ディスプレイ広告やSNS広告の成果を左右するのが「クリエイティブ」です。しかし、媒体ごとに求められる表現やフォーマットは異なるため、一律のデザインでは成果が出にくいのが実情です。
本記事では、GDN・YDAのディスプレイ広告をはじめ、Meta(Facebook・Instagram)、X、TikTok広告といったSNS広告の媒体ごとに、効果的なクリエイティブの作成ポイントとベストプラクティスを解説します。
【GDN/YDA】クリエイティブのベストプラクティス
ディスプレイ広告では、GDN(Google ディスプレイ ネットワーク)・YDA(Yahoo! ディスプレイ広告)の両方で、広告の審査を通過するためにはガイドラインを正しく守る必要があります。ここでは、おすすめのバナーサイズ一覧と、クリエイティブ作成で気を付けたいポイントを解説します。
おすすめバナーサイズ9パターン
ディスプレイ広告は、非常に多くの形式(サイズ)がありますので、全サイズのバナーを作成するのは大変です。そこで、実際に弊社でのディスプレイ広告の配信実績から、「このサイズは必須で作っておきたい!」というおすすめのバナーサイズを以下にまとめました。
バナーサイズ | 主な用途・特徴 |
1,200×628 | レスポンシブ広告 |
300×300 | レスポンシブ広告 |
300×250 | YDA・GDN両方でPC、SP配信可能 |
336×280 | GDNのPC、SPで配信可能 |
728×90 | YDA・GDN両方でPC、SP配信可能 |
160×600 | YDA・GDN両方でPC、SP配信可能 |
468×60 | YDA・GDN両方でPC、SP配信可能 |
320×50 | YDAのSP、GDNのPC、SPで配信可能 |
320×100 | YDAのSP、GDNのPC、SPで配信可能 |
ディスプレイ広告のクリエイティブ作成で迷った際には、まずは上記サイズから優先的に作成するのがおすすめです。
その他、全バナーサイズの一覧及び入稿規定は「【2025年最新版】YDA・GDNバナーサイズ一覧および入稿規定」をぜひご参考ください。
GDNのクリエイティブ作成で気を付けたいポイント
ガイドライン違反によって審査落ちとなると、広告配信のスケジュールに大きな影響を及ぼす可能性があるため、事前の確認が非常に重要です。
たとえば、以下のような画像は使用しないようにしましょう。
- 不鮮明
- 色が反転している
- 過度にフィルタが使用されている
- 枠線がある
- 不明確である
- 上下が反転している
- ゆがんでいる
上記に該当するような加工(画像への枠線追加、過度なフィルターなど)は避けるようにしてください。
また、ユーザーを誤認させるような「機能しないボタン」(例:「再生」「ダウンロード」「閉じる」など)は、Google広告ポリシーに違反します。これらの表示もクリエイティブ作成時に排除する必要があります。
そのほか、以下の点にも注意してクリエイティブを制作しましょう。
- ロゴを重ねて表示しない
- オーバーレイ テキストを避ける
- ボタンを重ねて表示しない
- 空白の部分が画像の80%を超えないようにする
- コラージュ画像を避ける
- 背景にデジタル合成を使った画像を避ける
- 過度な飾りがある・背景がカラフルなロゴは避ける
参考:Google広告ヘルプ「ディスプレイ広告: クリエイティブ作成時のおすすめの方法に関するガイド」
YDAのクリエイティブ作成で気を付けたいポイント
YDAのバナー広告は、Yahoo!独自の審査基準に基づいてチェックされます。GDNと共通する点も多いものの、下記のような画像は審査に通らない可能性があるため注意が必要です。
- ぼやけた画像
- ゆがんだ画像
- 不鮮明な画像
- 過度にフィルターをかけた画像
- 逆さまの画像
- 色が反転している画像
さらに、広告主を明示するためにロゴや「提供:〇〇」といった記載が求められます(ロゴは180×180px推奨)。また、「40代、まだ諦めたくないあなたに」「○○サイトを訪れた方へ」などターゲティング対象であると認識される表現や、不当な比較表現もNGです。
媒体ごとのルールを正しく理解し、適切なクリエイティブ制作を心がけましょう。
出典:Yahoo!広告ヘルプ「【広告】広告掲載基準」、LINEヤフー for Business「ディスプレイ広告のクリエイティブ作成のコツとは?必要なものや広告掲載基準も解説」
【Meta広告(Facebook/Instagram)】クリエイティブのベストプラクティス
各SNSでは、フォーマットや表示場所によって、クリエイティブの効果的な表現方法が異なります。 ここでは、Meta(Facebook/Instagram)、X、TikTokの主要SNSごとのベストプラクティスや改善ポイントをまとめました。
まずはMeta広告です。クリエイティブ制作時には、バナー・動画の推奨サイズを確認しましょう。代表的なフォーマットの推奨サイズ・推奨比率一覧は以下の通りです。

フォーマット | 推奨最小サイズ | 推奨比率 |
フィード広告 | 1,080 x 1,080ピクセル(画像)1,440 x 1,800ピクセル(画像)※Facebookフィード | 1:1 4:5 |
リール広告 | 1,080 x 1,920ピクセル(動画) | 9:16 |
ストーリーズ広告 | 1,080 x 1,920ピクセル(画像・動画) | 9:16 |
カルーセル広告 | 1,080 x 1,080ピクセル(画像・動画) | 1:1または4:5 (※アスペクト比4:5に対応しているのはAdvantage+カタログ広告のみ) |
参考/画像出典元:Metaビジネスヘルプセンター「画像のアスペクト比を確認する」
画像バナー
魅力を伝えるキャッチコピーを用意し、有形商材であれば商品そのものや使用感を見せることが重要です。CTAは目立つ位置に配置し、クリック率向上を狙いましょう。また、ブランドやロゴを見せて信頼性を上げることも重要です。
動画
動画の長さは15〜30秒程度が理想です。メインメッセージやブランドロゴは冒頭3秒以内に表示し、ユーザーの注意を引きつけます。サイズは配信面に適したものを使用しましょう。フィードには4:5、リール・ストーリーズには9:16が推奨です。
また、「動画」と聞くと凝った構成にしたいと考える方もいるかもしれませんが、動画の構成はシンプルにまとめることを意識しましょう。たとえば、BtoB無系商材の場合は「キャッチ(ファーストビュー)→ボディ(端的にポイントを伝える)→エンド」というスライドのようなシンプルな構成がおすすめです。
BtoC有形商材であれば、商品の使用感やシズル感を伝えられるのが動画のメリットです。
フィード
短尺動画を用意し、視認性の高い画面構成にすることで、スクロール中のユーザーの注意を引きます。メッセージやロゴは冒頭に表示し、伝えたい情報はシンプルに整理しましょう。
また、フィードは音声なしで閲覧しているユーザーも多いため、音声なしでも分かる内容にしましょう。
リール(Instagram)
フルスクリーンで視認性の高い動画を使用するのが基本です。冒頭で目を引く演出や、印象的なトランジションを取り入れることで、離脱を防ぎます。
また、リールは他のオーガニック投稿の間に広告が流れてくる仕様のため、ユーザーが親近感を持つ装飾(UGCを意識した装飾)を用いると効果的です。CTAではユーザーに「何をしてほしいか」を明確に伝えましょう。
ストーリーズ(Instagram)
リールと同じく、フルスクリーンになるよう縦型または正方形のアスペクト比を使用するのが基本です。ストーリーズは表示時間が短いため、メッセージは冒頭に配置しましょう。特典などユーザーの目を惹きそうな要素がある場合も、冒頭に入れるのがおすすめです。
CTAは中央に大きく配置し、読みやすい文字サイズにします。フィードと同じく、音声なしでも内容が伝わるように字幕やテキストを活用しましょう。
【X広告】クリエイティブのベストプラクティス
X広告の代表的なフォーマットのバナー・動画推奨サイズ・推奨比率一覧は以下の通りです。
フォーマット | 推奨サイズ | 推奨比率 |
画像広告 | モバイル最小 600 x 335 ピクセル | 16:9 |
動画広告 | 800 x 450 ピクセル、 800 x 800 ピクセル | 16:9、1:1 |
カルーセル広告(画像) | 800 x 800 ピクセル、 600 x 418 ピクセル | 1:1、1.91:1 |
カルーセル広告(動画) | 640 x 360 ピクセル、 360 x 360 ピクセル | 16:9、1:1 |
コレクション広告 | 800 x 800 ピクセル | 1:1 |
動画
動画は短尺(15秒以内)でテンポよく情報を伝えることが重要です。冒頭3秒でブランドロゴや主要メッセージを提示し、視覚的にインパクトのある構成にしましょう。
また、サウンドオフでも伝わる広告表現を心がけることも大切です。
静止画
静止画広告の場合は、端的で強い訴求力のあるコピーを心がけます。推奨サイズは、アスペクト比が1:1の場合は1,200 x 1,200ピクセル、1.91:1の場合は1,200 x 628ピクセルです。
【TikTok広告】クリエイティブのベストプラクティス
TikTok広告の代表的なフォーマットのバナー・動画推奨サイズ・推奨比率一覧は以下の通りです。
フォーマット | 推奨サイズ | 推奨比率 |
動画 | 縦:540×960ピクセル以上 横:960×540ピクセル以上 正方形:640×640ピクセル以上 | 9:16 16:9 1:1 |
画像 | 縦:720×1280ピクセル以上 横:1280×720ピクセル以上 正方形:640×640ピクセル以上 | 9:16 16:9 1:1 |
TikTokはエンタメ性とテンポが求められるプラットフォームです。動画尺は推奨である9〜15秒を目安に、テンポのよい編集で飽きさせない構成にします。
特にナレーションは重要で、ユーザーの理解度を高めるため、AIナレーションの活用も有効です。
TikTok広告の活用については、以下の記事にて事例付きで詳しく解説しています。
▼関連記事「TikTok広告は動画なしでもOK!静止画で売上直結した成功事例と動画との使い分け」
また、クリエイティブのフォーマットについては「TikTok広告の基本を徹底解説!概要や広告の種類、活用メリットについて」で詳しく解説していますので、クリエイティブ制作時の参考にしてください。
まとめ
ディスプレイ広告やSNS広告で成果を出すには、媒体特性に合ったクリエイティブ作成が欠かせません。GDN/YDAではフォーマットに最適化した静的バナーが中心となり、SNS広告では動画やストーリーズなど動きのある表現が求められます。
各媒体では、クリエイティブ制作時に役立つサービスや資料も展開しています。業界の傾向やトレンドをチェックし、クリエイティブ制作時の参考にするのも良いでしょう。(以下リンクはそれぞれの媒体公式サイトへ飛びます)
▶【LINE広告・Yahoo!広告】クリエイティブ事例集 2025年7月号
▶LINE Creative Lab
▶Meta広告ライブラリ
▶TikTokクリエイティブセンター
本記事を参考に、各媒体に合わせたクリエイティブ作成を意識し、広告効果を最大化していきましょう。

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