この記事の内容
WEBマーケティング担当としての数値目標に達した方へ
多くの企業では「マーケティング」と「セールス」は別部門、別担当になっていることがほとんどだと思います。Eコマースの場合は広告で直接の購入を狙うことになるため広告から売上までのルートに一貫性があるのですが、サービスやソリューションを販売する場合、マーケティング担当が獲得したリードをISS(インサイドセールス)などの前捌きを経て、実際に顧客に相対するセールスが引き継いで売上化することが多いです。
担当部門が分かれていることで、それぞれの部門で目標数字やKPIを設定することが多く、マーケティング担当としてはリードの獲得数、ISSではAP率、セールスは売上を追うという形になるのが一般的です。WEBマーケティング担当として、リード数が職務上の目標になっているという方も少なくはないでしょう。そして、ある程度WEBマーケティングに習熟してくると、「どうやればリード数を伸ばすことができるのか」ということに対して経験とナレッジが蓄積されてきます。インプレッションなど、母数としてのスケールが大きくなることが多いWEBマーケティングにおいては、リード数の目標を達成することは、ロジカルに予算が確保できていればそこまで難しい問題ではないのです。
ただ、「リードは獲れているのでWEBマーケティング担当の役割としては完遂している」と捉えて良いかというと、それは少し違います。獲得したリードがしっかりと売上に結びついているのかどうかを確認し、「リードの質」を磨くことでもっと売上貢献できないかと考える余地はいくらでもあるのです。
この記事では、そのように「数値目標を達成しているWEB担当」の方に向けて、「さらなる仕事」を提案します。
AP率と成約率を確認してみる
今一度、獲得したリードがどうやって売上化しているのかを考えてみましょう。簡単に図として示します。
企業によって細かい部分に差はあると思われるものの、大枠ではこのようなプロセスで取得したリードが売上に向けてステップアップしていくはずです。WEBマーケティング部門では、最初のリード獲得を担当することが多く、場合によっては「リードナーチャリング」と言われる「すぐに商談化しなかった見込み客のニーズを高める」取り組みも兼ねることもあるでしょう。
商談化のアプローチに関してはISS(インサイドセールス)と呼ばれる内勤営業部門が担当し、最終的に売上化するための営業はフィールドセールスが担当することが多いです。
この流れの中で、WEBマーケティング担当としてまず気にしてみてほしいのは、獲得したリードの何%が商談化していて、その中から何%が成約しているのかということです。一般的な指標では、リードが商談化する打率は40%から60%、商談化したものが成約に結びつく成約率は20%から40%ほどです。取り組む商材の難易度でも変わってくると思われるものの、この打率に達していない場合は、どこかに問題があります。
「リードの質」を見直す
WEBマーケティングほど、手段や選択肢が豊富で且つ即効性があるマーケティングチャンネルは存在しません。投じる広告費をリードに変換するために取れる手法が多く、コストのコントロールも細かく可能です。それだけに、「効率」だけにこだわった施策に偏ると、本来何を目的としたマーケティングだったのかを見失ってしまうこともあります。
その最たる例が「アフィリエイト」です。アフィリエイトは成果に対して対価を支払う形の広告手法であり、成果がゼロであればチャンネルを維持するための少しの固定費以外は費用がかからない媒体です。一般的には、「アフィリエイター」と呼ばれる方々にブログやSNSなどで商材やサービスを紹介してもらい、その紹介記事や投稿経由で獲得できた場合に報酬を支払うような形です。
ただ、このアフィリエイトで最も爆発力のあるプロモーションがあります。それが「ポイント還元」タイプのプログラムです。世の中には「ポイントサイト」と呼ばれるサイトが数多く存在します。それらのほとんどは、「特定のアクション」をした利用者に対してポイントを発行して報酬として還元するサービスを展開しています。そのようにして発行されるポイントの原資が何なのかというと、各スポンサーの広告費なのです。
つまり、「問い合わせをくれたらポイントとして還元する」というような立て付けで実質的にポイントサイト利用者の個人情報を「買っている」という形です。そして、このポイントサイトからのリードの質はあまり良いものではありません。「ポイントがもらえるので資料請求をした」という動機がほとんどであり、商談化するのは至難の業です。
すべてのポイント系アフィリエイト施策が悪いと断じるものではありませんが、もしもWEBマーケティングの手法にこのようなアフィリエイトを取り入れている場合、ISS(インサイドセールス)担当に「商談化できていますか」と確認した方が良いでしょう。また、アフィリエイトで集客していなかったとしても、製品やサービスの実態と広告訴求の内容がかけ離れていないかどうかなど、点検すべきポイントはたくさんあります。
WEBマーケティングはビジネス活動のスタート地点であり、あくまでも最終的な目的は「売上」ということを常に忘れてはいけません。獲得件数だけにこだわると、いつの間にかニーズの薄いリードを集めてしまっていることもあります。WEBマーケティング担当としての取り組みが、どれだけ会社のビジネスに貢献できているのかを改めて見直してみるのも、とても意味のあることです。
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