Criteo(クリテオ)広告とは?メリット・デメリット・種類、導入手順などの基礎知識をご紹介

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公開日:2024/05/10

更新日:2025/11/13

Criteo(クリテオ)広告は、ユーザーごとの興味や購買意欲に合わせて最適な商品を自動表示できる高度なリターゲティング広告です。

本記事では、Criteoの仕組みや特徴、メリット・デメリットに加え、導入手順や向いている業界、さらに代理店を活用する際のポイントまでを解説します。初めてCriteo広告を検討する担当者でも、導入判断から運用方法まで理解できる内容となっています。

Criteo広告とは

Criteo広告とは、ユーザーの関心や行動履歴に基づいてパーソナライズされたクリエイティブを自動で配信する「ダイナミック広告」が主要な広告サービスです。「誰に」「何を(どの商品を)」「どのように(どんなクリエイティブで)」表示するかを自動で適切に決定し、ユーザーごとに最適なバナーを表示します。

画像引用元:Criteo広告ギャラリー

ECサイトや不動産、旅行業界など幅広い業種で活用されており、世界的にも信頼性の高い広告プラットフォームとして知られています。

Criteoの最大の特徴は、機械学習を活用してユーザーごとの購買意欲を分析し、最も効果的な商品を動的に表示する点にあります。そのため、ユーザーにとって「欲しい」と思える広告を自然なタイミングで届けることが可能です。

Criteo広告の仕組み

Criteo広告は、サイトに設置したタグや商品データフィードを通じて、ユーザーの行動データを収集します。たとえば、特定の商品ページを閲覧したものの購入に至らなかったユーザーに対して、別のサイト上でその商品や関連商品を再び表示します。この仕組みにより、購買意欲の高いユーザーを的確に再アプローチでき、CV(コンバージョン)率の向上が期待できます。

さらにCriteoはAIによる学習を重ねることで、時間帯やデバイス、過去の行動傾向をもとに最適な広告配信を自動で調整してくれます。

他のリターゲティング広告との違い

Criteoは他のリターゲティング広告と比較して、配信ネットワークの広さとデータ量が圧倒的です。Criteo独自のネットワークを通じて膨大な提携サイトに広告を配信できます。主な配信先・提携ネットワーク配下の通りです。

  • Yahoo! JAPAN(Yahoo Display Ads: YDA)と提携し、Yahoo!ニュースのトップ画面を含む主要サイト
  • Googleディスプレイネットワーク(GDN)、Facebook、InstagramなどのSNS
  • その他、Microsoft Advertising、楽天、LINE、食べログ、goo、MSN、はてなブックマークなど多岐に渡るメディア

また、ユーザー単位での行動履歴を深く分析し、商品の組み合わせやクリエイティブ内容を自動最適化する点が強みです。単に「訪問した商品を再表示する」だけでなく、購買確率の高い商品を推定して表示する高度な仕組みが導入されています。

Criteo広告のメリット・デメリット

Criteo広告を活用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。また、利用時の注意点も気になるところです。

以下、両者について確認しておきましょう。

Criteo広告のメリット

Criteo広告の最大の魅力は、AIによる自動最適化と圧倒的な配信ネットワークです。これにより、広告運用の負担を軽減しつつ高い成果を上げることができます。

自動最適化による効率的な運用

CriteoのAIは、ユーザーの行動データをもとに入札単価や広告内容を自動調整します。これにより、人的リソースを大幅に削減しつつ、常に最適な配信状態を維持できます。

広範囲な配信ネットワーク

Criteoの提携先は世界中に広がっており、GoogleやYahoo!のネットワーク外にも広告を表示できます。その規模はインターネットユーザーの90%以上を網羅するほどと言われています

国内外の主要メディアとの連携により、潜在顧客へのリーチを最大化できる点が強みです。多様なターゲット層に訴求できます。

広告クリエイティブの自動生成

商品データフィードと連携することで、ユーザーの関心に合わせたバナーを自動生成できます。商品データフィードとは、自社ECサイトなどで管理している商品情報(商品名、価格、画像、URL、在庫状況など)をCriteoが指定するフォーマットでまとめて提供するデータファイルのことです。

これにより、膨大な商品を扱うECサイトでも常に最新情報を反映した広告を効率的に配信できます。

Criteo広告のデメリット

Criteo広告には優れた点が多い一方で、導入・運用には一定の注意が必要です。ここでは、導入前に理解しておくべき課題を整理します。

初期費用・運用コストの高さ

Criteoは中規模以上の広告主を想定した仕組みであり、初期導入コストや広告予算の最低消化金額が設定されています。そのため、少額予算の事業者には負担が大きくなる可能性があります。

データフィード整備など導入ハードル

Criteo広告を効果的に配信するには、商品データフィードやタグ設置など、技術的な準備が欠かせません。データが不十分な場合、AIの学習が進まず効果が発揮されにくくなる点にも注意が必要です。

継続的な分析・改善が必要

AIが自動最適化を行うとはいえ、完全に放置してよいわけではありません。広告成果を定期的に確認し、戦略の見直しやクリエイティブの調整を続けることで、Criteoのポテンシャルを最大限に引き出せます。

Criteo広告の課金方式と出稿条件

次に、Criteo広告の課金方式や出稿時に必要な条件を解説します。

課金方式

Criteo広告の課金方式は主にCPC(クリック課金)です。広告が表示されるだけでは費用は発生せず、ユーザーが実際にクリックした際に料金が発生します。クリック単価はオークション形式で決定され、競合や広告の品質スコアなどによって変動します。

Criteoは自動入札機能を備えているため、予算に応じて最も効果的なクリック単価を自動的に調整してくれます。

出稿条件・最低出稿額の目安

Criteo広告を出稿するには、一定のトラフィック量が必要です。

まず、広告を出すサイトは直近30日間で4万人以上のユニークユーザー(UU)または1日1,500UU以上が目安とされています。商品点数に下限はないものの、多数の商品登録があるECサイトほど成果が期待できます。

さらに、配信開始にあたっては、最低出稿金額50万円以上(税抜)が必須です。これらの基準を満たす中規模以上のECサイトが導入に適しています。

Criteo広告の配信・ターゲティング手法

Criteoの代表的な配信手法であるリターゲティング、プロスペクティング、カスタムターゲティングについて具体的に紹介します。

リターゲティング(既存ユーザー向け)

Criteo広告の代表的な配信手法がリターゲティングです。過去に自社サイトを訪問したユーザーに対して、閲覧した商品や関連アイテムを他サイトで再表示します。

これにより、購入を迷っているユーザーを再び購買行動へ導くことが可能になります。特に、商品をカートに入れたものの途中で放棄したユーザーに対して有効で、広告配信後のコンバージョン率が大幅に向上するケースも少なくありません。

プロスペクティング(新規ユーザー向け)

Criteoでは、既存顧客だけでなく新規顧客獲得を目的としたプロスペクティング配信も可能です。AIが既存顧客のデータを学習し、それに類似した興味関心を持つ新しいユーザーを見つけて広告を配信します。

この仕組みにより、ブランドをまだ知らないユーザー層にも効果的にアプローチでき、リターゲティングと組み合わせることで広告効果を最大化できます。

カスタムターゲティングの活用

Criteoでは、顧客リストや特定の行動データをもとにしたカスタムターゲティングも可能です。たとえば、過去に購入した顧客にアップセル広告を配信したり、特定カテゴリーの商品を見たユーザーに関連商材を訴求したりといった柔軟な活用ができます。

自社CRMとの連携も可能で、セグメント別に配信戦略を立てることで、より高い成果を期待できます。

Criteo広告のフォーマット・クリエイティブの種類

Criteo広告で使用される代表的なフォーマットやクリエイティブの特徴について解説します。

ダイナミック広告

Criteoの代名詞ともいえるのが、ダイナミック広告です。ユーザーごとに異なる商品を自動的に表示し、興味関心に応じた訴求を行います。たとえば、Aさんにはスニーカー、Bさんにはバッグを表示するなど、一つの広告枠で複数パターンの配信が可能です。

画像引用元:Criteo広告ギャラリー

上記はCriteo公式の配信事例の一部です。これだけを見ても、非常に多くのクリエイティブフォーマットがあることが分かります。

Criteoでは、配信結果をもとにどのレイアウトや商品構成が最も効果的かを学習し続けます。クリック率やコンバージョン率が高いパターンを優先的に配信することで、時間の経過とともに広告パフォーマンスが向上していきます。結果的に、人の手を介さずに継続的な最適化が可能です。

商品データフィード連携で自動生成される広告

Criteo広告は、商品データフィードと連携し、タイトルや画像、価格などを自動的に広告に反映します。商品データフィードとは、自社ECサイトなどで管理している商品情報(商品名、価格、画像、URL、在庫状況など)をCriteoが指定するフォーマットでまとめて提供するデータファイルのことです。

このデータフィードをCriteoに連携することで、ユーザーが閲覧した商品や興味関心に応じ、パーソナライズされた広告バナーが自動生成されます。在庫状況や価格変更にも即座に対応できる点が大きな強みです。

広告運用者が手動でクリエイティブを更新する必要がないため、効率的な運用が可能です。

Criteo広告の導入手順と準備

Criteo広告を導入するためのステップと準備事項を紹介します。

導入前に確認すべき条件

Criteo広告を導入する前に、自社サイトのトラフィック量や予算を確認しておく必要があります。

  • 直近30日間で4万人以上のユニークユーザー(UU)または1日1,500UU以上
  • 最低出稿金額50万円以上(税抜)

1.Criteoへの申し込み

まずはCriteoへの申し込みを行います。新しく申し込む場合はCriteoの公式サイトから、すでに取引がある場合は担当者への連絡、代理店を利用している場合は代理店経由で申し込みをしましょう。

2.商品のデータフィードを準備

Criteo広告の基盤となるのが商品データフィードです。

商品名、価格、画像URL、在庫状況などを定期的に更新し、常に最新の情報をCriteo側に提供します。作成にはCSV形式での用意が一般的です。

3.ロゴデータをCriteo社へ提出

広告バナーに表示するロゴデータをCriteo社に提出します。ロゴはブランドのアイデンティティを表す重要な要素なので、社内で検討したうえで適切なものを提出しましょう。

4.Criteoタグをサイトへ設置

Criteoタグは、ユーザーの行動データを収集するために必要なコードです。自社サイト内の各ページ設置しましょう。

タグの設置が正確でないとデータ収集が不十分になり、広告最適化がうまく機能しません。そのため、自社内だけでの実装が難しい場合は、Criteのサポートチームに確認したり、代理店の利用を検討するのも良いでしょう。

5.広告配信開始

タグ設置の確認を行い問題がなければ、配信可能になります。導入から広告配信までの流れは他の媒体と同じような流れで、一般的なスケジュールはおよそ2〜4週間程度です。

申し込み、データフィード作成、タグ設置、テスト配信といった工程を経て本番配信が始まります。

Criteo広告が向いている業種・業界

Criteo広告は、さまざまな業種・業界で利用できますが、特に商品点数や案件数が多い業界で高い効果を発揮します。

最も代表的なのはEC業界で、アパレル、家電、雑貨など、豊富な商品ラインナップを持つサイトは、ユーザーの行動履歴にもとづくパーソナライズ広告配信により、コンバージョン率の向上が見込めます。

さらに、求人サイトや不動産、旅行業界、車両販売サイトなど、案件や物件、プランなどの「登録数が多い」業種も、Criteo独自のAIエンジンによるデータ分析や自動クリエイティブ生成の恩恵を受けやすいです。実際にはアパレルや家電だけでなく、人材、不動産、旅行領域も主要な活用先として実績があります。これにより、リターゲティングや新規顧客開拓(プロスペクティング)に幅広く対応できます。

一方で、商品点数や案件数が極端に少ない業種や単一商材のサービス系サイトなどでは、Criteo広告本来の強みを十分に活かしきれない場合もあります。しかし、Criteoのネットワークと学習機能を活用すれば、さまざまな業種にも一定の効果が期待できるでしょう。

Criteo広告を代理店に依頼するメリット

ここまでCriteo広告の特徴や導入手順などを解説してきました。「Criteo広告を始めたいが、自社だけで実施するのは難しそう」と感じている方もいるのではないでしょうか?

最後に、自社運用が難しいと感じている担当者の方向けに、代理店を利用することについて、そのメリットを紹介します。

専門知識・リソースの最適化

専門知識を持つ代理店に依頼することで、効率的に成果を上げることが可能です。さらに、社内に広告運用の担当者がいなくても運用体制を整えられる点は大きなメリットと言えるでしょう。

日々の運用調整や分析、改善も代理店が担うため、担当者は施策判断や社内調整など本来の業務に集中できます。リソース不足に悩む企業ほど、代理店活用による効果を実感しやすいでしょう。

他媒体との連携提案も受けられる

Criteo広告は単体でも効果的ですが、Google広告やMeta広告など他媒体と組み合わせることでさらなる相乗効果を発揮します。代理店であれば、複数媒体の運用データを統合したクロスチャネル戦略を提案してもらえる点も大きな魅力です。

LP・サイト改善まで一貫サポート可能

多くの代理店では、広告運用だけでなくLP(ランディングページ)やサイト改善の提案まで対応しています。Criteo広告で集客したユーザーを確実にコンバージョンへ導くためには、広告以外の要素も重要であり、代理店の包括的なサポートが役立ちます。

まとめ

Criteo広告は、AIによる自動最適化と広範な配信ネットワークを活かした強力なリターゲティング広告です。導入には一定の準備が必要ですが、適切に運用すれば高いROIを実現できます。

自社のリソースや目的に応じて、専門代理店のサポートを受けながら運用体制を整えることで、Criteoの潜在力を最大限に引き出すことができるでしょう。代理店に相談することも一案です。

本記事の内容を参考に、ぜひ貴社のマーケティングにもご活用ください。

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執筆者

マーケティングプラスワン

Marketing+Oneの編集チームです。
広告代理店である株式会社HeartFullの広告担当者、メディア担当者、人材サービス担当者たちがサイト運営に携わっています。
【公式X】はこちら → https://x.com/Mktg_Plus_One

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