海外でホームユーステスト(HUT)を実施する際のポイントを解説します

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公開:2023/06/27

更新:2023/10/25

ホームユーステストは、自社の商品を調査対象者の自宅へ送付し、意見を収集する調査手法です。

この記事では、ホームユーステストの種類や海外向けに実施するときに知っておきたいポイントについて解説します。

海外でのホームユーステスト実施を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

ホームユーステスト(HUT)とは?

ホームユーステストとは、対象者の自宅に製品を送付して使用してもらい、感想や意見を収集する調査方法です。

実生活の拠点となる自宅での使用感や意見を得られるため、消費者のリアルな声を集められることがメリットです。

また、製品を試す期間を設けたい場合にもおすすめします。

ホームユーステストを実施する商品やサービスには、以下のようなものが挙げられます。

  • 食品
  • 化粧品
  • ペット用品
  • 家電製品
  • 日用品

主に使われる6種類のホームユーステスト

ホームユーステストの方法にはあらゆるものがありますが、具体的には以下の6つの方法が、目的や収集したい意見ごとに使い分けられます。

1.ブランデッドテスト:ブランド名をあらかじめ知らせる。イメージも含めた調査結果を得られる

2.ブラインドテスト:ブランド名を隠し、先入観に左右されない製品の調査結果を得られる

3.モナディックテスト:単一製品を試用してもらい、類似製品がない場合に採用される方法

4.直接比較法:複数種類の製品を比較し、相対的な評価を得たい場合に実施する方法

5.シーケンシャルモナディック法:複数製品の絶対評価を行ったあと、比較する方法

6.プロトモナディック法:1つの製品のみを絶対評価し、残りは比較評価する方法

海外向けにホームユーステストを実施する際の3つのポイント

海外向けにホームユーステストを実施することも想定できます。

その際、日本で調査を実施する場合とは違う認識のもとで行わなければ、失敗してしまうかもしれません。

ここでは、ホームユーステストを海外向けに実施する際に意識したいポイントを3つに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.社会階層

海外と日本に大きな違いが見られるのが社会階層です。

日本国内で考慮することは滅多にありませんが、海外には人種や民族、宗教ごとに異なる社会階層が存在しています。

一般的にSEC(Socio-economic class)とは、社会経済クラスのこととなり、アンケート回答者を所得階層ごとに分けることです。

また、SECは回答者の生活を把握できる設問を設定し、調査結果に反映させます。

たとえば、収入や職業、学歴などの項目の設問から判断します。

特に、貧富の差が大きい国で調査する場合、SECに配慮して設問を設定することが重要です。

基本的に、新興国では経済的地位ごとに回答の傾向に大きな差が出ることがあり、SECを考慮することで正確な調査結果を得ることにつながります。

2.居住地域

調査対象者が居住している地域にも意識を向けてください。

同じ国であったとしても、都市部と田舎では回答傾向に大きな違いが生まれます。

そのため、確保したいサンプル数によっては、全国を対象とするのではなく、地域ごとに絞り込むような工夫が必要です。

居住地域も考慮することにより、代表性を担保することにつながります。

3.調査時期

海外調査を実施する場合、調査対象国に応じて実施する時期に注意してください。

具体的には、中国圏での旧正月などが挙げられます。

国ごとに長期休暇となる時期の調査実施は避けるようにしてください。

その理由としては、調査対象者も休暇で気持ちに緩みがあり、正確な調査結果を得られないおそれがあります。

たとえば「今回テストで使ったこの商品を引き続き使ってみたいですか?」などのように設問設定してしまうと「使ってみたい」と回答する人が増える傾向にあります。

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まとめ

ホームユーステストとは、調査対象者の自宅へ製品を送付し、商品やサービスへの意識・意見を収集する調査手法です。

消費者のリアルな声を反映した調査結果を得られることがメリットといえ、製品開発やマーケティング戦略などに活用します。

ここまで、国内・海外でホームユーステストを実施する際、知っておきたいポイントについてもご紹介しました。

本記事を参考にして、ホームユーステストを実施し、製品開発やマーケティング戦略に反映できるように取り組んでみてください。

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リサーチ会社が作成したインタビューした動画です。無料で閲覧出来るので是非ご活用ください。

在日外国人へインタビュー「日本の凄いところについて調査」

海外の市場調査に役立てば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

執筆者

光田直史

高校卒業後、地元の運送業界や不動産業界に従事し、以後8年をIT企業の製造部門で勤務。事業部長と内部監査室長も兼任した。
その経験を活かし、2020年よりライターとして活動開始。
ビジネス、金融、IT、マーケティング、不動産、農業など複数ジャンルでの記事執筆を手がけている。

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