コロナ禍の影響により、2020年の化粧品市場は大きく縮小する結果となりました。
しかし、2021年においてはコロナの沈静化とともに、化粧品の市場規模も回復傾向にあります。
本記事では、市場の概況や2022年のトレンド、今後の動向について解説します。
この記事の内容
化粧品市場の概況
2021年は、新型コロナの影響がありましたが、外出機会が前年よりも増えたことから売上は回復傾向にあります。市場規模は2兆2,900億円(前年比102.5%)です。
カテゴリーごとに化粧品市場の割合を見ると、スキンケア市場が約半分(47.9%)を占め、ヘアケア(20.3%)、メイクアップ(17.0%)と続いています。
アフターコロナにおいて、市場の変革や新しい価値の創出を期待されているのが現状です。
たとえば、DX化推進やZ世代をターゲットにしたブランドの伸長などが挙げられるでしょう。
化粧品市場に関する調査を実施(2022年) | ニュース・トピックス | kとマーケティングの矢野経済研究所
【2022年】化粧品市場のトレンドワード
コロナ禍の影響を受けて、消費者の価値観も大きく変化しています。
ほかにも、SDGsや多様性を認める風潮などこれまでの考え方を一新するようなトピックがトレンドとして挙げられるでしょう。
ここでは2022年の化粧品市場のトレンドワードを以下の3つに分けてご紹介します。
- リハビリからリベンジへ
- サステナ買い
- 誰でもコスメ
それぞれのトレンドワードについて、詳しく見ていきましょう。
1.リハビリからリベンジへ
コロナ禍において、外出自粛やマスク生活が当たり前のものとなりました。
化粧品についても顔の多くが隠れているため、アイメイクだけで済ませる人もたくさんいるようです。
新型コロナの流行が沈静化していくなか、2022年上半期は「リハビリメイク」が、下半期は「リベンジメイク」へと消費者意識が変わっています。
これは、以前と同じようなメイクをするためのリハビリと、脱マスク生活と訪日外国人の受け入れ再開から期待されている意識だといえるでしょう。
2.サステナ買い
SDGsへの関心が高まり「サステナブル」は誰もが一度は耳にした言葉でしょう。
消費者の間でもサステナブルな考え方が認識され、今後は商品選択への重要な基準となることが予測できます。
現在、人気となっているのは、使い切りサイズのミニコスメやパッケージがエコな仕様のものです。
パッケージデザインだけではなく、サステナブルを意識した化粧品選びが常識になるかもしれません。
3.誰でもコスメ
多様化が受容されるようになり、ジェンダーレスメイクから「誰でもコスメ」へと意識が変わりつつあります。これまで化粧は女性がするものと考えられていました。
しかし、性別や年齢を問わずに「使える・似合う」コスメアイテムが人気です。
スキンケア商品が主だった男性化粧品も、ファンデーションなどのバリエーションが増えており、売上も増加していることから、Z世代の男性において「化粧」は関心ごとのひとつといえます。
ECの整備が重要
ファッション業界全体の傾向として、店舗へ足を運んで買い物するのではなくECを利用した購買が活発化しています。
売上を伸ばすためには、EC販売網の整備・強化を検討する必要があるといえるでしょう。
また、商品を選ぶときに参考にする「SNSや口コミサイト、YouTube」などの商品レビューを強化する施策も重要です。
今後の動向
コロナの落ち着きとともに、化粧品需要も少しずつ回復し前年度と比べて市場規模は拡大すると予測されています。
訪日外国人の需要も徐々に戻ると考えられるため、化粧品市場は緩やかに拡大すると見られています。
特に回復が早い市場としては、リベンジ需要から高価格帯の化粧品の売上が伸びているため、ほかのカテゴリーや価格帯のアイテムよりも早く回復すると考えられています。
化粧品市場に関する調査を実施(2022年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
まとめ
化粧品市場の概要やトレンドワード、今後の動向について解説しました。
化粧品市場は回復傾向にあり、今後はデジタルの活用やEC化などでさらに加速していくと見られています。
また、消費者意識においても「サステナブル」「多様性」を重視する傾向にあるといえるため、マーケティングや製品開発を検討する場合はこれらの考え方を理解したうえで取り組むようにしましょう。
最後にリサーチ会社が美容に関するアンケート調査結果を無料で提供しているサービスをご紹介いたします。
個人の化粧品に関する消費行動に興味のある方は是非ご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。