失敗しない商品コンセプトの作り方、商品開発で気を付けるべき事

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公開:2023/06/07

更新:2023/06/07

商品開発の成功には、魅力的な商品コンセプトの策定が重要です。

この記事では、商品コンセプトの作り方から商品開発の際の注意点などについて解説します。

商品コンセプトとは?何故重要?

商品コンセプトとは、商品の核となるアイデアやテーマのことです。

つまり、商品がどのような価値や魅力を持ち、どのような問題を解決するのかを明確に示すものです。

商品コンセプトは、消費者に対して差別化と魅力を提供する役割を果たします。

正しく策定された商品コンセプトは、競争力の強化や顧客の獲得・維持につながります。

商品コンセプトとキャッチフレーズは別物?

商品コンセプトとキャッチフレーズは異なるものです。

商品コンセプトは、商品やブランドの根幹となるアイデアやテーマであり、商品の特徴やバリューを表現します。

商品コンセプトは企業やブランドのアイデンティティを反映し、商品開発やマーケティング戦略の基盤となります。

例えば、高級感と革新性を重視した商品コンセプトや、手軽さと利便性を追求した商品コンセプトなどがあります。

一方、キャッチフレーズは商品やブランドの広告や宣伝文句に使用される短いフレーズやスローガンです。

キャッチフレーズは商品の魅力や特徴を簡潔に表現し、顧客に印象付ける役割を果たします。

キャッチフレーズは広告効果を高めるために工夫され、覚えやすさやインパクトを持つことが求められます。

例えば、「新しい感動を、あなたに」や「驚きと楽しさがいっぱい」などがキャッチフレーズの一例です。

商品コンセプトは商品やブランドの基本的なアイデアや方向性を示すものであり、キャッチフレーズは商品やブランドを宣伝するための効果的な文言です。

それぞれ異なる役割を果たし、相補的に活用されることが多いです。

商品コンセプトを作る方法と手順

商品コンセプトを作るための手順は以下の通りです。

1.ターゲット市場の分析

商品を展開するターゲット市場を明確にし、その市場の特性やニーズを分析します。

消費者の属性や行動パターン、嗜好などを調査し、ターゲット顧客の要求や課題を把握します。

2.ニーズの特定

ターゲット顧客のニーズや要求を特定します。

消費者の問題や不満、欲求を理解し、商品が提供する解決策や利益を明確にします。

消費者の視点から商品の魅力や付加価値を捉えることが重要です。

3.競合分析

同様の商品やサービスを提供している競合他社を分析します。

競合の特徴や強み、弱点を把握し、自社の差別化ポイントを見つけます。

競合との比較を通じて、顧客に提供する独自性や付加価値を明確化します。

4.市場トレンドの把握

マーケットの動向やトレンドを把握し、将来性や需要の変化を考慮します。

新たな需要や市場のニーズに応えることができるよう、時代の流れや消費者の嗜好を把握することが重要です。

5.コンセプトのブレインストーミング

チームメンバーや関係者とのブレインストーミングセッションを行います。

様々なアイデアを出し合い、商品コンセプトについての意見やアプローチを共有します。

創造的な発想を促進し、多角的な視点からコンセプトを構築します。

6.コンセプトの簡潔なまとめ

ブレインストーミングの結果を元に、商品コンセプトを簡潔かつ具体的にまとめます。

コンセプトは短文で表現し、商品の魅力や特徴、顧客への利益を明確に伝える必要があります。

言葉遣いや表現方法にも注意を払い、分かりやすさと魅力を追求します。

7.チームとの共有と評価

商品開発チームや関係者とコンセプトを共有し、フィードバックを受けます。

チームの合意を得ることで、コンセプトの妥当性や実現可能性を確認します。

適切な修正や改善を行いながら、最終的な商品コンセプトを確定します。

上記の手順を経て、商品コンセプトを作り上げることができます。

各段階で市場や顧客の声に敏感になり、創造性を発揮しながら、成功する商品コンセプトを追求してください。

プロダクトアウトとマーケットインとの違い

商品がプロダクトアウト(製品中心)なのかマーケットイン(市場中心)なのかによって、コンセプトの作り方やアプローチは異なります。

プロダクトアウトの場合、企業や開発者が自社の技術や製品に焦点を当ててコンセプトを作ります。

新しい技術や機能を持つ製品を開発し、それを市場に提供することが主眼です。

この場合、以下のポイントに注意しながらコンセプトを作り上げます。

1.技術や製品の強みを明確化する

自社の技術や製品の優位性や特長を明確に定義し、それをコンセプトに反映させます。

顧客にとっての利益や解決策を強調し、製品の付加価値を示すことが重要です。

2.ニーズとマーケットの調査

自社の製品がどのようなニーズに応えるのか、市場の需要やトレンドを調査します。

顧客の要求や課題を把握し、自社製品がそれにどのように対応するのかを明確にします。

3.機能や特徴の明確化

製品の機能や特徴を明確に定義し、それをコンセプトに組み込みます。

顧客が求める価値や利益を提供するために、製品の魅力や使いやすさを示すことが重要です。

一方、マーケットインの場合は、市場や顧客のニーズを重視してコンセプトを作ります。

顧客志向や市場の要求に基づき、商品を開発していくことが主眼です。

以下のポイントに注目しながらコンセプトを作り上げます。

1.顧客ニーズの明確化

ターゲット顧客のニーズや要求を特定し、それをコンセプトに反映させます。

顧客の問題や欲求を解決することに焦点を当て、顧客にとって魅力的な価値を提供します。

2.市場調査と競合分析

市場の動向や競合他社の製品を調査し、自社の商品がどのように競争力を持つのかを把握します。

市場のニーズやトレンドを把握し、それに基づいて差別化されたコンセプトを作ります。

3.顧客の声への耳を傾ける

顧客の意見やフィードバックを積極的に収集し、それをコンセプトに反映させます。

顧客の声を理解し、商品開発に反映することで、顧客の期待に応える商品を作り上げます。

商品のプロダクトアウトかマーケットインかによって、コンセプトの作り方やアプローチは異なりますが、どちらの場合でも顧客のニーズや市場のトレンドを重視し、顧客価値を提供することが重要です。

商品開発におけるありがちな失敗例

1.マーケットのニーズを無視する

商品開発の際に、十分なマーケット調査や顧客の声を軽視してしまうケースがあります。

顧客のニーズや市場のトレンドを十分に把握せずに開発を進めると、需要が低くなったり、競合他社に取り残される可能性があります。

2.ターゲット層の明確化不足

商品を開発する際に、明確なターゲット層を設定せずに広範な顧客を想定するケースがあります。

ターゲット層の特性やニーズを理解せずに商品を設計すると、マーケットにおける競争力が不足し、需要を獲得することが難しくなります。

3.技術や機能に偏重する

新たな技術や革新的な機能を追求するあまり、顧客の実際のニーズや使い勝手を見落としてしまうケースがあります。

技術や機能は重要ですが、それらが顧客の問題解決や利便性向上に繋がるかどうかを考えることが必要です。

4.マーケティング戦略の不備

商品開発にあたって、適切なマーケティング戦略の策定が欠けているケースがあります。

商品の特徴や競争優位性を明確に伝えるメッセージや広告展開、販売チャネルの選定など、マーケティング戦略の構築が不十分な場合、商品の認知度や売上げに影響を及ぼすことがあります。

5.不適切なタイミングや価格設定

商品のリリースタイミングや価格設定の判断を誤るケースがあります。

市場の需要や競合状況を考慮せずにリリース時期を選定したり、適切な価格設定を行わなかったりすると、需要の低下や収益性の低下につながる可能性があります。

これらの失敗例を避けるためには、マーケットの分析や顧客の声に基づく十分な情報収集、ターゲット層の明確化、適切なマーケティング戦略の策定などが重要です。

また、リスク管理やプロトタイプの評価を通じて、商品開発の過程での修正や改善を行うことも大切です。

まとめ

失敗しない商品コンセプトの作り方と商品開発で気を付けるべき事について解説しました。

商品コンセプトは、商品の魅力や競争力を決定する重要な要素です。

適切な商品コンセプトの策定には、ターゲット市場や顧客のニーズを把握し、競合分析や市場トレンドを考慮することが欠かせません。

また、消費者の声や差別化を図る要素の反映、柔軟性や長期的なビジョンの考慮も重要です。

これらのポイントに留意しながら、成功する商品コンセプトの作り方を追求していきましょう。

最後に、「これは絶対に売れそうだ!」と思える、新しい商品やサービスのアイデアやコンセプトがあったとしても、それが実際にターゲットから評価され、売れるかどうかを、開発前に予測することは非常に困難です。

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マーケティング活動のお役に立てれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

執筆者

光田直史

高校卒業後、地元の運送業界や不動産業界に従事し、以後8年をIT企業の製造部門で勤務。事業部長と内部監査室長も兼任した。
その経験を活かし、2020年よりライターとして活動開始。
ビジネス、金融、IT、マーケティング、不動産、農業など複数ジャンルでの記事執筆を手がけている。

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