売上を上げるためにもっと営業をかけたい!が、顧客情報が枯渇しているため営業をかけられない…といった悩みをもった営業マンは多いのではないでしょうか?
顧客情報(以下リード)を取得する方法は多々ありますが、その中でも今回はMeta広告(Facebook・Instagram)のリード獲得広告のメリット・デメリットを、リード獲得広告の基本から実際に運用してきた配信事例を踏まえてご紹介します。
リード獲得広告とは
リード獲得広告は、見込み顧客の情報を取得することを目的とした広告手法です。一般的には、ユーザーが興味を持った商品やサービスについて、資料請求やイベント申込といった形で連絡先を取得することを狙いとしています。
広告のクリックからリード獲得までの流れ
リード獲得広告の理解を深めるためには、まず従来の「広告をクリックしてからリード獲得に至るまでの流れ」を押さえておくことが重要です。一般的なケースでは以下のような工程を経て、1件のリードが獲得されます。
【1】広告をクリック
【2】サイトに遷移し、サービス内容を確認
【3】資料請求フォームへ遷移
【4】名前や住所などの情報を入力
【5】送信し、資料請求完了(リード獲得完了)
このように、1人の顧客情報を得るまでには複数の工程が存在します。その過程の中には、ユーザーが途中で離脱してしまうポイントも少なくありません。
たとえば、サイト閲覧時に「他社のサービスも見てみたい」と比較検討に移ってしまったり、サイト自体が使いづらく分かりにくいために離脱されてしまうことがあります。
また、資料請求フォームの入力が煩雑な場合にも、多くのユーザーが途中で離脱してしまいます。特にスマートフォンからアクセスしているユーザーは、入力項目が多いと負担が大きく、結果的にコンバージョン率が下がる傾向にあります。
こうした離脱ポイントがあるため、従来のLP誘導型広告では「広告からのクリック数=リード数」にはなりにくいのが現実です。そこで、これらの過程を省き、フォーム入力完了までのハードルを大幅に下げてくれるのが、Meta広告におけるリード獲得広告です。
Meta広告でできるリード獲得広告の特徴
Meta広告が提供するリード獲得広告には、他のプラットフォームにはない独自の強みがあります。
Facebook/Instagram内で完結する入力フォーム
従来の広告は、クリック後に外部のランディングページへ遷移し、そこでフォーム入力を行うのが一般的でした。しかし、Metaのリード獲得広告は、ユーザーがFacebookやInstagramを離れずに情報入力を完了できる点が大きな特徴です。
フォームは広告内に直接組み込まれており、外部サイトに遷移せずに必要な情報を収集できます。シームレスな体験が提供できるため、ユーザーにとっての心理的ハードルが低く、結果的に多くのリード獲得につながります。
ユーザーのプロフィール情報が自動入力される仕組み
フォーム入力の手間を減らすために、ユーザーがMetaに登録している情報(氏名・メールアドレスなど)が自動的に反映されます。
この仕組みにより、入力時間が短縮され、フォーム離脱率を下げる効果が期待できます。ユーザー体験の向上とCVR改善に直結する要素です。
フォームの入力項目がカスタマイズ可能
Meta広告のリード獲得広告では、フォームの入力項目を自由に設定できます。氏名や電話番号のような基本的な項目だけでなく、選択肢を複数作ってユーザーに選ばせるなど、自由に項目をカスタマイズすることも可能です。選択肢であれば、予約時間の指定などもできるため、リード獲得+来店予約などにも活用できます。
企業側は、必要な情報だけを収集できるようにカスタマイズできるため、ユーザーにとっても入力が負担にならず、離脱率を下げることが可能です。
ターゲティング設定
リード獲得広告では、広告を表示するユーザーを細かく設定できるのも大きな特徴です。年齢や性別、地域だけでなく、興味・関心や過去の行動履歴をもとにしたカスタムオーディエンスや類似オーディエンスも利用可能です。
これにより、より精度の高いターゲティングが可能となり、広告費を効率的に使用しながら、高品質なリード獲得につなげることができます。
【配信事例】Meta広告のリード獲得広告
続いて、実際に弊社で運用したリード獲得広告の配信事例を一部紹介します。
Meta広告を使ったリード獲得広告と、通常広告の2つを比較していますので、ぜひご参考ください。
ジャンル | リード目的 | Metaリード広告獲得単価 | 通常広告獲得単価 |
戸建て売買実績 | 物件資料請求 | 10,000円 | 30,000円 |
不動産投資実績 | ノウハウ紹介資料請求 | 5,000円 | 20,000円 |
上記のように、Meta広告を使ったリード広告は、サイト遷移してから資料請求をする通常の広告と比較すると、獲得単価を3分の1から4分の1程度抑えられる傾向が見られました。
獲得単価を抑えられる分多くのリード獲得も見込めるので、「通常の広告配信だとCPAが高すぎる」といった課題も改善が期待できます。
【Meta広告】リード獲得広告の配信の流れ
ここからは、実際にMeta広告でリード獲得広告を配信する際の流れを解説します。初めて利用する場合でも、基本的な流れを理解すればスムーズにスタートできます。
キャンペーン作成時に選ぶ「リード獲得」目的
広告マネージャーで新しいキャンペーンを作成する際、目的として「リード獲得」を選択します。これにより、広告配信の最適化がリード獲得に向けて調整され、見込み顧客の情報収集に特化した運用が可能になります。
広告セットのターゲティングと予算設定
次に行うのはターゲティングと予算の設定です。オーディエンスの定義を明確にし、地域・年齢・性別に加え、興味関心や行動データをもとにした詳細なセグメントを指定します。
予算については、目標CPAなどを意識しながら少額からテストを始め、成果を確認しつつ拡大するのが安全です。
広告クリエイティブの作成(画像・動画・カルーセル)
リード獲得広告においては、第一印象を決めるクリエイティブの質が成果を左右します。静止画だけでなく、動画やカルーセルを用いた複数訴求を行うことでユーザーの関心を引きやすくなります。
オファーを明確に伝えるコピーとビジュアルを組み合わせることが重要です。
フォームの作成(質問項目の設定ポイント)
フォームを作成する際には、必要な情報を最小限に絞ることがポイントです。
入力項目が多いほど離脱率は高くなるため、まずは名前とメールアドレス程度から始め、必要に応じて質問を追加するのが望ましいです。ユーザーが答えやすいシンプルな設計が成果に直結します。
Meta広告を使ったリード獲得広告の注意点
ここまでMeta広告のリード獲得広告の強みを解説してきましたが、当然ながらメリットだけではありません。実際の運用では次のような注意点があります。
サービスや商品の詳細を十分に理解してもらうのが難しい
まず1つ目は、ユーザーが外部サイトに遷移しないため、サービスや商品の詳細を十分に理解してもらうのが難しい点です。広告内のフォーム入力はスムーズですが、その分、情報の理解が浅いままリードが獲得される可能性があります。
「量」が多い分、「質」が低くなるリスクもある
次に、手軽に情報請求ができるため、購買意欲の低いリードが集まってしまうリスクもあります。実際に、資料を送付してもその後のアクションにつながらないケースは少なくありません。
とはいえ、これらの課題は工夫次第である程度カバー可能です。
サービス理解の不足は、広告クリエイティブで強調したい価値をしっかりと伝えることで補うことができます。また、リードの質に関しては、フォーム項目を工夫したり、ターゲティングを絞り込むことで改善の余地があります。
たしかに通常の広告と比べると、資料請求後のアクション率は下がる傾向があります。しかし、Meta広告のリード獲得広告は、通常のLP誘導型広告に比べて3〜4倍のリード数を確保できるケースも多く、その分、営業の接点を飛躍的に増やすことが可能です。
筆者が実際に運用した案件でも、クライアントからは「短期間でこれだけのリードが取れるとは思わなかった」といった喜びの声をいただいたことがあります。
この後ご紹介する「Meta広告で効率的にリードを獲得するポイント」も参考にしながら、ぜひ取り組んでみてください。
Meta広告で効率的にリードを獲得するポイント
デメリットも理解した上で、さらに成果を高めるためには運用の工夫が欠かせません。ここでは効率的なリード獲得のために意識すべきポイントを紹介します。
ターゲティング(カスタムオーディエンス・類似オーディエンス)の活用
自社の既存顧客リストを活用したカスタムオーディエンスや、そのデータをもとにした類似オーディエンスの活用は、精度の高いリード獲得に有効です。過去に資料請求や購入を行ったユーザーと似た層へ広告を配信することで、反応率を高められます。
ユーザーにとって価値のあるオファー設計(資料DL・セミナー・クーポンなど)
ユーザーが「情報を渡しても良い」と思えるような魅力的なオファーを用意することが大切です。BtoBであれば専門的な資料やセミナー、BtoCであればクーポンや限定特典が効果的です。オファーの価値が高いほど、リード獲得の効率も向上します。
クリエイティブの工夫(動画・カルーセル・UGC活用)
リード獲得広告では、単に商品の特徴を伝えるだけでなく、ユーザーの共感を得られるストーリーを盛り込むことが効果的です。動画による解説や実際のユーザー生成コンテンツ(UGC)を活用することで、信頼性が増し、フォーム入力への動機づけにつながります。
離脱を防ぐフォームの最適化
フォームは成果に直結する重要な要素です。質問数を減らし、入力のしやすさを重視することで離脱率を下げられます。段階的に情報を取得する「ステップ型」の活用も有効です。まずは最小限のリード情報を集め、その後のナーチャリングで深い情報を獲得する戦略が推奨されます。
Meta広告のリード獲得広告が向いているケース/向いていないケース
リード獲得広告は非常に便利な仕組みですが、すべての企業や商材にとって万能というわけではありません。最後に、Meta広告のリード獲得広告が効果を発揮しやすいケースと、逆にあまり適さないケースを紹介します。
向いているケース
資料請求やセミナー申込を増やしたい場合
BtoB企業が新規の見込み顧客を効率的に増やしたいとき、Meta広告のリード獲得広告は有効です。たとえば、ホワイトペーパーのダウンロードやセミナー参加申し込みなど、比較的気軽に登録できるアクションは広告内フォームと相性が良く、数多くのリードを短期間で獲得することができます。
キャンペーンやクーポン配布を行いたい場合
BtoC商材においては、期間限定のクーポン配布やイベント招待などを広く告知したい場合にも適しています。FacebookやInstagramを日常的に利用しているユーザーは多いため、広告を目にしたその場で申し込みが完了でき、集客力を高めやすいのが特徴です。
向いていないケース
商材理解に時間がかかる場合
高額な商材や複雑なサービスのように、ユーザーが十分に情報を理解しないと行動につながりにくいケースでは、リード獲得広告は不向きと言えるでしょう。広告内フォームだけでは情報提供の量が限られるため、商材の価値を正しく理解してもらうには専用のLPや説明ページへの誘導が欠かせません。
リードの質を重視したい場合
リード数よりも「質」を最優先したい場合も注意が必要です。フォーム入力のハードルが低いため、購買意欲が低いユーザーも含まれてしまいやすいのが実情です。
営業リソースが限られており、確度の高い見込み顧客だけを効率的に取りたい企業にとっては、別の広告形式やオウンドメディアを活用したリード獲得の方が適しているケースもあります。
まとめ
Meta広告のリード獲得広告は、ユーザーのスムーズな体験設計と高精度なターゲティングを兼ね備えた強力な手法です。BtoB・BtoCを問わず幅広い業種で活用でき、成果を出すための可能性は大きいと言えます。
ただし、量だけでなく質を意識した設計や、獲得後のナーチャリング体制が不可欠です。本記事で解説した特徴や設定方法、改善のポイントを参考に、自社に最適なリード獲得施策を設計してみてください。

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