近年、Web広告市場における競争は激化しており、広告効果の最大化が喫緊の課題となっています。
そんな中、RLSA(検索広告向けリマーケティング)は、コンバージョン率の向上と費用対効果改善に貢献する、ぜひとも活用したい広告配信手法です。
この記事では、RLSAの概要やメリット・デメリット、GoogleとYahoo!の設定方法についても分かりやすく解説します。
この記事の内容
RLSA(検索広告向けリマーケティング)とは
RLSA(検索広告向けリマーケティング)とは、Google広告の機能の一つで、自社のウェブサイトを過去に訪問したことのあるユーザーに対して、検索結果画面に広告を配信できる機能です。
具体的には、ユーザーが過去に閲覧したページや商品情報に基づいて、そのユーザーに関連性の高い広告文や広告クリエイティブを表示することができます。
RLSAのメリット
RLSAの主なメリットは以下の3つです。
コンバージョン率の向上
過去のサイト訪問者には、すでに自社製品やサービスへの関心がある程度存在します。
そのため、RLSAによって適切な広告を配信することで、購入や資料請求などのコンバージョンにつながりやすくなります。
費用対効果の改善
コンバージョン率の高いユーザーに効率的に広告を配信できるため、無駄な広告費を抑え、費用対効果を改善することができます。
広告効果の測定
RLSAでは、コンバージョン率やクリック率などの広告効果を詳細に分析することができます。
このデータに基づいて、広告クリエイティブや入札戦略を改善し、さらなる効果向上を目指すことができます。
RLSAのデメリット
RLSAは多くのメリットがありますが、以下の点に注意する必要があります。
設定・運用に手間がかかる
RLSAを利用するには、リマーケティングリストの作成や広告配信の設定など、ある程度の知識と作業が必要です。
十分なアクセス数がない場合、十分な効果が得られない
リマーケティングリストを作成するには、ある程度のサイト訪問数が必要です。
アクセス数が少ない場合、十分な効果が得られない可能性があります。
競争相手がRLSAを利用している場合、入札単価が上昇する
競争相手がRLSAを利用している場合、コンバージョン獲得競争が激化し、入札単価が上昇する可能性があります。
RLSAの設定方法
続いて、GoogleとYahoo!別にRLSAの設定方法を解説します。
1.広告管理画面でユーザーリストを設定する広告グループを選択し「オーディエンス」をクリック
2.青色のペンマークをクリック
3.モニタリングを選択
4.リマーケティングリストなど設定したいリストをチェック
モニタリングとターゲティングを間違えないように注意!
広告効果を高めるためには、適切なユーザーに広告を配信することが重要です。
Google広告では、この目的のために「ターゲティング」と「モニタリング」という2つの機能が提供されています。
ターゲティングは、広告を表示したいユーザーを絞り込む機能です。
入札キーワードに関連する検索語句で検索したユーザーのうち、事前に設定した条件に合致するユーザーにのみ広告が表示されます。
モニタリングは、ユーザーリストに基づいて入札単価を調整する機能です。
広告グループやキャンペーンに設定したユーザーリストに登録されているユーザーとそうでないユーザーで、入札単価に差を設けることができます。
2つの機能の主な違いは以下のとおりです。
機能 | 役割 | 影響 |
ターゲティング | 広告を表示するユーザーを絞り込む | 広告の配信先 |
モニタリング | ユーザーリストに基づいて入札単価を調整 | 広告の表示頻度・費用 |
ターゲティングとモニタリングは、それぞれ異なる役割を持つため、目的に合わせて使い分けることが重要です。
ターゲティングは、広告の配信先を絞り込むことで、より関心の高いユーザーに広告を表示したい場合に有効です。
モニタリングは、ユーザーリストに基づいて入札単価を調整することで、費用対効果を改善したい場合に有効です。
どちらの機能も、設定を誤ると意図しないユーザーに広告が表示されてしまう可能性があります。
各機能の役割と違いをしっかりと理解した上で、効果的な広告配信を実現しましょう。
※Yahoo!広告の場合の名称
ターゲティング:ターゲットリストのユーザー
モニタリング:全ユーザー
各機能はGoogle広告とほぼ同じなため、ここでは『ターゲティング』と『モニタリング』で表記を統一しました。
Yahoo!
1. 広告管理画面で「ターゲティングリスト管理」を開く
- 広告管理画面にログインし、画面左側のメニューバーから「ツール」タブをクリック
- 表示されたメニューから「ターゲティングリスト管理」をクリック
2. ユーザーリストを選択
- 広告グループに設定したいユーザーリストの横にあるチェックボックスを選択
- 画面上部の「関連付けの設定」をクリック
3. 広告グループを選択
- プルダウンメニューから「広告グループに設定(配信)」を選択
- 「対象のターゲットリストを選択」で、選択したユーザーリストを確認
- 「関連付ける広告グループを選択」で、キャンペーンと広告グループを選択
- 選択した広告グループが問題なければ「保存」
4. ターゲティング設定を確認
- ユーザーリストを設定した広告グループの「ターゲティング」タブをクリック
- 「配信対象ユーザー」のデフォルト値は「全ユーザー」となっているため、該当のユーザーリストの「全ユーザー」をクリック
- プルダウンから「ターゲットリストのユーザー」を選択
RLSAの活用方法例
高精度なターゲティングで顧客獲得を加速
(例)キャンプ用品EC運営の場合
過去にサイト訪問し、商品購入せずに離脱したユーザーが、「キャンプ用品 おすすめ テント」「登山用リュック 軽量」などの購入意欲の高いキーワードで検索した場合、入札価格を30%引き上げる使い方ができます。
リピート性の高い商品(テント、ランタンなど)の場合、過去に購入経験のあるユーザーに対して入札価格を60%引き上げ、コンバージョン率向上を目指せます。
ロングテールキーワードで新たな顧客層を獲得
(例)スキーウェア販売EC運営の場合
スキーウェア販売EC運営において、「スキー」「スノボー」などの一般的なキーワードは、「スキーやスノボーをしたい」といった情報収集目的のユーザーが多く、コンバージョン率が低くなる可能性があります。
一方で、過去にサイト訪問したユーザーに対しての場合は、スキーやスノボーに興味関心があって検索しているキーワードでも、購入意欲が高い層の獲得を目指すことができます。
新規顧客と既存顧客で訴求を最適化
(例)化粧品販売の場合
化粧品販売において、新規顧客と既存顧客ではニーズが異なります。
- 新規顧客→商品の品質や効果を知りたい、お試ししたいというニーズ
- 既存顧客→継続的な購入や新商品の購入というニーズ
そのため、それぞれのニーズに合わせた訴求を行うことで、コンバージョン率向上を目指します。
新規顧客には、トライアルセットやサンプルセットなどの広告で興味関心を引き、購入意欲を高めます。
既存顧客には、新商品や定期購入プランなどの広告で、継続的な購入を促進します。
また、新規顧客と既存顧客で異なるランディングページを用意することで、それぞれのニーズに合わせた最適な導線を構築できます。
訴求内容とランディングページを最適化することで、新規顧客と既存顧客それぞれのニーズに合致したアプローチが可能になります。
まとめ
RLSAは、適切に運用すれば、大きな成果を期待できる広告配信手法です。
導入を検討する際は、上記のメリットとデメリットを理解した上で、自社の状況に合った運用方法を検討することが重要です。
RLSAの運用に不安を持つ方は、広告代理店にお任せするのも一つの方法です。
Heart Fullでは、現在のサイトの分析を行い、最適な施策をご提案させていただきます。
「Web広告をこれから始めたいけど何から着手すればいいか分からない」など、今抱えているお悩みのご相談だけでも構いませんので、お気軽にご連絡ください。
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