コンジョイント分析とは?その特徴や分析方法、活用事例などを紹介します

  • コンジョイント分析

公開:2023/06/07

更新:2023/06/07

コンジョイント分析は、消費者の選好や意思決定プロセスを明らかにするために広く活用されています。

この記事では、「コンジョイント分析」というマーケティングリサーチ手法について詳しく解説します。

コンジョイント分析とは?

コンジョイント分析は、消費者が製品やサービスの異なる属性の組み合わせに対してどのような選好を持っているかを明らかにするための手法です。

消費者は、様々な要素(属性)を考慮しながら商品を選択していますが、その選択基準や優先順位を把握することは重要です。

コンジョイント分析は、消費者が実際に直面する選択シナリオを再現し、選好の傾向を明らかにすることを目的としています。

コンジョイント分析の特徴

コンジョイント分析の特徴は以下の通りです。

選好の明確化

コンジョイント分析により、消費者の選好や優先順位を客観的かつ定量的に把握することができます。

これにより、商品やサービスの開発やマーケティング戦略の立案において、より具体的かつ効果的な意思決定が可能となります。

属性の重要性の理解

コンジョイント分析は、消費者が異なる属性にどの程度重要度を付けているのかを明らかにします。

これにより、重要な属性を把握し、商品やサービスの設計やプロモーションにおいて重点的に取り組むことができます。

競合分析

コンジョイント分析は競合他社の商品と比較して、消費者の選好を把握することができます。

これにより、競合商品との差別化ポイントや競争力を明確にし、市場での優位性を確保する上で有益です。

コンジョイント分析の方法と注意点

コンジョイント分析は、消費者の選好を明らかにするための手法であり、以下の主な方法があります。

1.フルプロファイリング法(Full Profile Method)

フルプロファイリング法では、複数の属性や要素を組み合わせたプロファイル(選択肢)を作成し、消費者にそれらの中から最も好ましいものを選んでもらいます。

選択肢の組み合わせは実験計画法に基づいて作成され、それぞれの選択肢に対する消費者の選好度合いを評価します。

2.ランキング法(Ranking Method)

ランキング法では、消費者に複数の選択肢を順位付けしてもらいます。

属性や要素の組み合わせはランダムに提示され、消費者は自分の好みに基づいて順位をつけます。

その結果、選好度の高い順位が明確になります。

3.ペア比較法(Pairwise Comparison Method)

ペア比較法では、消費者に2つの選択肢を比較してもらいます。

属性や要素の組み合わせは順番に提示され、消費者はどちらが好ましいか選択します。

この比較を繰り返すことで、選好度の優先順位が明らかになります。

これらの方法を組み合わせることで、より正確な消費者の選好を把握することができます。

また、調査対象の属性や要素の数や組み合わせの数を調整することで、調査の効率や精度を調整することも可能です。

ただし、コンジョイント分析にはいくつかの注意点もあります。

選択肢や属性の数が多すぎると消費者の負荷が増え、結果の信頼性が低下する可能性があります。

また、適切なサンプルの選定や調査方法の設計、データの分析方法の選択などにも注意が必要です。

十分な準備と慎重な実施を行うことで、より有益な結果を得ることができます。

コンジョイント分析の活用方法

コンジョイント分析は、以下のような活用方法があります。

商品やサービスの設計

コンジョイント分析の結果を基に、消費者の要求に合った商品やサービスの設計を行うことができます。

選好パターンや属性の重要度を把握し、顧客ニーズに応えるための改良点や新商品の開発に役立てることができます。

プライシング戦略の立案

コンジョイント分析は価格に対する消費者の反応を把握するためにも利用されます。

消費者がどの属性にどの程度の価値を感じているのかを明らかにし、適切な価格設定や割引戦略を立案することができます。

ファストフード店での活用事例

ファストフードメニューの改善

ファストフード店は、顧客の好みに合わせたメニューの改善にコンジョイント分析を活用しています。

例えば、ハンバーガーチェーンでは、パティの厚さ、チーズの種類、ソースの味などの属性を選択肢として提示し、消費者が最も好まれる組み合わせを把握します。

それに基づいて、より顧客ニーズに合ったハンバーガーメニューを提供することができます。

セットメニューの構成

ファストフード店のセットメニューの構成においても、コンジョイント分析が活用されています。

例えば、ハンバーガー、ドリンク、サイドメニューの組み合わせについて、消費者の選好を調査します。

そこから、最も人気のあるセットメニューの組み合わせや価格設定を決定し、顧客満足度を向上させることができます。

メニューアイテムの導入

ファストフード店は、新たなメニューアイテムの導入においてもコンジョイント分析を活用しています。

例えば、新しいチキン商品の開発に際して、調理方法、味付け、サイズなどの属性を選択肢として提示し、消費者の選好を調査します。

これにより、市場に適したチキン商品を開発し、需要の取り込みや競争力の強化を図ることができます。

以上のように、ファストフード店でもコンジョイント分析は商品開発やメニュー構成の改善に活用されています。

消費者の選好を的確に把握し、より満足度の高いメニューを提供することで、競争力の向上や顧客の獲得・維持に貢献しています。

まとめ

コンジョイント分析は、消費者の選好や属性の重要度を明らかにするための有用な手法です。

選好データの収集と分析を通じて、商品やサービスの設計やマーケティング戦略の立案に活用することができます。

しかし、適切なサンプルの選定やデータの収集方法、分析手法の選択などに注意が必要です。

コンジョイント分析の結果を適切に解釈し、実践的な意思決定に生かすことが重要となります。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

執筆者

光田直史

高校卒業後、地元の運送業界や不動産業界に従事し、以後8年をIT企業の製造部門で勤務。事業部長と内部監査室長も兼任した。
その経験を活かし、2020年よりライターとして活動開始。
ビジネス、金融、IT、マーケティング、不動産、農業など複数ジャンルでの記事執筆を手がけている。

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