2025年4月、MetaのSNSプラットフォームのひとつ「Threads(スレッズ)」への広告配信が正式に始まりました。これまでInstagramやFacebookを中心に展開されていたMeta広告ですが、Threadsという新たなチャネルが加わることで、広告主にとっての選択肢が広がります。
本記事では、Threadsの概要から広告作成の手順、そして活用時のメリットや注意点までを詳しく解説していきます。
Threads(スレッズ)とは?
まずはThreads(スレッズ)とはどのようなSNSなのか、簡単に概要を紹介します。
Threadsの概要
ThreadsはMetaが開発したテキスト中心のSNSで、2025年3月時点では、世界での月間アクティブユーザー数が3.5億以上となっています。
シンプルな投稿スタイルと、親しみやすいUI(ユーザーインターフェース)を特徴としており、ユーザー同士の会話や意見交換が活発に行われる場として成長しています。テキスト投稿が主軸である一方で、画像や動画のシェアも可能であり、より気軽に「今の気持ち」や「ちょっとした考え」を発信できる点が支持されています。
X、Instagram、TikTokとの違い
Threadsは、短文テキストを中心とした設計という点で、X(旧Twitter)と類似性があるといえます。ただし、Xがリアルタイム性やニュース性を重視しているのに対し、Threadsはよりコミュニティ志向で双方向の会話を促す設計となっています。Instagramとの違いは、「画像中心かテキスト中心か」という点にあります。TikTokのような動画重視のプラットフォームとも異なり、テキストをメインとした情報のやりとりが特徴です。
Threadsへの広告配信が2025年4月からスタート
2025年4月より、Meta広告を通じ、Threadsにも広告が配信できるようになりました。このアップデートによって、Meta広告に新しい媒体が加わり、広告主はより多様なユーザー層へのリーチが可能になります。
フォーマットや配信面について
Threadsでの広告フォーマットは、画像広告(静止画)動画広告ともに対応しており、Instagramのフィード広告と近い形式で表示されます。
項目 | 画像広告 | 動画広告 |
ファイルタイプ | JPGまたはPNG | MP4、MOV、GIF |
アスペクト比 | 1.91:1~9:16(縦長画像は中央を基準に1:1にトリミング) | 1.91:1~9:16(縦長動画は中央を基準に1:1にトリミング) |
解像度 | 推奨:1440×1440px(上下限なし) | 推奨:1440×1800px(上下限なし) |
メインテキスト | 推奨:80~160文字 | 推奨:80~160文字 |
見出し | 最大40文字 | 最大40文字 |
コールトゥアクション | 一部CTAは非対応。Threadsの動画広告ではCTA表示なし | 一部CTAは非対応。動画キャプションは非対応 |
備考 | ハッシュタグ・URLは非対応 | ハッシュタグ・URLは非対応 |
配信面としては、Threadsのフィード上に表示され、ユーザーの投稿と投稿の間に挿入されるスタイルです。通常のフィード内に自然に表示され、ユーザーの投稿体験を妨げないよう配慮された設計になっています。
参考:Metaビジネスヘルプセンター「Threads広告について」
広告作成の手順
Threadsで広告を作成するには、広告マネージャーから以下の手順で設定できます。
ステップ1:キャンペーン作成
- 広告マネージャで「+作成」をクリック。
- 目的(認知/トラフィック/売上)を選択。
ステップ2:広告セット設定
- 予算・掲載期間・オーディエンスを設定。
- 「ダイナミッククリエイティブ」はオフに。
ステップ3:配置設定
- デフォルトの「Advantage+配置」ではThreadsフィードが含まれる。
- 「手動配置」を使う場合は「Threadsフィード」と「Instagramフィード」の両方を選択(Threads単独不可)。
ステップ4:名義と広告フォーマット
- Threadsプロフィールがない場合は、プロフィール作成からInstagramアカウントを利用して作成。
- 広告フォーマットは「シングル画像または動画」を選択。
ステップ5:リンク・クリエイティブ・設定
- リンク先にウェブサイトURLを入力。
- クリエイティブ入力を完了(配置アセットカスタマイズも可)。
- 言語はオフ、必要に応じてトラッキング設定。
ステップ6:公開
- すべての設定が完了したら「公開」をクリック。Threads広告の活用メリットと注意点
設定手順の詳細については、Metaビジネスヘルプセンター「Threadsで広告を作成する」を参考にしてください。
実際、Threadsへの広告配信はどう見えている?
実際に筆者のThreadsフィード(「おすすめ」タブ)を確認してみると、広告は通常投稿に自然に溶け込む形で表示されていました。


表示形式としてはX(旧Twitter)のプロモツイートに近く、アカウント名の横に「広告」と入っており、「続きを読む」をタップすると全文が展開される仕様です。
見た目の違和感は少なく、広告感が強すぎないのが特徴です。通常の投稿と広告の境界が目立たないため、ユーザー体験を損なうことなく訴求できる設計になっていると感じました。
広告の表示頻度については、Xと比較するとまだ少なく、「広告が多すぎてわずらわしい」といった印象はほとんどありません。現在は導入初期段階ということもあり、今後の広告量や表示ロジックの変化には注目する必要があるでしょう。
Threads広告の活用メリットと注意点
最後に、活用メリットと現時点での注意点を解説します。
メリット
Meta広告のリーチ範囲が拡大
Threadsへの広告配信が可能になったことで、Meta広告のリーチ範囲がさらに拡大しました。特に、テキスト中心のSNSであるThreadsは、従来のビジュアル中心メディアとは異なるユーザー層へのアプローチが可能です。
広告競合が少ない今こそ始めどき
まだ導入初期段階にあるため、参入している広告主が少ないのが現状です。そのため、クリック単価(CPC)や表示単価(CPM)が比較的安く、少ない予算でも高いリーチや効果を得やすい状況にあります。
競争が本格化する前に運用を始めておくことで、媒体特性の理解や運用ノウハウを蓄積でき、後発の広告主に対して優位に立つことができるでしょう。
InstagramやFacebookと一緒に配信できる
ThreadsはMeta広告の配信先のひとつとして設定されているため、InstagramやFacebookと同じ広告セットで配信できます。広告マネージャー上でのキャンペーン設計時に、ターゲティング、予算、広告クリエイティブなどを統合的に設定できるため、運用効率が高まります。
今後シェア拡大の可能性
世界的に見るとThreadsの利用者は特にアメリカやインドなどで増加傾向にあり、今後さらに広告市場としてのポテンシャルが高まると期待されています。MetaとしてもX(旧Twitter)のシェアを奪う重要なチャネルと位置付けており、広告商品の拡充が進められています。
注意点
まだリーチ数が少ない可能性がある
一方で、Threadsはまだ発展途上のプラットフォームであり、ユーザー数やエンゲージメントが安定していない部分もあります。実際に、ノンターゲティングの場合のリーチ数は下記の通りで、現時点ではまだリーチ数は少ないことが想定されます。
- Instagram単体の推定オーディエンスサイズ:51,600,000 – 60,800,000
- Threadsを含む推定オーディエンスサイズ:51,700,000 – 60,800,000
広告の効果測定や最適化には、一定の試行錯誤が必要になるでしょう。
派手なビジュアルに凝った訴求は向かない
テキスト中心の設計ゆえに、派手なビジュアルに頼った訴求よりも、言葉での訴求力が求められます。広告クリエイティブのトーンや内容は、Threadsの雰囲気に合ったものを意識する必要があります。
Threads単独の配信はできない
現時点では、Threads単独での配信はできません。InstagramとThreads、両方で配信するという認識を持っておきましょう。
順次実装のためまだ設定できないアカウントがある
まだ実装初期ということもあり、設定できるアカウントとできないアカウントが見受けられます。「Threadsの広告作成できない」という場合は、順次実装されていくことが想定されます。
まとめ
Meta広告でThreadsへの配信が可能になったことで、広告主にとっては新たなチャネルが加わりました。テキスト中心のSNSという特性を活かしながら、Meta広告の一元管理体制で効率的に運用が可能です。とはいえ、まだ新しいプラットフォームであるため、導入にあたっては慎重な検証と改善が求められます。
今後、Threadsがどのようにユーザーと広告主にとって価値ある場に成長していくのか、引き続き注目していきましょう。

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