Meta広告(Facebook・Instagram広告)の運用を始める際、多くの広告主や代理店がつまずきやすいのが「アカウント紐付け」です。アカウント同士を接続する手順はシンプルに見えますが、権限やアカウントの混在によって思わぬエラーが発生することがあります。
今回の記事では、実際にMeta広告の配信準備の中で発生した「アカウント紐付けエラー」の事例を紹介します。
どのような状況でつまずき、どう確認して解消したのかを整理しましたので、同じ問題で悩んでいる方の参考になれば幸いです。
今回のケース概要
今回の事例は、Meta広告(Facebook/Instagram)の配信準備中に発生したアカウント紐付けのエラーに関するものです。
具体的には、弊社とクライアントのビジネスポートフォリオを連携する過程で、以下のような問題が発生しました。
- 紐付けの承認リクエストが届かない
クライアント担当者のアカウントにリクエストを送っても、承認リクエストが届かず、管理画面にアクセスできない状況が発生しました。 - InstagramのアカウントからFacebookページに遷移できない
ビジネスポートフォリオの連携自体は完了していましたが、広告アカウントの割り当て不足により、InstagramからFacebookページに遷移できない状態でした。
これらの問題は、主に権限の所在のズレと広告アカウントの割り当て不足が原因でした。
解消方法としては、元アカウントから弊社担当者に必要な権限を付与し紐付け。さらに、広告アカウントをFacebookページとInstagramアカウントそれぞれに割り当てることで、無事に運用準備を整えることができました。
では、どのような手順で解消したかを順を追って解説していきます。
最初のつまずき:承認リクエストが届かない?
まずは、Meta広告を配信するためにクライアントのMetaビジネスポートフォリオと、弊社のビジネスポートフォリオを紐付ける必要がありました。
通常は、
【ステップ1】代理店側からクライアントのビジネスポートフォリオにリクエストを送信
【ステップ2】クライアント側でそのリクエストを承認(承認は管理者権限を持つアカウントで行う必要がある)
【ステップ3】承認されると、双方のビジネスポートフォリオが連携
という流れになります。
ところが、クライアント担当者からは「承認リクエストが届いていない」との回答。
確認のため、実際にクライアントのアカウントにログインさせてもらい状況を確認しましたが、承認リクエストは表示されず、ビジネスポートフォリオの管理画面すら開けない状態でした。
原因を探る:権限を持つアカウントが別にあった
調査を進める中で、社内メンバーから「別のアカウントがあるのでは?」という指摘がありました。
そこで再度ヒアリングすると、担当者が普段使用しているメールアドレスとは別に、ビジネスポートフォリオを最初に作成したアドレスが存在していたことが判明。
つまり、実際の権限を持っているのはそちらのアカウントであり、普段使いのアカウントには十分な権限がなかったのです。
この時点で「承認メールが届いていない」のではなく、「権限を持つアカウントにのみ承認メールが届いていた」ことが原因だと分かりました。
解決の流れ①:権限を付与し直す
解決のために、まずは権限を持つ元アカウントにログインし、そこから改めて弊社の担当者アカウントに必要権限を付与。そのうえで、クライアント側のビジネスポートフォリオと弊社のビジネスポートフォリオを紐付け。
今回は、クライアント担当者個人へのフル権限付与ではなく、弊社担当アカウントへの権限付与で前進しました。
ここで、「承認リクエストが届かず紐付けができない」という問題は解消されました。
解決の流れ②:広告アカウントの割り当ても忘れずに
しかしその後、クライアント担当者より「Instagram側からFacebookページに遷移できない」という連絡がありました。
調べてみると、ビジネスポートフォリオ同士の紐付けはできていたものの、広告アカウントがFacebookページやInstagramアカウントに割り当てられていなかったことが原因でした。
Meta広告では、以下の3つをそれぞれ紐付ける必要があります。
- 広告アカウントとビジネスポートフォリオ
- Facebookページと広告アカウント
- Instagramアカウントと広告アカウント
当初、上記の設定のためにFacebookとInstagram、それぞれのIDをクライアント担当者へ確認していましたが、「FacebookのIDで紐付けているためInstagramのIDはない」との返答。
そのため、「Facebookページと広告アカウント」の割り当てだけを行えば自動的にInstagramアカウントも設定されると思っていたものの、実際は設定されていない状況だったのです。そのため、改めて広告アカウントを割り当て直すことで、問題は解消しました。
「FacebookページとInstagramはページ連携されている=広告配信にも自動で割り当てられる」と誤解しがちなポイントです。
再発防止のためのチェックリスト
最後に、今回のようなエラーで紐付けができない場合のチェックリストをご用意しました。うまく紐付けができず悩んでいる運用担当者の方は、ぜひチェックしてみてください。
A. 連携前の権限・所在確認
- ビジネスポートフォリオを“最初に作成した”アカウント(メール)はどれか
- 上記アカウントでビジネス設定に入れるか/管理者権限があるか
- 承認リクエストの送付/受信先は権限を持つアドレスになっているか
B. ビジネスポートフォリオ連携の成立確認
- クライアント側ビジネスポートフォリオ ↔ 代理店側ビジネスポートフォリオの連携が成功しているか
C. 広告アカウントの割り当て
- 広告アカウント ↔ Facebookページ を割り当て済みか
- 広告アカウント ↔ Instagramアカウント も別途割り当て済みか(FacebookページとInstagramはページ連携されている=広告割り当てではない)
まとめ
今回のケースから分かるのは、Meta広告のアカウント紐付けエラーは「複雑なシステムの不具合」ではなく、権限設定や割り当て不足が原因であることが多いという点です。
同じようなトラブルが発生した場合は、次のポイントを確認してみてください。
- ビジネスポートフォリオを作成したアカウント(メールアドレス)はどれか?
- 必要なユーザーに管理者権限が付与されているか?
- 広告アカウントがFacebookページ・Instagramアカウントに割り当てられているか?
これらを一つひとつ確認することで、大抵の紐付けエラーは解消できます。広告運用者の方は、今回の手順とチェックポイントを押さえておくことで、Meta広告のアカウント紐付けに関するトラブルを未然に防ぎ、スムーズに運用を開始できるでしょう。ぜひ参考にしてください。

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