広告運用は自社で行う?代理店に任せる?迷ったときの最適な選択肢

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公開日:2025/03/26

更新日:2025/03/26

Web広告の運用を自社で行うべきか、それとも代理店に依頼すべきか・・・この選択に悩む企業担当者は少なくありません。そこでこの記事では、それぞれのメリット・デメリットを整理し、状況に合わせた最適な方法を選ぶポイントを解説します。

自社運用のよくある失敗例と解決策

まずは、自社で広告運用を行う際に陥りやすい課題と解決策について解説します。

最も多い課題のひとつは、適切な人材の確保です。広告運用には専門的な知識が求められますが、経験の浅い担当者が任されるケースも少なくありません。特に、採用段階で広告運用のスキルを適切に見極めることが難しく、期待した効果が得られないこともあります。

また、広告運用が本業と兼務になってしまい、十分な時間を割けないケースもよく見られます。適切な運用戦略を立て、PDCAを回しながら最適化を進めるには、一定のリソースが必要です。しかし、専任の担当者を配置できず他業務の合間に対応する形では、結果として効果が十分に発揮されないことがあります。

こうした課題を解決するには、社内に広告運用のノウハウを蓄積し、組織として取り組む体制を構築することが重要です。また、専門性の高い人材を採用する、または既存の担当者に継続的な研修を受けさせることで、運用スキルの向上を図ることができます。

自社で広告運用するメリットとデメリット

続いて、自社で広告運用を行う場合のメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。

メリット

自社で広告運用を行う最大のメリットは、社内に知見が蓄積される点です。長期的な視点で考えれば、マーケティングのノウハウを社内で蓄え、将来的に運用コストを削減できる可能性があります。

また、自社で直接広告を管理することで、様々な施策を試し、その結果をすぐに確認できることもメリットです。リアルタイムで施策の変更が可能になる点は便利と言えるでしょう。

デメリット

一方で、広告運用の専門知識がない場合、成果を出すまでに時間がかかるというデメリットがあります。広告配信の最適化には、ターゲティング、クリエイティブのABテスト、効果測定など、多くの要素が関わります。これらを試行錯誤しながら学ぶには、多大な労力と時間が必要になります。

また、社内リソースの確保も大きな課題となります。広告運用には継続的な改善が求められるため、担当者が他業務と兼任している場合、最適化が後回しになり、結果として広告のパフォーマンスが低下してしまうリスクがあります。

さらに、1人の担当者に依存していると、担当者が退職した際にノウハウが失われてしまう可能性があります。マーケティングチームとして広告運用に取り組む体制が整っていれば問題ありませんが、個人のスキルに依存している場合は注意が必要です。

代理店に広告運用を任せるメリットとデメリット

次に、代理店に依頼する場合のメリットとデメリットです。

メリット

代理店に広告運用を依頼する最大のメリットは、専門的な知見を活用できることです。代理店は多数のクライアントの広告運用を手掛けているため、最新の広告手法や効果的な戦略を熟知しています。そのため、最短距離で成果を出すための施策を実行しやすくなります。

広告運用の手間を大幅に削減できる点も大きなメリットです。戦略立案、配信設定、広告作成、運用調整、効果測定、改善策の実施など、個人で行うには手間がかかる作業が多いです。一連の業務を代理店に任せることで、他の重要な業務に集中できます。特に、リソースが限られている企業にとっては大きなメリットとなるでしょう。

さらに、代理店は最新の広告トレンドや技術にも精通しています。常に変化する広告業界の動向を把握し、最適な戦略を提案してくれるため、常に効果的な広告運用が可能です。

デメリット

一方で、代理店によってサービスの質に差がある点はリスク要因となります。担当者によっては十分なサポートが受けられなかったり、レポート送付のみの形式的な運用になってしまったりするケースもあります。そのため、代理店選びは慎重に行いましょう。

また、費用面も考慮すべきポイントです。代理店に依頼する場合は外注コストがかかり、通常、広告費の20%程度の手数料が発生します。ただ、必ずしもデメリットであるとは限りません。

たとえば、配信予算が1,000万円であれば、手数料は200万円になります。もし1人の担当者で1,000万円規模の運用ができるのであれば、代理店に依頼するよりも自社運用に力を入れた方がコストメリットがあるでしょう。100万円の配信予算であれば、20万円の手数料が発生します。この場合、専任者を新たに採用するよりも代理店に依頼する方がコスト的には安くなります。

予算や状況によって最適な選択肢は変わりるため、自社の広告費用と代理店に支払うコストを比較し、メリットがあるかどうかを判断することが重要です。

【事例紹介】自社→代理店運用に切り替えて成功した事例

続いて、自社運用で思うような成果が出ず、代理店に切り替えたことで改善した事例をご紹介します。

保育士求人サイトの広告運用でCPAを大幅改善

ある保育士求人サイトでは、広告運用を自社で行っていましたが、CPAが4〜5万円まで上昇し、広告の費用対効果が悪化していました。代理店への委託を決めましたが、最初に依頼した代理店では月1回のレポート送付のみで報告や改善提案がなく、状況が変わらないまま・・・。このままでは採算が取れないと判断し、弊社Heart Fullへご相談を頂きました。

特に大きな改善点となったのは、基礎的な設計の見直しです。そもそもの基礎的な設計が不十分である点がいくつか見つかり、設計を見直し&改善、運用の最適化を図りました。その結果、運用開始1ヶ月目の後半にはCPAを1万円台まで削減することに成功しました。

その他、コンバージョンの定義の見直しも行いました。以前は「電話タップ(サイト内の電話ボタンをタップした回数)」をコンバージョンとしていましたが、誤タップなどもあり実際には問い合わせに結びついていないケースが多く、広告の効果が正しく測定できていませんでした。そこで、実際の問い合わせ件数を重視したKPIへ変更し、正確な成果計測を行うことで、より効果的な運用が可能になりました。

結果として、「過去最高のお問い合わせが来ている」とクライアントから嬉しいご報告を頂くことができ、広告予算も増額し、さらなる獲得へと進めています。

なぜ自社運用では成果が出なかったのか?

今回のケースでは、広告運用の専任者がいなかったことが大きな課題でした。社内の既存メンバー3人体制で行っていましたが、広告運用を専門としていたわけではなく、他業務と兼任。そのため、細かい最適化が行き届かず、成果が伸び悩んでいたのです。

また、前述のとおり基礎的な設計不備も見受けられました。専門的な視点を持つ代理店が運用を引き継ぐことで、適切な戦略のもと改善を進めることができました。

このように、代理店の専門知識を活用することで、広告の成果を大幅に向上させることが可能です。

どちらを選ぶべき?状況に合わせた最適な選択肢

最後に、自社運用と代理店運用のそれぞれのケースについて、どのような場合に適しているか解説します。

自社運用が向いているケース

自社運用が向いているケースとして、広告運用の専任者を確保できる場合や、広告予算が比較的少額である場合が挙げられます。最も理想的なのは、自社でマーケティングチームを作れる環境を整えることです。広告運用の知見も蓄積され、人件費がかかったとしても、場合によっては業務の兼業が可能になります。適切な運用体制を構築できるかどうか、検討することが重要です。

代理店運用が向いているケース

一方で、広告運用の知見がない、または社内のリソースが不足している場合は、代理店に依頼するのが合理的です。

特に、配信予算が大きく、専門的な運用スキルが求められる場合には、代理店のノウハウを活用することで効果的な広告配信が可能になります。また、代理店経由でないと配信できない広告メニューも多くあるため、配信予算が大きいと自社だけでは対応しきれない部分も出てくる可能性があります。

両方の良いとこ取り!ハイブリッド運用もある

どちらか一方に決めるのではなく、自社運用と代理店運用両方を活用する方法もあります。

たとえば、広告費が500万円で手数料が100万円の場合、その100万円をすべて外注費としてではなく、社内の人材育成にも充てることで、運用体制を強化するという方法です。

配信金額でいうと、250万円ずつを自社と代理店で並行して運用を進める形になります。50万円は代理店への手数料としてかかりますが、残りの50万円を人材育成費用に充て、徐々に社内へ集約していくという流れです。最終的には、外注と内製のバランスを取りながら、少しずつ組織としての体制を整えていくことが安定した運用につながるでしょう。

まとめ

広告運用を自社で行うか、代理店に依頼するかは、企業の状況や目的によって最適な選択肢が異なります。それぞれにメリットとデメリットがありますが、重要なのは、自社の状況を把握し最適な選択をすることです。

まずは現状の社内リソースと広告運用の目的を明確にし、どの方法が最適かを判断しましょう。

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執筆者

マーケティングプラスワン

Marketing+Oneの編集チームです。
広告代理店である株式会社HeartFullの広告担当者、メディア担当者、人材サービス担当者たちがサイト運営に携わっています。
【公式X】はこちら → https://x.com/Mktg_Plus_One

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