自動車業界は、コロナ禍を契機に変革の時期を迎えようとしています。
業界内では、カーボンニュートラルやシェアリングエコノミー、新技術への期待などあらゆるトピックが飛び交う状況です。
本記事では、自動車の市場動向や2022年におけるトレンド、今後の業界を理解するうえで欠かせない「CASE」について解説します。
この記事の内容
自動車の市場動向
日本自動車工業会の2021年の調査によると、乗用車世帯保有率は77.9%となっており、保有率については地方、家族がいる世帯を中心に高まっています。
そのなかでも、軽自動車の保有が3割強を占めている状況です。
また、ハイブリッド車など次世代エンジンを搭載した車も増加傾向にあります。
車の乗り換えの状況においては、同じタイプ・クラスからの乗り換えが多い状況といえるでしょう。
参考:2021年度乗用車市場動向調査について – JAMA – 一般社団法人日本自動車工業会
2022年自動車業界におけるトレンド
2022年自動車業界におけるトレンドには、以下の4つが挙げられます。
- 新型コロナウィルスの影響
- 技術への関心
- EV車への意識
- 保有形態
コロナを始めとした想定外の事象も業界・消費者意識に大きな影響を与えていますが、新技術やモノを所有することへの考え方にも変化が見られます。
ここではそれぞれに分けて解説しますので、見ていきましょう。
1.新型コロナウイルスの影響
新型コロナウィルスまん延防止対策として、人との接触を最小限にするため、公共交通機関の利用よりも自家用車を選ぶ人が増えています。
また、不要不急の外出が控えられたことにより、長距離移動が必要な外出が減っていることも影響のひとつとして挙げられるでしょう。
これらのことから、レジャー・趣味として車を使うのではなく、生活の手段としての需要が高まっているといえます。
2.技術への関心
高齢者の「踏み間違い」を起因とした事故の報道により、先進安全技術を搭載した車への関心が高まっています。
また、盗難防止やナビゲーション地図の自動更新、事故時の緊急サービスなどを利用したい消費者が増えていることもトレンドとして挙げられるでしょう。
さらに、導入されている技術以外にも、AIによる自動運転などへも多くの人が関心を持っているようです。
3.EV車への意識
電気自動車(EV車)を購入したいと希望する人は、増加傾向にあります。
しかし、車両価格や充電時間、走行可能距離などに懸念点を抱いているとの調査結果が出ています。
また、ガソリンと電気を利用して走行するPHV車を保有している層は、燃費や静粛性においての満足度が高い傾向にあるようです。
これらのEV車に対する意識傾向は、カーボンニュートラル宣言認知が広がるとともに、高まっていくと予測されています。
4.保有形態
これまでの自己保有とは異なり、必要なときだけ車を利用できるカーシェアリングを検討する人が増えています。
しかし、需要はインフラが整備されている都市部を中心としたものとなっているのが現状です。
また、車のサブスクリプションサービスにおいては、認知が広がっているものの利用者が少ない状況となっており、今後の動向は引き続き注視しておきたいポイントといえるでしょう。
自動車業界のトレンドワード「CASE」
カーボンニュートラルやシェアリングエコノミーの普及などから、自動車業界は変革のときを迎えています。
自動車業界におけるトレンドワード「CASE」について理解を深めておきましょう。CASEは「Conneted Autonomous Shared Electric」の略称です。
- Conneted:インターネットへの常時接続
- Autonomous:自動運転
- Shared:シェアリング
- Electric:電動化
自動車業界では、これらの概念を中心とした技術開発が進められています。
最大手の自動車メーカーであるトヨタ自動車では、CASE関連の開発費へ多額の投資をしている状況です。
しかし、「CASE」関連の技術開発には莫大な予算を必要とするため、業界内では新たな動きも活発化しています。
まとめ
自動車業界の市場動向やユーザーにおけるトレンドなどを解説しました。
コロナ禍を契機に自動車需要は高まっています。娯楽としてではなく、生活手段のひとつとしての車との意識が広がっているようです。
また、新たな技術やシェアリングエコノミーの普及で自動車業界のあり方も変わろうとしています。
業界の今後を知るうえで欠かせない「CASE」についても解説しましたので、ポイントを理解しておきましょう。
最後に、最近自動車を購入した方に購入に至るまでのエピソードをインタビューした動画をご紹介します。
個人の自動車購入意識が気になる方は是非ご覧ください。
⇒ 家庭内における購買意思決定に関するインタビュー「自動車編」
最後までお読みいただきありがとうございました。