Google広告における検索広告(リスティング広告)に、いよいよ新しい自動最適化機能「AI Max」が導入されます。本記事では、AI Maxの概要から具体的な機能、設定方法、活用ポイントまでを詳しく解説します。広告運用に携わる方にとって、今後のパフォーマンス改善の鍵となる重要なアップデートです。
Google検索広告「AI Max for Search campaigns」概要
AI Maxは、Googleが2025年5月に発表した検索広告向けの新機能で、生成AIと自動最適化を組み合わせた画期的な仕組みです。現在はオープンβ版として提供されており、2025年6月末までにすべての広告アカウントに段階的に実装される予定です。
既存の検索キャンペーンに対してそのまま適用でき、キャンペーンの再構築などは不要です。AI Maxの設定はON/OFFで切り替え可能なため、運用状況に応じて柔軟に導入できます。
Googleによると、AI Maxを有効化した検索キャンペーンにおいて、コンバージョン単価を13%削減しながら、リード獲得数が16%増加との事例も公表されています。
参考:Google Ads&Commerce Blog「Unlock next-level performance with AI Max for Search campaigns」
AI Maxの3つの新機能(キャンペーン設定項目)
早速、AI Maxを構成する主な3つの新機能について詳しく見ていきましょう。
検索語句とのマッチング
1つ目は、検索語句とのマッチングです。AI Maxでは、従来の登録キーワードだけでなく、広告のクリエイティブやLPなどの情報をもとに、ユーザーの検索意図を読み取り、関連性の高い新たな検索語句にもリーチを広げます。これにより、今まで発見できなかった検索語句に対応し、より多くのコンバージョン獲得が期待できます。
さらに、AI Maxのみに含まれる機能として、広告グループ単位で関心対象地域を指定することができ、ユーザーの地理的インテントに基づいた配信も可能です。
テキストのカスタマイズ(自動生成アセット)
2つ目は、広告見出しや説明文の自動生成です。AI Maxは、LPのコンテンツやユーザーの検索語句に合わせて、広告見出しや説明文を自動生成します。
文言の訴求軸は、主にLPの内容から抽出されるため、よりユーザーの関心にマッチした表現で広告を届けることができます。
最終ページURLの拡張
3つ目は、ユーザーの検索意図に応じて、広告から遷移するリンク先を最も関連性の高いLPに自動で切り替える機能です。
検索語句と関連性の高いLP(サイトコンテンツ)を見つけ出し、そのLPへユーザーを誘導します。
参考:Google広告ヘルプ「検索キャンペーン向け AI 最大化設定の仕組み」
AI Maxの設定方法
AI Maxの導入は簡単で、「AI Maxでキャンペーンを最適化する」をオンにするだけで有効化できます。この設定をオンにすることで、「検索語句とのマッチング」機能が自動的に有効化されます。

※ベータ版のため項目やデザインは変更になる場合があります
同時に、「テキストのカスタマイズ(自動生成アセット)」と「最終ページURLの拡張」も自動でオンになるため、各機能を個別に設定する必要はありません。
AI Maxで利用可能な設定
続いて、AI Max導入時に利用できる設定項目について紹介します。項目は下記の通りです。
- 除外キーワードリスト
- 広告見出しと説明文
- アセットの削除
- URLの除外
- アセットの除外(※近日提供予定)
- 広告グループ単位での地域ターゲティング
- 広告グループ単位でのブランドの登録機能
従来通りの除外キーワードやURLの除外設定に加えて、AI Maxでは「アセットの除外」が近日中に提供予定です。これにより、特定のフレーズや単語を自動生成の広告文に含めないよう制御することが可能になります。
AI Maxのレポーティング機能
AI Maxでは、以下のような詳細なレポート分析が可能です。
キーワードレポート
AI Maxによって新たにマッチしたキーワードとそのパフォーマンスを確認できます。該当データは、最下部の「AI Maxの拡張一致」セクションで確認可能です。
検索語句レポート
マッチタイプ(AI Max)やソースの列からAI Maxによって配信された検索語句を特定できます。今後のアップデートで、LPや広告文も対応予定です。
アセットレポート
アセットレポートでは手動作成の広告だけでなく、AI Maxが自動生成した見出しや説明文の成果も追跡できます。
LPに関するレポート
最終ページURLの拡張に関しては、LP単位で集計されたデータを確認できるようになっています。
ランディングページページレポート
新設された「選択方法」列からは、アセットがAI Max生成か広告主作成かを判別できます。
AI Maxの活用ポイント
AI Maxは単なる自動化ツールにとどまらず、広告改善におけるインサイト発見ツールとしても活用可能です。
新たな訴求軸やユーザーニーズを把握
たとえば、AI Maxが生成した広告見出しや説明文を確認することで、新たな訴求軸やユーザーのニーズを把握する手がかりになります。新たな広告文の言い回しや表現方法によって、思わぬ切り口や価値訴求が見つかる可能性もあります。さらには、今後のクリエイティブ制作や改善、配信戦略を定量的に見直すことも可能です。
潜在層へのアプローチ
AI Maxによる検索語句のマッチングは、今までターゲティングできていなかった潜在層へのアプローチにも繋がります。キーワードレポートや検索語句レポートを分析することで、新たなニーズを捉えた訴求やキーワード追加につなげることができるでしょう。
LP最適化
LPへの遷移先(最終ページURLの拡張)を定期的に確認することで、サイト構造や導線の見直しに役立てることもできます。CVRの高いページが可視化されれば、そのページの構成やコンテンツをベースに他ページを改善するヒントにもなります。
このように、AI Maxを導入したからといって放置せず、定期的な検証と改善を重ねることで、より高いパフォーマンス向上を目指せるでしょう。
まとめ
Google検索広告のAI Maxは、生成AIと自動最適化を掛け合わせた強化機能です。設定は簡単で、既存キャンペーンにも導入可能。機能をうまく活用することで、検索語句の最適化から広告文・LPの自動最適化まで、広告運用の幅が大きく広がります。
今後のGoogle広告戦略において、AI Maxの導入と活用は、競合との差別化や成果の最大化に大きく貢献するでしょう。ぜひこの記事を参考に導入してみてください。

リスティング広告【最適化】に必須のチェックリストを”無料”配布中!
リスティング広告を運用する上で必要なチェックリストをPDF形式で無料でダウンロードいただけます。
【広告代理店の運用者】が教えるリスティング広告の基礎を使ってあなたのビジネスの集客アップにご活用ください。