります。
【7~9月版】実際の投稿で見るXモーメントカレンダーの活用事例
最後に、実際に企業がXモーメントカレンダーをどのように活用しているのか、7月〜9月の間で投稿された事例を紹介します。企業アカウントならではの遊び心やストーリー設計が光る事例を通じて、自社アカウントでも応用可能なアイデアを探ってみてください。
7月7日【七夕の日】のポスト
TVerの公式アカウントでは、七夕という「願いを込める日」と、ファン心理をうまく掛け合わせた参加型キャンペーン「#七夕の日 推しに願いを 総選挙」を展開しました。このキャンペーンでは、視聴者が自分の“推し”グループへの想いを投稿にリプライする形で参加でき、投稿を通じて「自分の推しをもっと知ってもらいたい」というファンの気持ちを自然と可視化する仕掛けが盛り込まれていました。
“星に願う”という七夕のモチーフと、“推し活”のトレンドを組み合わせたことで、単なる記念日投稿では終わらず、コミュニティの熱量を引き出す投稿となっています。実際のエンゲージメントも高く、7,500件以上のリプライ、3,800件超のリポストが集まっており、多くのファンの参加と拡散を呼ぶ結果となりました。
このように、ユーザーが自発的に参加できる仕掛けを設けることで、より多くの層にリーチさせることができます。
8月1日【洗濯機の日】のポスト
「洗濯機の日」というややマニアックな記念日をうまく活用したのが、トムとジェリーの公式アカウントです。この日は、「洗濯中のトム」がぐるぐる回っている様子をGIFアニメで投稿。誰もが知るキャラクターのユーモラスな一面を切り取った演出に、多くのユーザーが反応しました。
結果として、投稿には2,000を超える「いいね」が付き、GIFの動きが目を引くこともあり、タイムライン上での視認性と拡散性を両立していました。記念日そのものの認知が低くても、投稿にキャラクター性・ストーリー性・動き(GIFや動画)を加えることで話題化を狙える好例といえるでしょう。
9月1日【防災の日】のポスト
ウェザーニュースの公式アカウントでは、防災の日にあわせて「非常用持ち出し袋チェックリスト」を画像付きで投稿しました。防災の日は「もしものときの備え」を呼びかける社会的な意義が強く、情報の信頼性と実用性が重視されるモーメントです。
この投稿では、ユーザーが画像を保存したりスクリーンショットで残したりしやすいよう、チェックリスト形式の情報を1枚の画像に分かりやすくまとめており、内容の実用性だけでなく、フォーマットの親切さも光ります。リポスト数は3,800件を超えており、災害に対する備えへの関心が高いことをうかがわせます。
このように、生活に密着した記念日やテーマは、企業の専門性や社会的役割を活かした情報発信の好機になるでしょう。
まとめ
Xモーメントカレンダーはうまく活用することで、単なる日付の投稿にとどまらず、「企業の個性」や「ユーザーとの接点づくり」を効果的に演出できます。
自社アカウントのトーンやフォロワーの特性に合わせて、モーメントにストーリー性や意義を加えることで、投稿のリーチ・エンゲージメントを最大化していきましょう。

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