Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)の運用において、「スマートターゲティング」という機能を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Yahoo!ディスプレイ広告のスマートターゲティングの概要やメリット・注意点、設定方法、類似ユーザーとの違いについて解説します。
Yahoo!ディスプレイ広告のスマートターゲティングとは
Yahoo!ディスプレイ広告のスマートターゲティングとは、コンバージョンに至ったユーザーのデータや行動履歴をもとに、Yahoo!広告の機械学習が配信対象を自動で最適化する機能です。
従来の広告配信では、広告運用者がオーディエンスリストや属性、興味関心などを細かく設定する必要がありました。一方、スマートターゲティングでは、過去にコンバージョンしたユーザーの特徴や行動パターンを機械学習が分析し、コンバージョンにつながる可能性が高いユーザーへ配信対象を拡張します。
そのため、広告主が想定していなかった潜在顧客にもアプローチできるようになり、コンバージョン数の増加やリーチ拡大が期待できます。
なお、スマートターゲティングは2024年2月28日に正式提供が開始された機能です。従来の「類似ユーザー」とは異なるターゲティング最適化の機能として活用されています。
類似ユーザーについては以下の記事をご参照ください。
「Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーとは?特徴・活用方法と注意点を解説」
スマートターゲティングと類似ユーザーの違い
ターゲットとなるユーザーを自動抽出する機能として、スマートターゲティングの他にオーディエンスリストの「類似ユーザー」があります。どちらも配信対象を自動で拡張する機能ですが、配信対象の抽出方法や活用目的が異なります。
スマートターゲティングと類似ユーザーの主な違いは以下の通りです。
| 項目 | スマートターゲティング | 類似ユーザー |
| 配信対象の抽出方法 | コンバージョンユーザーのデータをもとに機械学習で自動抽出 | 指定したオーディエンスリストと類似したユーザーを抽出 |
| 利用するデータ | コンバージョンデータや行動履歴など幅広いシグナル | 基となるオーディエンスリスト |
| 設定の自由度 | 低い(自動制御) | 高い(拡張範囲を1〜10段階で設定可能) |
| 目的 | コンバージョン獲得の最大化 | 新規ユーザーへのリーチ拡大 |
類似ユーザーは配信対象を細かくコントロールできる一方で、スマートターゲティングは機械学習によってコンバージョンにつながる可能性が高いユーザーへ配信を自動最適化できる点が特徴です。
スマートターゲティングのメリット
スマートターゲティングには、コンバージョン獲得の効率化や配信対象の拡大など、広告運用をサポートするさまざまなメリットがあります。
効率的にリーチを拡大できる
スマートターゲティングは、既存のターゲティング設定だけでは接触できなかったユーザーにも配信対象を広げられる点が特徴です。
配信対象をやみくもに拡大するのではなく、コンバージョンの可能性が高いと判断されたユーザーを中心に配信されるため、広告効果を維持しながらリーチを拡大しやすくなります。新規顧客を獲得したい場合や、現在のターゲティング設定では配信ボリュームが不足している場合に有効な機能といえるでしょう。
コンバージョン数の増加が期待できる
スマートターゲティングでは、過去のコンバージョンデータやユーザーの行動履歴を機械学習で分析し、コンバージョンにつながる可能性が高いユーザーへ優先的に広告を配信します。
その結果、広告配信の精度が向上し、コンバージョン数の増加が期待できます。特に、十分なコンバージョンデータが蓄積されているキャンペーンでは、機械学習の精度が高まりやすく、より効果的な配信が見込めます。
運用工数を削減できる
スマートターゲティングは、配信対象の選定や最適化を自動で行うため、広告担当者の運用負荷を軽減できます。
通常は、ターゲティングの見直しや配信結果の分析を繰り返しながら配信対象を調整する必要があります。スマートターゲティングを活用すれば、機械学習によって配信対象の最適化が進むため、細かな調整にかかる工数を削減できます。広告運用に十分な時間を確保できない場合や、少人数で運用している場合にも活用しやすい機能です。
スマートターゲティングの注意点
スマートターゲティングはコンバージョン獲得や運用効率化が期待できる一方で、活用する際に理解しておくべき注意点もあります。利用前に押さえておきたいポイントを解説します。
十分な学習データが必要
スマートターゲティングは、コンバージョンに至ったユーザーのデータをもとに機械学習を行うため、十分な学習データが必要です。
設定後すぐに最適化されるわけではなく、学習が完了するまで一定期間を要します。Yahoo!広告のスマートターゲティングでは、学習が安定するまで数日から14日程度かかる場合があるため、短期間で成果を判断しないようにしましょう。また、学習期間中にターゲティングや予算を大きく変更すると再学習が発生し、最適化に時間がかかる場合があります。
配信対象を細かくコントロールしにくい
スマートターゲティングは、自動で配信対象を最適化する機能です。そのため、配信対象を細かく指定したい場合には不向きなケースがあります。
また、手動で設定しているターゲティングの内容によって、配信が拡大される範囲が異なる点にも注意が必要です。たとえば「デバイス」「性別」「年齢」「曜日・時間帯」「地域」などは、スマートターゲティング利用時も指定した条件が基本的に維持されます。デバイスを「モバイル」に限定している場合、コンバージョンの可能性が高いと判断されたユーザーであっても、パソコンへは配信されません。
ターゲティング別レポートに数値が反映されない場合がある
スマートターゲティングを利用している場合、一部のターゲティング別レポートでは配信実績が正確に反映されないことがあります。機械学習によって配信対象が自動で拡張されるため、ターゲティングごとの実績を正確に集計できないケースがあるためです。
配信結果を分析する際はレポートの仕様を理解したうえで、キャンペーン全体の成果で判断するようにしましょう。
スマートターゲティングの利用が推奨されるケース
スマートターゲティングは、すべてのキャンペーンで同じように成果が出るわけではありません。活用が特におすすめなケースを解説します。
コンバージョン実績が蓄積している場合
スマートターゲティングは、十分なコンバージョン実績が蓄積されているキャンペーンほど、学習精度が高まりやすくなります。コンバージョン数が少ない場合は機械学習に必要なデータが不足し、期待した成果につながらない可能性があるため、すでに一定のコンバージョンを獲得できているキャンペーンでの活用がおすすめです。
配信ボリュームを拡大したい場合
スマートターゲティングを利用することで、既存のターゲティング設定だけでは接触できなかったユーザーにも配信対象を広げられます。新規顧客の獲得を強化したい場合や、より多くのユーザーへ広告を届けたい場合は、配信ボリュームの拡大を狙う施策として活用を検討するとよいでしょう。
運用効率を改善したい場合
通常は配信実績を分析しながらターゲティングを調整する必要がありますが、スマートターゲティングでは自動で配信対象を最適化します。広告運用に十分な時間を確保できない場合や、少人数で複数の広告アカウントを運用している場合でも、ターゲティング調整にかかる工数を削減しながら効率的な運用を実現しやすくなります。
スマートターゲティングの設定方法
スマートターゲティングの設定はシンプルな手順で完了します。なお、Yahoo!の公式ヘルプで推奨条件(コンバージョン数の目安など)を事前に確認しておくことで、より高い効果が期待できます。
設定は以下の手順で行います。
- Yahoo!広告の管理画面で、広告グループの作成・編集画面を開く
- 広告グループのターゲティング設定内の「スマートターゲティング」項目を確認する
- 「利用する」を選択する
- 設定内容を保存する

画像出典元:LINEヤフー広告 ヘルプ「スマートターゲティングの設定方法」
スマートターゲティングで成果を出すためのポイント
スマートターゲティングは設定するだけで成果が出るわけではなく、機械学習の特性を理解したうえで運用することで、より高い効果が期待できます。
学習期間中は頻繁な設定変更を避ける
スマートターゲティングは、コンバージョンデータや配信実績をもとに機械学習を行いながら配信対象を最適化します。学習期間中に予算やターゲティング設定を頻繁に変更すると、学習がリセットされたり、十分なデータを蓄積できなくなったりする可能性があります。設定後すぐに成果を判断するのではなく、一定期間は配信状況を見守りながら運用しましょう。
配信量だけでなくCPA・CVRも確認する
成果を正しく評価するためには、コンバージョン数だけでなく、CPA(顧客獲得単価)やCVR(コンバージョン率)もあわせて確認し、費用対効果を総合的に判断しましょう。
スマートターゲティングを利用すると、配信対象が拡張されることで配信量やコンバージョン数の増加が期待できます。しかし、コンバージョン数だけを見ていると、広告費が大きく増加していたり、コンバージョンの質が低下していたりする可能性があります。
他のターゲティング施策と併用して検証する
スマートターゲティングの効果は、商材やターゲットによって異なります。リターゲティングやオーディエンスリストターゲティングなど、既存のターゲティング施策と併用しながら効果を比較・検証することをおすすめします。
スマートターゲティングを適用した広告グループと適用していない広告グループで成果を比較することで、自社アカウントにおける有効性を判断しやすくなります。継続的に検証を行いながら、最適な運用方法を見つけていきましょう。
まとめ
Yahoo!ディスプレイ広告のスマートターゲティングは、コンバージョンデータやユーザーの行動履歴をもとに、コンバージョンにつながる可能性が高いユーザーへ広告配信を最適化する機能です。
コンバージョン数の増加やリーチ拡大、運用工数の削減といったメリットが期待できる一方で、十分な学習データが必要であることや、配信対象を細かくコントロールしにくいといった注意点もあります。
効果を最大化するためには、学習期間中の設定変更を控え、CPA・CVRを含めた費用対効果を総合的に評価することがポイントです。
Yahoo!ディスプレイ広告の成果改善を目指している方は、スマートターゲティングの活用をぜひ検討してみてください。

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