はじめてMeta広告を運用する際に、「キャンペーン目的はどれを選ぶべきか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?目的の設定は広告配信の最適化に影響するため、誤った選択をしてしまうと期待する成果が得られず、無駄なコストや時間を費やしてしまうリスクがあります。
本記事では、Meta広告の目的の種類とその特徴、実際にどのようなシーンで活用すべきかを詳しく解説し、途中で目的を変えたくなった場合の対応方法や注意点まで整理しています。
Meta広告のキャンペーン目的とは?基本の考え方
Meta広告を運用する際、最初に設定する大きなポイントが「キャンペーン目的」です。キャンペーン目的は、その広告で何を達成したいのか、配信する上での最適化の方向性を決める重要な要素です。
たとえば、自社の商品を知ってほしいのか、Webサイトに訪問してほしいのか、あるいは購入や資料請求といった具体的なアクションを取ってほしいのかによって、最適な目的は変わってきます。この設定を誤ると思うような成果につながらないため、まずは目的の正しい理解が欠かせません。
Meta広告のキャンペーン目的の種類と特徴
Meta広告のキャンペーン目的の種類について、以下6つの特徴をそれぞれ紹介します。まずは簡単に概要を表にまとめました。
目的 | 特徴 | 主な目標 |
認知度 | 広いユーザーに広告を表示してブランドや商品を認知させる | ブランド認知の向上、リーチ拡大 |
トラフィック | WebサイトやLPへの訪問を促し検討フェーズに誘導する | トラフィック増加 |
エンゲージメント | 反応(いいね・コメント・シェア)や動画再生数を増やす | エンゲージメント増加、動画再生数アップ |
リード | フォーム等で見込み客情報を取得し営業につなげる | 資料請求、問い合わせ、フォーム送信 |
売上 | 購入や申込みなどのコンバージョン獲得につなげる | 購入、サービス申し込み、オフライン来店(コンバージョン) |
アプリの宣伝 | アプリのインストールや利用を促す | インストール数増加 |
認知度
「認知度」を目的に設定すると、多くの人に広告を見てもらうことを重視した配信が行われます。新商品の発売やサービスのローンチ時など、とにかく幅広いユーザーに存在を知ってもらいたい場合に有効です。
ただし、クリックや購入といった具体的な行動は必ずしも増えるわけではないため、あくまでも第一歩としての利用が適しています。「ここからブランドを広く知ってもらいたい」という段階で活用すると良いでしょう。
広告キャンペーンの設定時に、以下のいずれかのパフォーマンス目標を選択できます。
- 広告リーチの最大化:できるだけ多くの人に見てもらえるように広告が配信されます。
- インプレッション数を最大化:広告の表示回数を最大限に増やします。
- 広告想起リフトを最大化:広告を見たことを覚えている可能性が高い人に広告が配信されます。
- ThruPlayの再生数を最大化:15秒未満の動画を全編視聴する利用者に動画広告が表示されます。また、15秒以上視聴する可能性が高い利用者には、長尺の動画広告が配信されます。
- 動画の2秒以上の継続的な再生数を最大化:2秒以上継続して視聴する可能性が高い人に動画広告が配信されます。2秒以上の継続的な動画再生は、通常、画面に最低50%の動画ピクセルが表示された状態で行われるものとします。
引用:Meta「「認知度」の目的を使ってリーチを拡大し、強固なプレゼンスを維持する」
トラフィック
「トラフィック」目的は、広告を見たユーザーを自社サイトやランディングページに誘導することに特化しています。記事コンテンツやサービスページを訪問してもらい、認知から検討段階へと進んでもらうために用いられることが多いです。自社商品・自社サービスに類似した商品・サービスに興味関心を持っているユーザーが、配信ターゲットに設定されます。
ただし、流入数は増えてもすぐの購入やCVには必ずしも直結しないため、広告からの集客施策がメインとなります。
参考:Meta「「トラフィック」の目的を使って、ウェブサイトへのアクセスを増やす」
エンゲージメント
「エンゲージメント」目的では、いいねやコメント、シェア、動画再生数といったアクションを増やすことに注力します。SNS上での反応を高めたい場合に適しており、キャンペーンの話題化やユーザー参加型の施策などで力を発揮します。
ただし、エンゲージメントが増えても売上やリードにつながるとは限らないため、ブランドに親近感を持たせたり、ファン層を形成したりすることを目的とするケースが中心となります。
リード
「リード」目的は、見込み顧客の情報を集めたいときに利用されます。フォームを広告内で直接入力してもらえる「フォーム付きリード獲得広告」が代表的な手法です。その他、MessengerやInstagramのチャット上で自動質問に答えることで情報を送信してもらう「メッセージに誘導するリード獲得広告」や、電話へと促すことができる「通話ボタン付きリード獲得広告」があります。
資料請求や問い合わせへの誘導といった、営業活動につながるアクションを効率的に集められるため、BtoB企業や不動産などの高単価商品の販売においてよく使われます。
ただし、実際に運用する際には、フォームの設計やオファー内容が成果を大きく左右します。より具体的な仕組みや配信事例を知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
あわせて読みたい
リード獲得広告のメリット・デメリットを、実際に運用してきた配信事例を踏まえてご紹介。
「Meta広告のリード獲得広告とは?強みや配信事例、成功のコツを解説」
参考:Meta「 リード獲得広告 リードを獲得してビジネスを成長させましょう。」
売上
「売上」を目的に設定すると、購入や申込といった最終的な成果に直結する行動を最大化するように配信が行われます。ECサイトやサブスクリプションサービスにおいては、特に重要な目的であると言えるでしょう。
ただし、コンバージョンを最適化するためには一定量のデータ蓄積が必要なため、初期段階では配信が安定しにくいこともあります。予算や運用設計を踏まえて活用することが大切です。
また、売上を目的にしてキャンペーンを実施する場合は、Metaピクセルの設定が必要です。Metaピクセルから収集した情報により、サイトを訪問して購入などにつながる可能性が高いユーザーに広告を配信します。
参考:Meta「売上広告」
アプリの宣伝
「アプリの宣伝」目的は、アプリのインストールや利用促進に最適化されます。特にゲームやECアプリなど、ダウンロード数を短期間で伸ばしたい場合に有効です。
また、ターゲットを変更すれば、すでにインストール済みのユーザーに対して再利用を促すリターゲティング施策も可能です。アプリの成長フェーズに応じて、インストール数増加かアクティブユーザー増加かを見極めて使い分けましょう。
参考:Metaビジネスヘルプセンター「 Meta広告マネージャの「アプリの宣伝」の目的について」
【ゴール別・業種別】自社に合ったキャンペーン目的の選び方
広告目的を選ぶ際には、単純に「クリック数を増やしたい」といった短期的な指標だけで判断するのではなく、自社のビジネスゴールと照らし合わせて検討することが欠かせません。
キャンペーン目的ごとに最適化の仕組みが異なるため、ゴールに合わない目的を選ぶと期待していた成果が得られないことがあります。ここでは、①自社のゴールごとに適したキャンペーン目的と②業種ごとに適したキャンペーン目的を解説します。
自社のゴールごとに適したキャンペーン目的
資料請求や問い合わせを増やしたい場合
自社のサービスに興味を持ってもらい、資料請求や問い合わせにつなげたい場合は「リード獲得」目的が最適です。また、Webサイトのフォーム送信をコンバージョンイベントとして設定している場合は、「コンバージョン」目的を選ぶのも効果的です。
外部サイトに遷移せず、広告の中で完結させたい場合は「フォーム付きリード獲得広告」を利用する方法もあります。実際の問い合わせやリード情報の獲得につながるよう設計することが大切です。
具体的な活用法や配信事例については、以下の記事に詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
あわせて読みたい
リード獲得広告のメリット・デメリットを、実際に運用してきた配信事例を踏まえてご紹介。
「Meta広告のリード獲得広告とは?強みや配信事例、成功のコツを解説」
アプリのインストールを増やしたい場合
自社でアプリを提供している場合、インストール数を伸ばすことが成長のカギとなります。この場合は「アプリの宣伝」目的が最適です。アプリのダウンロードや初回起動といったイベントを最適化対象に設定することで、実際にアプリを利用する可能性が高いユーザーに効率的に配信できます。
単にインストール数を増やすだけでなく、継続的に利用してくれるユーザーを獲得することも意識して、アプリ内イベントの計測を組み合わせることが重要です。
ブランド認知を高めたい場合
すぐに成果につながる行動ではなく、自社やサービスの存在を広く知ってもらいたいケースでは「認知度」目的が最適です。特に、新商品の発売や新サービスの立ち上げなど、まだユーザーに認知されていない段階では、まず存在を知ってもらうことが重要です。
認知度目的では、多くの人に広告を届けやすくなります。動画広告やインパクトのあるクリエイティブと組み合わせることで、さらに効果的なアプローチができるでしょう。将来的なリード獲得や売上につながる土台を築くうえで、認知度キャンペーンは戦略的に活用していきましょう。
業種ごとに適したキャンペーン目的
ECサイト
ECサイトの広告運用では、「売上」目的が最も直接的に効果を測定しやすい選択肢となります。購入イベントをコンバージョンとして設定し、最適化を進めることで効率よく売上を伸ばすことができます。
ただし、新規顧客獲得を狙う段階では「トラフィック」や「エンゲージメント」を組み合わせ、商品ページへの訪問やカート追加といった行動を促すのも有効です。リターゲティングでは「売上」目的を強化することで、訪問者を確実に購入へ導く流れを作るのが理想的です。
不動産
不動産業界では、購入や賃貸契約といった成果に至るまでの検討期間が長いため、いきなり「売上」を狙うのは難しいでしょう。
まずは「リード」目的で資料請求や内見予約につなげ、見込み顧客リストを蓄積していくのが効果的です。
▼関連記事
「不動産業界のWeb集客【業種別CPAの相場】についてご紹介!」
「不動産賃貸業者が抱える課題とWebプロモーションにおける解決策」
BtoBサービス
BtoBサービスでは、即時の売上よりも「リード」目的を用いて問い合わせや資料請求を増やすことが基本です。特に高単価・長期契約型のサービスでは、広告を通じて一度の商談機会を得られるかどうかが鍵になります。
そのため、最初は「認知度」を活用してターゲット企業の意思決定者に自社サービスを知ってもらい、次の段階で「リード」目的を選んでホワイトペーパーのダウンロードやセミナー申し込みに誘導するのが現実的な流れです。
これは、最初に幅広い層へ広告を届けて接点を作り、その後に関心を持ったユーザーを対象にリターゲティングするというアプローチです。いきなり購入や問い合わせを狙うよりも、段階を踏んで関係を築いた方が成果につながりやすくなります。
来店促進(店舗集客)
飲食店や美容サロンなど、来店をゴールとする業種では、まず地域を限定した「認知度」や「トラフィック」で店舗ページや予約ページへの接触を増やし、そのうえでサイト訪問者に対してリターゲティングで「コンバージョン」目的(予約送信や来店の前段階となる行動)を狙う方法が現実的です。
イベントやキャンペーンに合わせたタイミングでも認知度目的を利用すると、地域内での話題性を高めることができます。
キャンペーン目的は途中で変更できる?
最後に、キャンペーン目的の変更の可否と注意点を整理します。
結論、Meta広告のキャンペーン目的は途中で変更することはできません。
そのため、キャンペーン作成後に異なる目的に切り替えたい場合は、新しいキャンペーンを作成する必要があります。二度手間にならないよう、最初の段階でビジネスゴールに合った最適な目的を選びましょう。
目的を変更したい場合は、新しいキャンペーンを作成することが推奨されます。たとえば、最初は「トラフィック」を選んでクリック数を増やしたが、最終的には資料請求や購入を狙いたくなった場合は「リード」や「売上」目的のキャンペーンを新たに立ち上げるのが適切です。
キャンペーンを作り直すと、再度学習フェーズが発生するため、短期的には成果が不安定になる可能性もあります。しかし、目的がゴールに合致していないまま運用を続けると、長期的に見てパフォーマンスは改善しにくいでしょう。
既存キャンペーンを引き延ばして無理に活用するよりも、正しい目的で最適化を進めることが最終的には効率のよい運用につながります。
まとめ
Meta広告のキャンペーン目的は、誤った目的を選んでしまうと、狙ったユーザーに届かず、成果に直結しないまま費用だけが消化されてしまう可能性があります。だからこそ、広告配信を始める前に自社のゴールを明確にし、その達成につながる目的を選ぶことが大切です。
目的選びを戦略的に行うことで、限られた予算を最大限に活かし、成果につなげることができるでしょう。

Meta広告【最適化】チェックリストを無料配布中!
Meta広告【最適化】チェックリストをPDF形式で無料でダウンロードいただけます。【広告代理店の運用者】が教えるMeta広告の基礎を使ってあなたのビジネスの集客アップにご活用ください。