男性の育休取得は、近年注目を集めるテーマです。
従来は女性が主に育児を取得していた一方で、男性の育休取得はまだまだ少ない現状があります。
しかし、男性の育休取得は企業や社会にとって様々なメリットをもたらす可能性があります。
この記事では、男性の育休取得と従業員エンゲージメント向上の関連性について検証していきます。
この記事の内容
育児休暇と育児休業の違い
育休とは一般的に「育児休業」を意味していますが、似て非なる制度に「育児休暇」があります。
「育児休業」とは国が定めた制度なので法律に規定された権利です。
一定の条件を満たしている会社員なら男女とも取得できることになっています。
2022年10月から産後パパ育休制度(出生時育児休業)がスタートし、男性がより取得しやすい制度になりましたが、実際の取得期間は、女性の場合は1年前後、男性の場合は数日間程度が多いようです。
「育児休暇」は会社が独自に設ける制度なので制度をつくるかどうか、どんなときに取得できるかなど、内容はすべて会社に任されています。
男性の育休取得を促進する社会的背景
男性の育休取得を促進する社会的な背景として、女性の社会進出や男女平等の意識の変化が挙げられます。
近年では、女性が社会で活躍することが当たり前となり、男女の役割分担に対する見方も変化してきました。
男性も積極的に育児に参加する意識が高まっており、その一環として育休を取得するケースが増えています。
また、企業側も男性の育休取得を支援する制度を整備するなど、育児に関する社会的な環境が整備されつつあります。
男性の育休取得が進まない社会的要因
一方で、男性の育休取得が進まない社会的な要因も存在します。
男性の育児への参画には、伝統的な性役割の固定観念や職場の風土の影響があることが指摘されています。
男性が育児に関わることは、一部の人々にとっては未だに異質な行動と映ることもあります。
また、男性が長期間の休暇を取得することで、職場での評価やキャリアに悪影響を及ぼすのではないかという懸念も存在するのは確かです。
男性の育休取得と従業員エンゲージメント向上の関連性
男性の育休取得が従業員エンゲージメント(従業員の働きがいや意欲)向上に繋がるとする研究もあります。
具体的には以下のような要因が考えられます。
1.ワークライフバランスの実現
男性が育児休暇を取得することで、家庭と仕事の両立が促進されます。
仕事と家庭の負担を適切に分散することで、ストレスや疲労感を軽減し、従業員のメンタルヘルスを改善することができます。
ワークライフバランスが整うことで、従業員は仕事に集中しやすくなり、生産性が向上します。
2.働きやすい職場環境の形成
男性が積極的に育児に関わることで、平等な職場環境が形成されます。
従業員は、自身が公平かつ公正に扱われていると感じることが重要です。
男性の育休取得が奨励され、職場全体で育児への理解とサポートが広がることで、従業員のモチベーションや職場への満足度が高まります。
3.チームの協力関係強化
男性が育児休暇を取得することで、チーム内のメンバーがお互いをサポートする協力関係が築かれます。
従業員同士が理解し合い、助け合う風土が醸成されることで、チームの結束力が高まります。
また、男性が育児休暇から復帰した後も、チームメンバーが柔軟に働き方を調整する姿勢が生まれることで、協力体制が継続的に進む可能性があります。
4.多様性と包括性の促進
男性の育休取得は、多様性と包括性を重視する企業文化の醸成にも寄与します。
育児に関わる男性の存在は、職場内での異なる視点や経験をもたらし、クリエイティブなアイデアや意思決定にプラスの影響を与えることがあります。
多様なバックグラウンドを持つ従業員が活躍しやすい環境が整えば、企業の競争力やイノベーション力の向上に繋がります。
男性の育休取得は、個人や家族にとってのメリットだけでなく、企業や社会全体にとってもポジティブな影響をもたらす可能性があります。
従業員エンゲージメントの向上は、生産性や労働環境の改善につながり、持続可能な成長を実現するために重要な要素となります。
まとめ
男性の育休取得は、企業や社会において様々なメリットをもたらす可能性があります。
男性の育休取得を促進するためには、伝統的な性役割の固定観念を変えると共に、職場の風土や制度改革の推進が必要です。
男性の育休取得が進むことで、従業員エンゲージメントが向上し、より働きやすい職場環境が実現することが期待されます。
最後に実際に育休取得した男性に、育休取得における実態や働き方の現状をインタビューした動画をご紹介します。
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従業員エンゲージメントの向上などにお役立てください。
最後までお読みいただきありがとうございました。