TikTokは若者を中心に人気を集め、今では企業が広告媒体としても活用する場となっています。この記事は、TikTok広告について基本的な仕組みから種類、メリット、広告に必要な素材まで、初めての方でもTikTok広告の概要が分かる内容になっています。ぜひ参考にしてください。
TikTokの概要:特徴、年齢層、ユーザー
まずは、TikTokというSNSの特徴や、どのような年代に利用されているのか、ユーザーの特徴を紹介します。
ショート動画をメインとしたSNSプラットフォーム
TikTokは、中国のByteDance(バイトダンス)社が運営する、数秒から数十秒の短い動画を中心としたSNSです。縦型動画が基本で、ユーザーは動画をスワイプで次々と視聴でき、テンポよくコンテンツを楽しむことができます。
また、視聴だけでなく投稿も気軽に楽しむことができます。特別な編集技術がなくても、アプリ内の多彩なエフェクトやフィルター、BGMを使って手軽に投稿できるため、個人だけでなく企業も多く参入しています。広告も、このショート動画の形式に合わせて展開されるのが特徴です。
10~20代メインだが30代以上も増加傾向に
TikTokの主なユーザー層は10代・20代の若年層が中心です。しかし、最近では30代以上のユーザーも増えてつつあり、利用者の平均年齢は2019年以降毎年上昇しています。
博報堂による「コンテンツファン消費行動調査」(2023年)によると、「平均年齢は約36歳」との結果も出ており、若年層だけでなく、幅広い年代にリーチしたい企業にとっても有効なプラットフォームとなりつつあります。
TikTokユーザーは情報感度が高い
TikTokユーザーは情報感度が高く、「最新情報をいち早く手にしたい」「新製品を知人に勧めたい」といった志向を持つユーザーが多いといわれています。こうした特性から、広告やキャンペーンが話題になれば、ユーザー自身の手で自然に拡散され、広がっていく傾向があります。
また、TikTokはユーザーが視覚的・感情的に反応しやすい環境が整っています。ユーザーが広告に対してコメントやリアクションを行ったり、自ら動画を投稿して参加したりすることで、二次的・三次的な波及効果が生まれる点も大きな魅力です。
TikTok広告の種類
続いて、TikTok広告にはどのような種類があるのでしょうか?
大きく分けて、自分で予算を管理して出稿する「運用型広告」と、あらかじめ広告枠を予約する「ブランド広告(純広告)」があります。
【運用型】オークション型広告
運用型広告とは、出稿主が広告費を自由に設定できるタイプの広告です。「ブランドオークション」とも呼ばれています。
広告を運用しながらクリエイティブやターゲティング設定などを改善でき、GoogleやYahoo!の検索広告(リスティング広告)と近いイメージです。オークション形式で配信され、予算や入札額などによって掲載される場所が変わります。この後に紹介する【予約型】ブランド広告よりも、低予算で出稿できることが特徴です。
課金形態
主に「リーチ」と「動画視聴数」に応じた課金形態が選べます。
- リーチ課金・・・広告が一定回数以上表示されたときに料金が発生
- 動画視聴課金・・・ユーザーが動画をある程度の時間視聴したときに料金が発生
広告の目的やターゲットに応じて、最適な課金形態を選ぶことが重要です。
ターゲティング
TikTok広告では、性別や年齢、地域、興味関心、ユーザーの行動(動画視聴完了、いいね等)などに応じて配信ターゲットを絞り込むことができます。これにより、自社の商品やサービスに興味を持ちそうなユーザーに効率よくアプローチすることが可能です。
【予約型】ブランド広告
予約型のブランド広告は、TikTokの中でも目立つ場所に表示される「広告枠」を事前に確保するタイプの広告です。運用型広告とは異なり、固定の広告費を支払い、掲載される場所と掲載期間が一定保証される「純広告」です。出稿前に設定した条件は、運用型であるオークション型広告のように運用中の変更ができません。
その中でも大きく5種類あり、高いリーチやインプレッションの獲得が期待できるため、特にブランド認知や話題作りを重視する企業に多く利用されています。
TopView
アプリを開いた直後に表示される大型の動画広告です。TikTokユーザーなら誰もが目にする広告枠で、最も目立つ位置に表示されます。そのため、視認性が高く、インパクトのある訴求が可能です。
1日1社独占枠となり、新商品のローンチ、イベント告知、期間限定のキャンペーン実施など、「短期間で高い認知とリーチを獲得したいタイミング」に最適な広告メニューです。
Reach&Frequency
あらかじめターゲットと配信回数、期間などを指定することで、安定したリーチと広告表示頻度を確保できる広告商品です。どちらもおすすめフィード上に表示されるものですが、掲載されるタイミングで2つのタイプから選べます。

画像引用元:TikTok for Business「TikTokメディアガイド」
- 最初の広告枠(4番目)に必ず表示されるよう指定して広告枠を予約できるタイプ
- 4枠目以降ランダムに表示されるタイプ
計画的にブランド認知を高めたいキャンペーンに適しています。
Branded Mission
クリエイター(フォロワー1,000人以上、1,000回以上の動画再生有など諸条件をクリアしたクリエイター)が投稿したリアルなコンテンツを広告に活用できるのが、Branded Missionです。
広告主はミッションを設定し、参加条件を満たしたクリエイターがミッションに参加。そこに集まった投稿から、広告に利用する動画を選定できます。ユーザーとの共創により、自然な形で話題を広げることができます。
Branded Effect
動画撮影時に使えるオリジナルのエフェクトを提供する広告です。エフェクトの種類は、人の顔や身体に変化を加えるもの、前景や背景に装飾ができるもの、ゲーム機能があるものなど様々です。

画像引用元:TikTok for Business「「TikTokブランドエフェクトガイドブック」を初公開!最新機能から構築プロセスまで、ブランドエフェクトについて完全網羅」
ユーザーが楽しみながら自然と広告に触れることができ、ブランドイメージの浸透に効果があります。広告ではなく、TikTokでのUGC(ユーザーが自ら発信したコンテンツ)を作成することができるのが大きな特徴です。
ハッシュタグチャレンジ
ユーザーに特定のテーマで動画を投稿してもらう参加型の広告です。オリジナル楽曲、チャレンジページからユーザー投稿を促し、中長期にわたりTikTok内での露出を最大化させることができます。
例として、クリエイティブ(動画)コンテスト、バトル企画(商品A vs 商品B)、○○人気ランキングなどが挙げられます。UGC(ユーザー生成コンテンツ)による自発的で大きな拡散力を見込むことができ、多くのユーザーに認知され、話題性を高めることができます。
TikTok広告を配信する5つのメリット
ここでは、TikTok広告ならではのメリットについて紹介します。他のSNS広告と比べた際の強みを理解しておきましょう。
若年層・美容・ファッション関心層への高いリーチ
TikTokは特に10代〜20代の若年層、また美容やファッションに関心のある層に強くリーチできます。これらの層をターゲットにしたい企業にとっては非常に魅力的な媒体です。
動画による高い訴求力
テキストや画像だけでは伝わりづらい情報も、動画なら直感的に伝えることができます。商品の使い方や効果、雰囲気などをリアルに伝えられるのが強みです。
広告感が少なく興味を持ってもらいやすい
TikTokの広告は、通常の投稿に馴染むように設計されています。そのため、広告であることを意識されにくく、自然な形でユーザーの関心を引きやすくなっています。
フルアテンションでの動画視聴
TikTokは、1つの動画を画面いっぱいに表示する形式(フルアテンション)です。そのため、視聴中は他のコンテンツに邪魔されることがなく、広告に対する集中度が高くなります。没入感のある広告体験を提供できるプラットフォームであることは、大きな特徴と言えるでしょう。
バイラル拡散や口コミ効果が期待できる
TikTokでは、ユーザーが面白いと感じたコンテンツがあっという間に拡散されることがあります。広告が話題になれば、自発的に多くの人に届く可能性があるのも大きな魅力です。
TikTok広告に必要なクリエイティブ
最後に、実際にTikTok広告を出す際に必要な素材について解説します。動画がメインですが、静止画も一部の場面では活用できます。
動画
TikTok広告では、基本的に動画素材が中心となります。商品紹介や使い方、ストーリー仕立ての内容など、ユーザーが興味を持ちやすい内容が効果的です。
制作のポイント
短い時間で内容を伝えるため、冒頭の数秒で引きつける工夫が必要です。テキストの使い方や音楽の選定も、ユーザーの関心を引くうえで重要になります。また、スマートフォンの縦画面に最適化された構成にすることも忘れてはいけません。
静止画
「TikTok広告といえば動画広告」とのイメージが強いかもしれませんが、実は静止画も利用できます。ただし、掲載場所は限られており、ユーザーのおすすめフィードに表示される広告のみです。
制作のポイント
視認性を高めるために、シンプルで印象的なデザインに仕上げることが大切です。また、TikTokの世界観に合った色使いやトーンを意識することで、より一体感のある広告になります。
まとめ
TikTok広告は、若年層を中心とした幅広い層へのアプローチに優れており、動画ならではの高い訴求力を活かせる点が特徴です。広告の種類も豊富で、目的や予算に応じた出稿が可能です。
今後ますます注目されるTikTok広告について、この記事をきっかけに理解を深め、ぜひ活用を検討してみてください。

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