【世界史勉強法】現代ヨーロッパ史の流れと試験対策のコツ

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公開:2023/04/13

更新:2023/04/13

ここでは便宜上の区分で、第一次世界大戦後の世界から「現代」ヨーロッパの歴史を紹介します。

大戦後のヴェルサイユ条約による平和はつかの間で、世界経済の悪化や植民地経営などが原因になり、ヨーロッパは再び巨大な戦場になります。

その後現在に至るまで、世界は超大国アメリカを中心に動いてきましたが、ヨーロッパはEUとして結束を強め、今でも国際社会の中で影響力を維持しています。

暗転する国際情勢

第一次世界大戦はパリ講和会議で終結し、その後のヨーロッパ社会はヴェルサイユ体制に従うことになりました。

拡張を続けていたドイツは、国外すべての植民地を失い、さらに巨額の賠償金の支払い義務を負うことになりました。

1922年のワシントン条約では、各国の軍事力に制限が設けられましたが、ここでもイギリスやフランスと比較して、ドイツや日本に対しては不平等とも思える条件が課されました。

イギリス・フランス・ロシア・アメリカなどは、自国や植民地に豊富な資源を持っていましたが、ドイツ・イタリア・日本などは、非常に資源に乏しい状況でした。

1929年、アメリカの株価暴落をきっかけに始まった世界恐慌により、各国の経済は未曽有の危機的状況に陥ります。

それに対して資源がある国々は、イギリス・フランスのブロック経済やアメリカのニューディール政策のように、経済活動を自国内で循環させるという対策を取れましたが、資源がない国々には真似できません。

ドイツやイタリアでは、人々の不満が蓄積する一方でした。

ファシズムと第二次世界大戦

ファシズムとは結束主義と訳されるとおり、ある目的に向かって多くの人々が、1つの思想に固まった状態で突き進むことを意味します。

全体主義とも言われます。

経済的余裕のない国々は、直接的に他国を侵略する道を選びました。

ドイツではヒトラー率いるナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)が、そしてイタリアではムッソリーニ率いる国家ファシスト党が巨大な勢力となり、1936年頃から周辺地域への侵攻を開始します。

さらに遠く離れた日本との間で、日独伊三国同盟を結び、再びイギリスやフランスと敵対関係に陥りました。

1939年、ドイツによるポーランド侵攻を皮切りに、第二次世界大戦が始まります。

当初はドイツが北欧諸国、オランダ、ベルギー、そしてフランスを破るなど、いわゆる枢軸国側(※ドイツ、日本、イタリアの日独伊三国同盟を中心に、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリアの東欧諸国など)が優勢でした。

なぜかこの時、ソ連も周辺諸国への侵攻を繰り返しています。

ドイツの失敗は、ここでソ連への侵攻を企てたことです。

結果的にナポレオンがたどった道と同様に、冬季戦線で大きなダメージを被り、さらにアメリカが参戦したことで、連合国側の勝利が確実になりました。

最終的にはイタリア~ドイツ~日本の順に降伏して、歴史上最悪の被害を残した大戦は終結したのです。

冷戦世界の始まり

第二次世界大戦を機に、国際連盟に代わり国際連合が発足します。

再び世界を巻き込む大戦が起こらないようにするための新体制でしたが、その目標とはかけ離れた現実として、世界はアメリカを中心とした資本主義国家と、ソビエトを中心にした社会主義国家との対立が表面化して、いわゆる冷戦の時代を迎えました。

ヨーロッパでもドイツが東西に分断されて、それを基準に東西ヨーロッパが別々の社会体制のもと、独自の道を歩み始めます。

やがて西側諸国は1956年にヨーロッパ経済共同体(EEC)を発足させ、1967年にはヨーロッパ共同体(EC)が誕生します。

これは明らかに、アメリカやソ連のような超大国に対して、ヨーロッパが連携して対抗するという意思の表れでした。

新しい世界に向けて

1989年には、東ヨーロッパ諸国が民主化へと動き出し、ドイツではベルリンの壁が崩壊、さらにアメリカとソ連によるマルタ会談で、東西冷戦の時代は終わりを告げました。

これで世界は事実上、東西対決による崩壊の危機から脱することができたのです。

1991年にはソ連が解体して、ロシア連邦とほかの国々に生まれ変わりました。

1993年にはECに代わって、ヨーロッパ連合(EU)が発足します。

EUでは統一通貨ユーロの採用や、数々の経済障壁の撤廃が行われ、ヨーロッパの地域的結束が一段と強化されました。

EUはアメリカや中国と肩を並べる独立した経済圏として、世界経済に大きな影響を与えています。

それでもイギリスのEU離脱問題など、ヨーロッパの結束を乱す要素は未だになくなりません。

近年ではロシアによるクリミア半島併合(2014年)や、ウクライナ侵攻(2022年)など、ヨーロッパの安全を根本から覆すような事件も起こっています。

安定と混乱との境界線上で、これからのヨーロッパはどこに向かうのでしょうか。

テストではここがポイント!

歴史はそれぞれ単独の物事を覚えるのではなく、そのことが起こった原因や、そこに至った過程などを考え、関連づけて学習すると効果的です。

点ではなく線、つまり流れで理解することが重要なのです。

特に現代に近づくとヨーロッパの歴史は、世界的な視野で見なければなりません。

ヨーロッパ諸国間の関係に加えて、世界の他国との関係もつかむ必要があるでしょう。

このように世界的な流れで整理したほうが、効率的な学習ができるかもしれません。

まとめ

小さな国々が陸続きで隣接しているヨーロッパでは、中世~近代~現代を通じて非常に多くの戦争が起こりました。

ヨーロッパ史は大まかな年表を作り、そこに代表的な戦争を並べて行くと、全体の流れがスムーズにつかめるでしょう。

第二次世界大戦後は、ヨーロッパで大きな戦争は起こっていません。

しかしロシアの侵攻など、近年になって危険な動きも出てきています。

今後も歴史は繰り返されるのでしょうか?

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執筆者

takeshi suzuki

学生時代より家庭教師や塾講師を経験、大学卒業後も同じく教育業界にて勤務中。
その経験を活かし、2021年よりライターとしても活動開始。
受験や試験勉強などの記事執筆を手がけている。

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