本記事では、不動産業界のWeb集客実施歴10年以上の筆者が業種ごとの集客とCPA相場についてご紹介します!
以下でご紹介するデータに関しては、あくまでも筆者が携わってきた企業様のデータから平均値を算出したものであるため、必ずしもこれらのCPAで獲得できるものではないことはご了承くださいませ。
手法などに関しても、独自の見解を記載しているものになるので、リスティング広告運用者、不動産会社のマーケ担当の方に少しでもお役に立てれば嬉しいです。
この記事の内容
業種別【不動産業界CPA一覧】
まずは、不動産業界の表種別CPAを一覧で紹介します。
下記表を一目見ても分かるように、業種によりかなりCPAに幅があることが分かりますね。
業種 | 成果点 | CPA相場 |
---|---|---|
賃貸仲介 | 物件問い合わせ | 10,000~20,000円 |
売買仲介 | 物件問い合わせ | 40,000~55,000円 |
会員登録 | 15,000~25,000円 | |
注文住宅 | 資料請求 | 10,000~25,000円 |
展示場予約 | 75,000~100,000円 | |
新築マンション | 資料請求 | 15,000~35,000円 |
来場予約 | 50,000~100,000円 | |
不動産投資 | 資料請求 | 30,000~50,000円 |
それでは次から、業種別に細かく見ていきましょう。
賃貸仲介の集客とCPA相場について
賃貸仲介の集客は、物件数と物件数に合わせたランディング設計が重要です。
成果点を「物件問い合わせ」にしたときのCPA相場は、10,000〜20,000円です。(物件数が少ない企業は20,000円を超える可能性あり)
賃貸仲介で獲得効率の期待値が一番高いのは、筆者の経験上、リスティング広告です。
いかにユーザーと希望の物件をマッチングさせるかがポイントとなるため、出来るだけ細かいキーワード(条件までを網羅)の配信を常に出来ている状況が理想です。
また、賃貸仲介に関しては、掲載している物件数によりCVRが変動します。
反響数を増やしたい場合は、自社HPへの掲載物件数を増やすことが重要と言えます。
検索上では、ポータルサイトが競合化し、認知度の高さと物件数でCTR、CVRに大きな差が生じます。
媒体内での物件掲載順位が良いものに関しては、自社集客で頑張るより媒体に任せた方が効率的な場合もあります。
実際に、筆者が同一キーワードで大手ポータルサイトと企業のCTR・CVRを比較検証した際、共に大手ポータルサイトが4倍高い結果となりました。
脱ポータルサイトを考えている企業は、CPA15,000円を超える場合は無理に自社集客で頑張らず、ポータルサイトと共存した方が利益率は高くなるでしょう。
ユーザー集客後のCVRを上げるポイント
運用においては、駅・エリア×賃貸・賃貸マンションなどのキーワードに対して、リンク先はそのエリアの物件一覧へ誘導すると思いますが、物件数が賃料、面積、築年数などの基本条件で絞った際に20件を下回る駅・エリアではCVRが落ちる傾向があります。
そのため、掲載物件数に合わせてリンク先を変更することをおすすめします。
基本的な条件絞り込み後、物件数が20件を下回る駅・エリアに関しては、TOPページや上の階層に誘導し、消費者に”探している体験”をさせた方が、筆者経験上、CVRが上がる傾向があります。
検索した駅・エリアで、いきなり「10件しかありません」と提案されるより、自ら条件を絞って見つけた10件の方が消費者心理上結果に納得でき、次のアクションを起こしやすいと想定されます。
また、物件数が少ない企業に関しては、物件探しから全て委託されるようなLP、成果点を構築し、対策することをおすすめします。
売買仲介の集客とCPA相場について
売買仲介の集客は、CRMを強化し、会員登録数を増やすことが自社集客成功の鍵となります。
成果点を「物件問い合わせ」にしたときのCPA相場は40,000〜55,000円、「会員登録」にしたときのCPA相場は15,000円〜25,000円です。
売買仲介に関しては、非公開・未公開物件の関係上、掲載できる物件に限りがあるため、賃貸と違い、物件数で勝負するのはなかなか困難です。
そのため各社が取り組んでいるのは、会員登録すれば、非公開・未公開物件が見れるという仕組みです。
この会員登録に関しては、相場としては、15,000円〜25,000円くらいですが、会員に対するナーチャリングが各社課題となっています。
とにかく物件を見たいユーザーが登録はしてくれるが、そのユーザーの引き上げ率により、会員登録の許容CPAが決まってきます。
小規模の売買仲介会社ほどアナログ対応しているところが多く、CRMの強化が課題となってきます。
CRMの強化をしっかり行い、成約率を上げることができれば、会員登録の許容CPAが上がります。
その結果、件数を増やすことができ、売り上げが伸びるという好循環に入ることができるでしょう。
集客に関しては、商圏のエリア・駅に対してキーワードを網羅することが運用のポイント。
物件とのマッチング率が賃貸よりも低く、単価が高いことを考えると、月に1~2クリックのキーワードをどれだけ配信キープできるかが重要です。
また、売買仲介の場合は、会員登録数を増やすためのLPを作ることも有効です。
「初めてのマイホーム購入について」「住宅ローン相談」「地域密着」などのコンテンツを用意することでCVRも変わってくるため、自社集客に苦戦している企業は一度試してみてはいかがでしょうか?
注文住宅の集客とCPA相場について
注文住宅の集客は、クリエイティブに注力し、ディスプレイ広告、SNS広告の強化がリード獲得数アップに繋がります。
成果点を「資料請求」にしたときのCPA相場は10,000〜25,000円、「展示場来場予約」にしたときのCPA相場は75,000円〜100,000円となっています。
注文住宅は、ターゲットが比較的高所得者であり、こだわりが強いユーザーが多いです。そのため、検索に依存し過ぎず、ディスプレイ広告やSNS広告を活用し、クリエイティブの検証をおこないましょう!
キーワードに関しては、「ハウスメーカー」「工務店」「注文住宅」「マイホーム」などビッグワードの掛け合わせになりますが、どれもCPAが高くなる傾向があります。
これらのキーワードに関してはポータルサイトが向いているキーワードと言えます。狙うとすれば、「坪数」や「間取り」などのキーワードを細かく拾うことが重要です。
ディスプレイ、SNSに関しては、クリエイティブで商品ごとにビジュアルをしっかり訴求することがポイント。
外観にインパクトがあるものは外観、基本は内観で間取りやテラスなど、ユーザーのイメージを引き上げる要素がCTR・CVRの引き上げに繋がります。
また、住宅展示場については、70%の人が予約をせずに来場をする傾向にあります。
そのため、予約を成果点にする場合、来場予約のCPAだけに目が行くと、集客効率を下げることになるので要注意です!
SEO、MEOの対策もしっかりすることで、さらに来場数を増やすことができるでしょう。
新築マンションの集客とCPA相場について
新築マンションの集客は、エリアが限定されるため、エリアマーケティングが重要です。
成果点を「資料請求」にしたときのCPA相場は15,000〜35,000円、「モデルルーム来場予約」にしたときのCPA相場は50,000円〜100,000円です。
新築マンションの集客に関しては、場所が限定されるため、エリアマーケティングが重要になります。
そのエリアにこだわりを持っているユーザー、新築マンションにこだわりがあるユーザーをいかに取り込めるかが、リスティング広告の運用ポイントです。
その駅、沿線でのキーワードの掛け合わせ、周辺の小学校や公園、大型スーパー名などもキーワードに組み込み、少しでもユーザーと物件のマッチング率を上げるよう意識しましょう。
また、ディスプレイやSNSもエリアを絞り活用するのもおすすめです。
実際に、筆者もInstagram広告から新築マンションを購入しており、探しているユーザーにどれだけリーチを広げられるかで反響数、契約数に大きく影響してきます。
新築マンションの場合は、外観、共有部、内観、間取りなどマンションの特徴に合わせてクリエイティブを検証し、運用していきましょう。
コンテンツとして、物件写真やデザイン、コンセプトなどが弱い場合は、住宅ローンシミュレーションなどを用意し、リードを獲得する方法もあります。
不動産投資の集客とCPA相場について
不動産投資はマンション、アパートなどによって広告戦略が異なり、マンション経営は、リードを獲得するための特典、アパート経営は実績など見せ方が重要となります。
成果点を「資料請求」にしたときのCPA相場は30,000〜50,000円です。
マンション経営、アパート経営、土地活用と不動産投資も内容によって大きく広告戦略が変わってきます。
マンション経営はビジネスユーザーが対象となり、生命保険などの代わりなどの訴求で展開している企業も多いです。
基本的にはリスティング広告でマンション投資、マンション経営などのキーワードを展開することで、見込客へのリーチは出来ます。
誘導した後のLPは、利回りやサブリース、入居率をアピールしている内容のものが多い傾向ですが、ここが課題となります。
この辺りはもちろん基本要素として大事ですが、まずはいかにリードを取得するかが課題!
筆者の経験では、カタログやDVDの中身がCVRに与える影響が大きいと感じています。
投資経験者はすでに繋がりがある業者などから購入するケースが多いため、検索で入ってくるユーザーは初めてのマンション投資ユーザーが多いです。
そのため、不安を払拭できる、マンション投資の価値を感じられるような初心者向けの特典を最初のアクションで提供してあげることがリード獲得において重要になります。
アパート経営においては、地主や相続をした子供が対象となり、マンション投資よりもリード獲得の難易度は上がります。
そのため、基本はアパート経営において、課題があるユーザーやニーズが顕在化したユーザーを取り込むことが優先事項となるため、リスティング広告におけるキーワード設計が鍵を握ります。
また、ディスプレイ広告やSNS広告においては、空室率やサブリースなどの要素をクリエイティブに入れておくとCTR、CVRに大きく影響します。
不動産業界について共通で言えるのは、データ管理・CRMの部分が未だにアナログであるということです。
不動産は長期検討商材が多いため、CRMを強化し、成約率を上げることができれば、広告のCPA にゆとりを持たせ、件数増加を狙いに行けます。
その結果、全体の売り上げアップを実現できるでしょう。
自社集客を強化するのも大事ですが、今一度、データ管理とCRMの部分を見直してみることも大切です。
以上、不動産業界別のCPA相場について解説しました。不動産業界の広告運用担当者・Webマーケ担当者の方は、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
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