SNS運用を始めたものの、フォロワーがなかなか増えず、投稿の反応も思ったように得られず、成果が見えにくいと悩んでいる企業は多いのではないでしょうか。その要因の一つとして挙げられるのが、KPIの設定ミスです。SNS運用では、ただフォロワーを増やせば良いというわけではなく、運用の目的に即した適切な指標を設定することが重要です。
そこでこの記事では、フォロワー数だけを見るSNS運用の要注意ポイントや適切なKPI設定、成果につなげるためのポイントについて事例を交えて解説します。
この記事の内容
フォロワー数を増やすことだけを最優先していませんか?
SNS運用のKPI設定でよくある例の一つが、「フォロワー数の増加を最優先にすること」です。たしかに、フォロワー数はSNSの影響力を測る一つの指標です。しかし、今はTikTokをはじめフォロワーの数よりもレコメンドが重要視されており、新規の人たちがいかに興味を持ってくれるかどうかが大切です。興味を持ってもらえれば、自然と「いいね」や保存、シェアがされ、再生数が伸びていきます。フォロワーを増やすことが必ずしも成果につながるわけではありません。
たとえば、プレゼントキャンペーンなどで一時的にフォロワーを増やしても、そのフォロワーが実際に投稿を見たり、ブランドに関心を持ったりするとは限らないのです。実際に、弊社Heart FullにSNS運用のご相談を頂いたクライアントでも、このようなケースがありました。
ある企業がSNSでプレゼントキャンペーンを実施し、フォロワーを3,000人増やすことに成功。しかし、その後の投稿に対する「いいね」はほとんど増えず、インプレッション数も伸び悩んでいたのです。フォロワー数よりも投稿のリーチ数やエンゲージメントを重視した方が、より効果的な運用ができたはずです。
また、社内の都合によりフォロワー数の増加を最優先にすることもよく見られるケースです。社内で「とりあえずSNSを活用しよう」となり、分かりやすい指標として、経営層への見え方を良くするためにフォロワー数増加を目指して運用を始めるケースです。しかし、前述の通り適切なKPI設定をしないと本来狙うべきターゲットにリーチできず、期待した成果が得られないことが多いのです。
目的別にみるSNS運用のKPI設定
では、フォロワー数以外にどのようなKPIを設定すべきなのでしょうか?
SNS運用を成功させるためには、まず「なぜSNSを活用するのか?」という目的を明確にすることが必要です。SNSの運用目的は企業によってさまざまですが、大きく分けると「認知度の向上」「エンゲージメントの向上」「購買促進」の3つに分類できます。それぞれどのようなKPIがあるのか、詳しく見ていきましょう。
認知度の向上
新規顧客にブランドを知ってもらいたい場合は、「リーチ数」や「インプレッション数」が重要な指標になります。
- リーチ数・・・投稿がどれだけの人に届いたかを示す指標
- インプレッション数・・・ユーザーが何回投稿を見たかを測定する指標
特に、新規顧客にアプローチする際は、フォロワー外のユーザーにも届く施策を意識することが重要です。具体的には、ハッシュタグの活用、インフルエンサーとのコラボレーション、リールやショート動画など拡散力の高いコンテンツの作成が効果的です。
エンゲージメントの向上
一方、ユーザーと積極的にコミュニケーションを取り、ブランドへの愛着を深めてもらいたい場合は「いいね数」や「コメント数」「シェア数」などのエンゲージメント関連の指標が鍵を握ります。
エンゲージメントが高い投稿はアルゴリズム上、より多くのユーザーのフィードに表示される可能性が高まります。そのため、ユーザーが共感しやすいストーリー性のある投稿を用意したり、質問を投げかけることでコメントを促したりする工夫が必要です。また、シェア数を増やすために、役立つ情報やトレンドに沿ったコンテンツを発信することも有効です。
購買促進
SNS経由で商品を購入してもらうことが目的であれば、「リンクのクリック数」「ECサイトへの流入数」などのコンバージョンに直結する指標があげられます。Instagramのショッピング機能では、投稿やストーリーズに商品タグをつけることができます。購入までの導線をスムーズにすることで、ECサイトへの流入数が大幅に増加したケースもあります。
このように、目的ごとに適切なKPIを設定し、施策を最適化していくことが、SNS運用の成功につながります。
【事例紹介】成果につながるSNS運用のKPI設定
SNS運用のKPIは、目的に応じて設定することが重要です。実際に、SNS運用でどのようなKPI設定があるのか、弊社Heart FullによるSNS運用支援の事例をご紹介します。
いきなりコンバージョンを狙うのではなく、まずは「リーチ数」
ある語学学習教室では、最終的な目標が「体験授業の申し込み」でしたが、最初からコンバージョンを狙うのではなく、まずはリーチ数を増やし、認知度を高めることからスタートしました。いきなり体験授業の申し込みにつながるわけではないため、まずは見てもらえる母数を増やし、その後ステップアップしていく流れを作りました。
リーチを増やした後は、フォロワーの増加やエンゲージメントの向上を目指します。リーチが伸びる仕組みを理解し、「何秒再生されたらリーチが伸びるのか」「視聴者の3%以上が最初の3秒を視聴しないと再生数が伸びない」などの指標を分析。
リーチが伸びたらフォロワーの増加につなげ、最終的には体験授業の申し込みを促す流れを作りました。
KPIをもとにした改善の進め方
SNS運用のKPIを設定したら、定期的にデータを分析し、運用方法を改善していきましょう。
まずは、SNSのインサイト機能を活用して、どの投稿が効果的だったのかを確認します。たとえば、リール動画の再生数が低かった場合、その原因を分析し、次回の投稿では「冒頭の3秒によりインパクトのある映像を入れる」などの工夫が必要になります。
また、KPIは固定ではなく、運用状況やSNSのアルゴリズム変更に応じて見直すことも大切です。たとえば、Instagramでは以前「保存数」が重要視されていましたが、最近では「シェア数」も重視される傾向にあります。そのため、シェアされやすい投稿を意識することで、より多くのユーザーにリーチできる可能性が高まります。
まとめ
SNS運用を成功させるためには、適切なKPIを設定し、その指標に基づいて施策を実施することが不可欠です。フォロワー数の増加だけに注目するのではなく、目的に応じた指標を選び、それをもとに改善を繰り返していくことが成果につながる鍵となります。
事例を参考にしながら、自社に合ったKPIを設定し、効果的なSNS運用を目指しましょう。

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