Meta広告「バリュー最適化」が進化!ROAS改善に繋がる新機能を解説

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公開日:2025/06/25

更新日:2025/06/25

2025年6月、Meta広告の「バリュー最適化」機能に大幅なアップデートが入りました。今回のアップートでは、機械学習の最適化精度が向上し、ROASが平均12%改善したというMeta社からの報告も出ています。この記事では、アップデートの概要や活用ポイントをわかりやすく解説します。

Meta広告「バリュー最適化」3つのアップデート

Meta広告の「バリュー最適化」機能が大幅にアップデートされました。今回のアップデートでは、従来のコンバージョン数重視から「コンバージョン価値重視」への戦略転換が鮮明になり、実際にROAS(広告費用対効果)が平均12%向上する結果が出ています。

具体的なアップデート内容は以下の3つです。

  • アップデート1:購入金額ベースのROAS最適化の精度向上(実装済)

既存機能の大幅改善により、ROAS平均12%向上を実現

  • アップデート2:利益率ベースのROAS最適化(テスト中)

売上ではなく「利益」での最適化が可能に

  • アップデート3:非購入イベント値ベースのROAS最適化(順次展開中)

初回購入者獲得やサブスク登録など、購入以外のイベントでもROAS最適化が可能

それぞれの詳細と活用方法を詳しく解説していきます。

そもそも「バリュー最適化」とは何か?

バリュー最適化とは、Meta広告の入札戦略オプションの1つです。バリュー最大化を使用すると、Metaは予算を消化しながら、「購入金額が最も高くなるように入札すること」を目指します。単純にコンバージョン数を増やすのではなく、「コンバージョンの価値」を最大化する広告配信手法です。

しかし、一口にコンバージョンと言ってもその価値には差があります。

【従来手法の例】

  • 100円商品を10個販売 = 売上1,000円
  • 1,000円商品を5個販売 = 売上5,000円

たとえば上記の例だと、コンバージョン数だけを見ると「10個」の方が多いですが、実際のビジネスでは、明らかに後者の方が価値が高いはずです。従来の「コンバージョン数最大化」では、両者を同等に評価していました。

しかしバリュー最適化は、MetaのAIが「価値の高いコンバージョン」を自動で判断し、売上や利益により貢献する顧客に優先的にリーチする仕組みです。今回のアップデートでは、この「価値」の定義方法が大幅に拡張されたと言えます。

参考:Meta広告「バリュー最大化について」

Meta広告バリュー最適化、アップデート詳細解説

早速、今回のアップデートの詳細を見ていきましょう。

1.購入金額ベースのROAS最適化の精度向上

以前からあったバリュー最適化ソリューションが大幅にアップデートされました。Meta社の公式テストでは、「コンバージョン値の最大化」を目標に設定したキャンペーンで、従来手法と比較してROASが平均12%向上したとの結果も報告されています。

従来の「コンバージョン数最大化」と新しい「コンバージョン値の最大化」を比較すると、以下のような違いが生まれます。

  • 従来手法: 予算200ドルでROAS2.0、4件の購入から400ドルの売上
  • 新手法: 予算200ドルでROAS2.5、3件の購入から500ドルの売上

購入件数は減少しても、より高額な商品を購入する顧客にリーチすることで、総売上と広告効率の両方が向上しています。この機能は、既にグローバルで利用可能です。

2.利益率ベースのROAS最適化(テスト中)

これまでは「売上金額」でしか最適化できませんでしたが、新たに「利益」での最適化が可能になります。商品によって利益率が大きく異なる場合、売上重視の最適化では適切な結果が得られない問題がありました。

【例】

  • A商品:売価30ドル、利益5ドル(利益率16.7%)
  • B商品:売価20ドル、利益10ドル(利益率50%)

上記のような場合、売上重視の最適化では高額なA商品を優先しますが、実際の利益はB商品の方が高くなります。

この機能は現在テスト段階です。テスト中の機能では、コンバージョンAPI経由で売上からの利益に関する情報を送信できるようになります。これにより、購入金額ではなく利益をリターンとするROASを重点的に追求できます。

正式リリース時期はまだ公開されておらず未定ですが、利益率の差が大きいビジネスにとって革新的な機能となることが期待されます。

3.非購入イベント値ベースのROAS最適化(順次展開中)

従来は「購入」イベントでしか最適化ができませんでしたが、「購入以外」の様々なイベントに基づいてROASを最適化することが可能になりました。

【対象となるイベント例】

  • 初回購入者の獲得
  • サブスクリプション登録
  • その他のカスタムイベント 等

実際に、美容ブランドのLaura Gellerは、新規顧客獲得キャンペーンでこの機能を活用しました。

  • 従来の手法:単純に新規顧客数を最大化
  • 新しい手法:「初回購入者」のカスタムイベントでバリュー最適化を実施
  • 結果:通常の新規顧客獲得キャンペーンと比べ、ROASを46%向上

この成果は、単に新規顧客を獲得するだけでなく、「ROASが高い新規顧客の獲得を優先する」ようにMetaの広告システムに指示を出した結果です。

現在、順次グローバル展開が進められており、徐々に利用できるようになってきています。これにより、どのようなイベントについても「コンバージョン値の最大化」をパフォーマンスの目標に設定し、ROASの最大化を図ることができるようになります。

参考:Meta広告「コンバージョンの価値を高める: 重要なビジネス成果に最適化するための新しいツールのご紹介」

最新の最適化機能を有効活用するには、基本の設定や戦略の見直しも重要です。Meta広告の改善に役立つ「Meta広告【最適化】チェックリスト」もご用意しています。無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。

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3つのアップデートの活用ポイント

各アップデート機能は、ビジネスの特性や目標に応じて使い分けることが重要です。

購入金額ベースのROAS最適化を選ぶケース

  • ECサイトで高額商品を重視したい
  • 商品の利益率がほぼ均一
  • 売上金額の最大化が最優先
  • すぐに効果を実感したい(既に利用可能のため)

具体例:家電、家具、アパレルなど価格帯に幅があり、高額商品の売上を伸ばしたいビジネス 等

利益率ベースのROAS最適化を選ぶケース(まだテスト中のため将来的に)

  • 商品ごとの利益率に大きな差がある
  • 売上よりも利益の最大化を重視
  • コストコントロールが重要

具体例:卸売業、多品目を扱うECサイト、利益率が商品によって大きく異なるビジネス 等

非購入イベント値ベースのROAS最適化を選ぶケース

  • 初回購入者やリード獲得が重要
  • サブスクリプションビジネス
  • 購入以外のCVを重視(アプリダウンロード等)
  • 長期的な顧客価値を重視

具体例:SaaSサービス、BtoBサービス、サブスクリプションサービス、アプリ 等

まとめ

Meta広告の「バリュー最適化」は、「量から質へ」のシフトを実現するアップデート&新機能により、より効率的で収益性の高い広告運用が可能になりました。これらの新機能を活用することで、従来の「とにかく多くのコンバージョン」から「価値の高いコンバージョン」へと戦略を転換し、さらなるROI向上を実現できるでしょう。ぜひ本記事を参考に、Meta広告運用の改善に役立ててください。

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執筆者

マーケティングプラスワン

Marketing+Oneの編集チームです。
広告代理店である株式会社HeartFullの広告担当者、メディア担当者、人材サービス担当者たちがサイト運営に携わっています。
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