2020年9月17日にリリースされたiPhone向けのOS「iOS14」ですが、WEB広告に大きな影響を与えるとして話題になっています。
「iOS14」はiPhoneの利便性の向上のためのアップデートとなりますが、それに伴い広告には、効果測定やターゲティングに必要なデータを取得することが厳しくなりました。
WEBマーケティングに関わる人には、大きな問題です。
本記事ではiOS14リリースによるWEB広告への影響についてまとめましたので、参考になれば幸いです。
この記事の内容
ITPとは
そもそもiOS14の影響を知る上で、ITPについて理解しておかなければなりません。
ITPとは簡単に言うと、Appleのユーザーのプライバシー保護機能のことです。
Appleのブラウザ「Safari」に搭載されており、サイトから別サイトへ遷移した時にクッキーを使用できなくする機能です。
2017年の9月に公開されたiOS11のSafariから搭載されていて、広告目的のクッキーの使用が制限されるため、リマーケティング広告などに影響があります。
ITPが搭載されているSafariですが、2019年12月の国内ブラウザシェアの調査結果では、Safariの利用率は約63%と圧倒的です。
この利用率からみても、ITPがもたらす広告への影響は大きいと言えます。
iOS14リリースによる3つの影響
そして今回のiOS14リリースにおいて、ITP以外にも広告に与える影響が大きく3つあります。
Safari以外のブラウザもITPが有効に
これまではITPの対象となるのはSafariのみでしたが、iOS14下で動作するブラウザ(iOS版のGoogle Chrome、 Firefoxなど)はすべてITPの対象となります。
また、ブラウザだけでなく、アプリ内ブラウザも対象となります。
アプリ内ブラウザとは、FacebookやTwitter、LINEなどでリンクをタップしてもSafariに切り替わることなくアプリ画面上にWEBページが表示されている状態のことです。
ITPにリダイレクトトラッキング対策が実装
前述したように、ITPとはサイトから別サイトへ遷移する際のクッキーを使用できなくする機能です。
リダイレクトトラッキング(バウンストラッキング)とはサイトから別サイトへ遷移する際に、リダイレクトを挟むことで計測を可能にする方法です。
iOS14ではこのリダイレクトトラッキングが無効化されます。
IDFAの取得がデフォルトで不可
IDFAとはAppleのiOS端末ごとにある広告用識別子で、各デバイスのユニークIDのようなものになります。
ターゲティング広告は、このIDFAによって取得されるユーザーの広告エンゲージメントや、アプリ内の行動データを利用して配信が行われます。
iOS14では、このIDFAデータの取得がデフォルトで「不可」となります。
厳密にいうと、iOS13までは、各アプリ共通設定でデフォルトで「許可」となってたものが、iOS14では、アプリごとの設定でデフォルトで「不可」となります。
iOS14リリースで考えられる広告への影響
iOS14の実装によるこれら3つの影響により、インターネット広告配信への影響としては、以下のようなことが考えられます。
- リターゲティング広告配信の減少
- ターゲティング広告精度の低下
- 計測可能なコンバージョンの減少
などなど・・・
今までも、ITPの実装やアップデートにより影響を受けては広告媒体が対策するという流れでしたが、今回も現状は広告媒体の対応を待つしかなさそうです。
まだコンバージョンリンカーやコンバージョン補完機能タグなど実装していない方は、最低限の対応として早めの実装をおすすめします。
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