住宅業界の市場規模は、コロナ前の水準に戻りつつあります。
しかし、将来の見通しを立てると決して発展し続けるとはいえない状況です。
この記事では、市場規模や住宅業界が抱える課題、将来に向けた改善策まで徹底解説します。
この記事の内容
住宅業界の市場規模
住宅業界の市場規模について以下の2つの点から見ていきましょう。
- 1.新築住宅の着工数
- 2.中古住宅市場
いずれも2021年は、新型コロナウィルスが蔓延する以前の水準に戻りつつあります。
それぞれの数値や消費者が求めるニーズについても解説しますので、チェックしてみてください。
1.新築住宅の着工数
2021年までの新築住宅の着工数は、コロナの影響を受けた2020年よりも増加傾向にあります。
住宅の中でも「持ち家」に分類される物件の新築着工数は約28万戸となり、コロナ前の水準に戻っているといえるでしょう。
また、消費者が求めるニーズには、テレワーク促進による郊外住宅の需要増加やライフスタイルに適したものが挙げられます。
これらも着工件数を伸ばした要因のひとつです。
2.中古住宅市場
中古住宅の市場においても、コロナの影響から2020年は大きくマイナスを記録しました。
しかし、2021年には以前の水準に回復しています。
中古住宅はリーズナブルな価格で購入でき、リノベーション工事をして自宅にするニーズが需要増加を後押しする要因となりました。
また、国が推進している「空き家対策」として、自治体が中古住宅を購入していることも要因のひとつとして挙げられます。
リフォームとリノベーションが普及したことによって、業界内でも物件購入から工事まですべてひとつの窓口で済む企業が増えています。
住宅業界の課題
コロナ以前の水準まで販売戸数は回復しましたが、住宅業界にはこれから持続的に発展するために克服すべき課題がたくさんあります。
- 新築需要の減少
- ウッドショック
- インボイス制度
ここでは、上記の3つの課題をそれぞれに分けて解説します。
住宅事業を持続的に発展させるために理解しておきたいポイントを理解しておきましょう。
1.新築需要の減少
現状、新築着工数は増加傾向にあります。
しかし、2010年をピークに人口減少トレンドに入った日本では、需要が減少していくことを避けられません。
国土交通省の推計では、2040年には今よりも約2,000万人の人口減が見込まれています。
新築住宅を購入する年齢層である30~40代の人口減少予測は、住宅業界において大きな懸念点といえるでしょう。
2.ウッドショック
コロナ禍に加えて、住宅へ使われる木材の高騰も大きな課題といえます。
特に、多くの木材を輸入していたロシアによるウクライナ侵攻は、ウッドショックの影響を長期化するおそれを孕んでいます。
国内・国外の木材価格は上昇の一途を辿っており、工期の延期や購入価格の上昇などが懸念されているため、引き続き木材価格の動向に目が離せません。
3.インボイス制度
インボイス制度は、2023年10月から開始される税制のひとつです。
概要としては、仕入れ税額控除を受けるために適格請求書の発行が必要となります。
適格請求書は、課税業者のみが発行可能とされており、免税事業者が多い一人親方との取引のあり方について検討しなければなりません。
これまでも建設業界は人手不足に悩まされていましたが、インボイス制度の開始によってさらに深刻な状況となってしまうおそれがあります。
住宅業界における改善策は?
足元の着工数や需要は増え続けている住宅業界ですが、将来を見通すと懸念材料が多くあります。
ここでは住宅業界における改善策をいくつかピックアップしてご紹介します。
- オンラインの活用:テレワークやリモート商談の推進
- DX化の推進:提案書や契約書のクラウド化
- SNSの活用:SNSやYouTubeを利用したリードの獲得
- ウェビナーの開催:リードを自社の顧客につなげる
まとめ
2022年における住宅業界の市場動向は、コロナ前の水準に戻りつつあり、堅調に推移しています。
しかし、人口減少トレンドに入っている日本において、喜ばしいことばかりではないのが現状です。
本記事では、住宅業界の市場規模や想定される懸念点、改善策についても解説しましたので、販売施策を検討するときは、ぜひ参考にしてみてください。
最後に、最近一軒家を購入した方に購入に至るまでのエピソードをインタビューした動画をご紹介します。
個人の住宅購入意識が気になる方は是非ご覧ください。
⇒ 家庭内における購買意思決定に関するインタビュー「住宅編」
最後までお読みいただきありがとうございました。