英語の「the」や「a/an」のような冠詞は、英語を習い始めた中学で学ぶ単語ですが、日本語にはない概念ということもあり、付ける時と付けなくてよい場合の見極め方がいまいち理解できていない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、英語が苦手な方や初心者の方、もう一度改めて覚えたい方向けに、英語の「the」が持つ意味と「the」を付けるか付けないかを判断するポイント、また付けなくてよいパターンにはどういうものがあるのかについてわかりやすく解説します。
この記事の内容
英語の「the」の意味とは?
名詞の前に使われる「the」には、どのような意味合いや役割があるのか紹介します。
「定冠詞」と呼ばれる冠詞の一種
英語の「the」は、名詞の前に付いて、その名詞の性質や数を明確にする働きのある冠詞の種類の一つで、「定冠詞」と呼ばれています。
「this」や「that」が変化した単語である「the」は、「その」「この」「あの」という意味になり、ある特定のものを指す場合に用いられます。
「the」は唯一の定冠詞であり、どの冠詞(「the」または「a/an」)を使うか、冠詞を付けるか付けないかによって、名詞の持つ意味やニュアンスが変わってきます。
冠詞は3種類(定冠詞・不定冠詞・無冠詞)
英語の冠詞には、定冠詞「the」のほかに、不定冠詞「a/an」と冠詞を付けない無冠詞という3つの種類があります。
母音で始まる名詞の前に冠詞が来ると、定冠詞「the」は、「ザ」から「ジ」のような発音となり、不定冠詞「a」は「an」となります。
定冠詞「the」を付けるか判断するポイント
不定冠詞「a/an」は単数名詞にしか用いられませんが、定冠詞「the」は、単数でも複数でも、どちらの名詞にも使えます。
「the」を名詞の前に付けるかどうか判断する時のポイントを見ていきましょう。
1) 会話や文章で触れたことのある内容に付ける
会話や文章の中で、既に一度でも登場したことのある内容に関しては、次に同じことに触れる際には「the」を名詞の前に用います。
・I watched a movie on DVD yesterday. The movie was really interesting.
(私は昨日DVDで映画を見ました。その映画はとても面白かったです。)
2) 共通認識があるものに付ける
会話をしている相手との間で、共通認識が既にあるものについては、「the」を付けるのが基本です。
会話や文章で触れたことのある内容とも共通しますが、話し手と聞き手両者にとって特定できる事柄が話題に上がった場合に、「例の○○」「あの○○」のような感覚で「the」を使います。
・Would you open the window?(その窓を開けてもらえませんか?)
開けてほしい窓が特定されている場合に「the」を付けます。
・Would you open a window?(窓を開けてもらえませんか?)
部屋に多数ある窓のどれでもいいので開けてほしい場合は「a」になります。
3)一つしか存在しないものに付ける
定冠詞「the」は、太陽や月など、この世に一つしか存在しないもの、唯一無二のものであることを表す際にも用いられます。
・the sun、the moon、the earth、the sky、the seaなど
4)常識的に決まっているものに付ける
固有名詞は基本的に冠詞が必要ない無冠詞ですが、「the」が付くものがあります。
複数のものの集まりを表す固有名詞や「the A of B」で表現される固有名詞、地理的なものでは半島、山脈、海洋、海峡、運河、河川、砂漠などの固有名詞には「the」が付きます。
固有名詞に「the」が付くかどうかは、ネイティブの間では理屈ではなく、子どもの頃から見聞きすることで常識として身についています。
そのため固有名詞の定冠詞の用法は、暗記する必要はなく、折に触れて理解していくことが大切です。
世界的に有名な山脈や川などの名詞は、省略した形でも同じ意味になります。
・the Alps(アルプス山脈)、the Nile(ナイル川)など
・the Bank of Japan(日本銀行)、the University of Tokyo(東京大学)
・半島:the Iberian Peninsula(イベリア半島)、山脈: the Hida Mountains(飛騨山脈)、海洋:the Pacific Ocean(太平洋)、海峡:the Tsushima Strait(対馬海峡)、運河: the Suez Canal(スエズ運河)、河川: the Chikuma River(千曲川)、砂漠:the Sahara Desert(サハラ砂漠) など
特定の一つでも「the」を付けないパターン
「the」を付けると判断するポイントに当てはまる場合でも、「the」を付けないパターンがあり、一般的には人名や商品名、社名、学校名、国名、月・曜日などは無冠詞です。
社名や学校名は「the」が付くか付かないかは正式名称を確認しないと分からないため、覚える必要はありません。
・theを付けない社名:Apple Inc.
・theが付いた社名:the New York Times Company など
無冠詞が基本の国名も、土地の集まりを表す複数形や「United」、「Republic」が付く国名には「the」が必要です。
・theの付かない国名:Japan(日本)
・theが付く国名:the Philippines(フィリピン)、the United States of America(アメリカ)
また、地理的な固有名詞でも、山名と湖名には「the」を付けないことになっています。
・ Mt. Fuji(富士山)、Mount Everest(エベレスト山)、Lake Biwa(琵琶湖)、Lake Victoria(ビクトリア湖)など
まとめ
身の回りにあるものに「the」を付ける練習をしてみることで、少しずつ「the」の感覚が身についてくるはずです。
「the」が付く固有名詞を全て理解するのは、ノンネイティブにとって一筋縄ではいきませんが、定冠詞「the」は、基本的に「物事を特定したい場合に付ける」というポイントを押さえておきましょう。
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