転職事例から学ぶ!広告代理店から事業会社へ転職する前に知っておきたいこと

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公開日:2025/04/18

更新日:2025/04/18

「もっと深くマーケティングに関わっていきたい」「施策の効果を売上まで追える環境で働きたい」そんな想いを抱えて、代理店から事業会社への転職を考えるWebマーケターは少なくありません。ただし、業務範囲や求められる視点の違い、転職活動で直面する壁など、想像以上のギャップに戸惑うケースも多いのが実情です。

そこでこの記事では、Web広告代理店出身のWebマーケターが事業会社へ転職する際に知っておきたいポイントを、実際の転職成功事例を交えて紹介します。事業会社での働き方をイメージしながら、自身のキャリアを次のステップへ進めて行きましょう。

代理店と事業会社の違いとは?

代理店と事業会社では、「広告運用」と一言で括っても、見ているゴールが異なります。

代理店での広告運用は、クライアントの広告配信を最適化し、獲得件数やCPA(顧客獲得単価)の改善を目指すことが主な役割です。配信予算に対する手数料ビジネスという特性上、運用担当者は成果を数値で可視化し、改善ポイントを迅速に見出すスキルが求められます。管理画面上の数値を分析しながら、クライアントに対してわかりやすい成果報告や改善提案を行う文化が根づいているのも特徴の一つと言えるでしょう。

一方、事業会社は、自社の売上やサービス成長に直結するリードやコンバージョンの“その後”までを見据える必要があります。広告運用の先にある「契約」「購入」「継続」といったビジネスゴールに対し、どう繋げられるかを常に考え続ける視点が求められます。

たとえCV数が多くても、最終的な売上や成約に貢献できなければ評価されないのが、事業会社のリアルと言えるでしょう。

事業会社で求められるスキルと心構え

代理店で成果を出してきた方であっても、事業会社では通用しない場面が出てくることがあります。なぜなら、事業会社では「結果」だけでなく、その結果に至るまでのプロセスや意図、そして周囲を巻き込む力がより重視されるからです。

事業会社では、売上に直結する広告運用はもちろん、営業部門や経営層など他部門との連携・調整も日常的に発生します。新しいマーケティング施策を提案するにも、社内理解を得るための説得や根拠の提示が欠かせません。

さらに、代理店のようにクリエイティブ制作や分析のリソースが潤沢でない場合、自らバナーを作ったり、Excelでピボットや関数を駆使してレポートを組むといった、実務面の対応力も必要です。

そして何より大きいのは、成果が自社の売上に直結するがゆえのプレッシャーです。「この施策は会社の成長にどう貢献しているのか?」という問いに対して、自信を持って答えられるかどうか。その覚悟が問われる環境だと言えるでしょう。

“事業成長を意識して運用できるマーケター”は事業会社で重宝される

とはいえ、代理店出身者だからこそ活躍できる場面も確かにあります。

たとえば、複数の業界やターゲットに向けて広告運用を行ってきた経験は、柔軟な視点と多様な課題解決力として評価されやすいです。特に、これまで広告運用を行ってきた業界・業種と転職先の事業内容に親和性があれば、その経験は即戦力として見なされることも多くあります。

また、代理店で働く中で「もっとこうすれば売上につながるのに」と感じた視点を持っている方こそ、事業会社ではよりスピーディにPDCAを回す環境の中で力を発揮できます。さらに、しっかりとROAS(広告費用対効果)を意識して運用していた経験や、広告配信からレポーティング・分析まで一気通貫で行っていた人は、事業会社側での期待値も高まります。

重要なのは「広告配信」ではなく、「事業成長」を意識して運用してきたかどうか。その視点を持っているマーケターは、どの企業でも重宝される存在です。

【転職事例】広告代理店出身マーケターが事業会社で評価された理由

ここでは、実際にHeart Fullに転職のご相談をいただき支援した、広告代理店から事業会社へ転職した人の事例をご紹介していきます。

■プロフィール
40代 / 女性
Web広告代理店から美容事業会社へ

■転職の理由
複数クライアント担当が基本である代理店で働く中で、一つ一つの案件に深く向き合えないもどかしさを感じ、「一つの事業に深く携わりたい」と考えるようになったため

転職の理由

ある40代の女性マーケターは、代理店で複数クライアントの広告運用を担当する中で、「一社ごとに深く向き合えない」もどかしさを感じていました。施策が流れ作業のようになり、「もっと本質的にマーケティングと向き合いたい」という想いが、「事業会社へ転職したい」と思うきっかけとなりました。

転職活動で企業側から評価された点

特に評価されたのは、代理店での美容商材の広告運用経験でした。転職先が美容事業会社だったこともあり、商品理解やユーザーインサイトの深さが高く評価されたのです。また、Excelスキルを活かしてデータを自ら集計・分析できる点も、社内リソースの少ない事業会社にとって大きな強みとなりました。

転職活動で苦労した点

その一方で、苦労した点もありました。彼女は多くの案件を効率的に回していたものの、個々の案件について深掘った経験が乏しく、選考では「なぜその施策を実行したのか」 「売上にどう繋がったのか」といった深い質問に詰まることもしばしば。施策背景への理解の浅さを指摘され、見送りになったこともありました。

こうした質問に対して、自分の言葉でしっかりと答えられるかどうかが、選考の合否を左右する大きなポイントになるでしょう。

その他で差別化できたポイント

その他のポイントとしては、「一つの事業に深く携わりたい」という転職理由の明確さと、自社プロダクトへの共感姿勢も高く評価された要因でした。結果として、広告運用のみならず、社内報告や親会社への施策提案にも積極的に関与するポジションで採用されました。

事業会社への転職を成功させるためのポイント

最後に、転職を成功させるための5つのポイントをご紹介します。

自己分析を行う(どんな成果・思考・プロセスで取り組んだか)

代理店での業務を振り返り、広告運用でただ「数値を追っていた」だけではなく、自分がどう考え、どのような工夫をしていたかを言語化しておくことが重要です。考えの深さや再現性は、事業会社側が最も注目するポイントです。

キャリアの軸・目的を明確にする

「なぜ代理店から事業会社に移りたいのか」「どんな働き方をしたいのか」こうしたキャリアの軸が明確であれば、企業とのマッチング精度も上がり、採用側も納得感を持って評価してくれます。

面接で問われる「考えの深さ」に備える

面接では「なぜその施策を選んだのか」「どのような売上貢献があったのか」など、施策の背景に踏み込んだ質問が飛んできます。単なる運用者としてではなく、目的や理由を持って動いていたことを証明できるよう準備しておきましょう。

市場における自分の強みと差別化ポイントを理解しておく

特定の商材や業種に強みがある、データ分析に自信がある、ユーザー目線を持って提案ができるなど、自分ならではの“武器”を棚卸ししておくことは、転職活動時の大きな支えになります。

職務経歴書の定期的な棚卸しとアップデートを習慣にする

日々の業務で得た知見や成果は、時間が経つと忘れてしまいがちです。今すぐの転職を考えていなくても、半年~1年に一度でもいいので自分の業務を振り返り、「何ができるようになったか」「どのような成果につながったか」などを言語化しておくことで、いざ転職となったときにスムーズに動けます。

まとめ

代理店での広告運用経験は、スピード感や多様な案件対応力など、事業会社でも大きな武器となり得ます。ただし、両者にはそれぞれ違いがあるため、事前の準備と自己分析が重要です。

今回紹介した事例やポイントを参考にしながら、自分のキャリアの目的と現在地を見つめ直し、「なぜ事業会社で働きたいのか」「事業会社でどんな価値を提供できるのか」を明確にしていきましょう。

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Heart Fullでは、Webマーケティングに特化した転職支援を行っています。事業会社から代理店への転職に興味がある方や、Webマーケター職での転職を検討している方は、お気軽にご相談ください。

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執筆者

マーケティングプラスワン

Marketing+Oneの編集チームです。
広告代理店である株式会社HeartFullの広告担当者、メディア担当者、人材サービス担当者たちがサイト運営に携わっています。
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