クロス集計は、さまざまな要素を掛け合わせてアンケートの分析を行う手法の1つです。
この記事では、メリットやデメリット、クロス集計表の作成手順まで徹底解説します。ポイントを理解して、効果的なアンケート調査につなげましょう。
この記事の内容
クロス集計とは?
クロス集計はアンケートの分析を行う際、取り入れられる手法です。
具体的には、分析対象の設問を回答者の属性・他の設問事項などの軸を掛け合わせて集計します。
複数の項目を掛け合わせて集計することで、属性や考え方など質問の傾向を分析結果から把握できます。
また、クロス統計は掛け合わせる種類ごとに、詳細な集計情報を得られるのも特徴です。
クロス集計の種類
設問同士の掛け合わせを「設問間クロス集計」、属性との掛け合わせを「属性クロス集計」と呼びます。それぞれに使われる項目は以下の通りです。
【設問間クロス集計】
- 評価×頻度
- 利用率×認知度
- 利用頻度×通勤時間
例:SNSの利用種類ごとの商品認知度
【属性クロス集計】
- 年齢や性別
- 職業や居住地
- 家族構成
例:30歳女性の商品に対する評価
1つのアンケートから回答と設問・属性を抜き出して掛け合わせることで、多角的な分析が可能になります。
クロス集計のメリット
クロス集計のメリットは、単純集計からは読み取れない回答傾向を可視化できることが挙げられます。
たとえば、ある設問の回答に年齢の属性を掛け合わせることで、年齢ごとの回答傾向を把握可能です。
また、設問同士を掛け合わせることで「このような考えの人は、どのような傾向にあるのか?」など仮説を立てるのに役立ちます。他にも、以下のようなメリットがあります。
- エクセルなどで簡単に作成できる
- 結果を可視化できる
- あらゆる視点から分析できる
組み合わせ次第で、1つのアンケート結果から多角的な分析が可能です。
クロス集計のデメリット
クロス集計を分析するシートは、単純な組み合わせであれば作成可能です。
しかし、データの母数が多かったり、複雑な掛け合わせで分析結果を得ようとしたりすると、専門知識が必要な場合もあることがデメリットです。
アンケート調査を行う前にしっかりと計画を立てて、必要な回答数や設問内容を検討しなければなりません。
他にも、想定されるデメリットは以下のようなものが挙げられます。
- 膨大なデータ分析は高コスト
- 一定量のサンプル数が必要
目的に応じた設問の検討やサンプル数が少なければ、参考程度にしか利用できない情報となってしまいます。
クロス集計表の作成5ステップ
クロス集計表の作成は、基本的なものであれば以下のステップを踏めば分析結果を得られます。
- 集計データの準備:エクセルなどにアンケート回答を貼り付ける
- ピボットテーブル:データタブからピボットテーブルを選択する
- 反映させるデータ範囲を指定:範囲は基本的に全回答を選びシートを作成する
- エディタから「行・列・値」を選択:回答を横軸と縦軸になるように指定する
- クロス集計表の完成:属性と回答項目などの分布を視覚化できる
また、ピボットテーブルを選択した状態から「挿入→ピボットグラフ」を選ぶと、集計グラフを自動的に作成可能です。
まとめ
クロス集計は、1つのアンケートからさまざまな角度で回答を分析できる手法です。
基本的な掛け合わせは、エクセルなどに搭載されている「ピボットテーブル」機能を利用すると誰でも分析結果を得られます。
ピボットテーブルを用いたクロス集計のやり方に関しては以下をご参考にしてください。
しかし、効果的な集計にするには、調査の検討段階から質問数や内容などを計画する必要があります。
また、複雑の掛け合わせで分析データを得たい場合は、専門ツールの導入を検討した方がよいかもしれません。
解説したポイントを理解して、クロス集計で得た分析結果をもとに効果的な施策の立案を検討しましょう。
最後に実際のアンケート調査データをご紹介します。
無料で閲覧出来るのでクロス集計の練習をしたい方におすすめです。