サイトには、同じ内容のページが複数存在する場合があります。
そこで活用すべきなのが、canonicalタグです。
canonicalタグを使えばSEOの効果を高めることができる一方、誤った使い方をすれば評価が落ちてしまう要因にもなり得ます。
この記事では、canonicalタグの概要や301リダイレクトとの違い、canonicalタグを使用するケースや設定するときの注意点について解説します。
この記事の内容
canonicalとは
canonicalタグとは、ウェブページの正規ページを示すためのHTMLタグです。
特定のページが重複している場合や、同じコンテンツが異なるURLでアクセスできる場合、検索エンジンはどのページを評価すべきか判断するのが難しくなります。
canonicalタグを設定することで、検索エンジンに正規ページ(評価してもらいたいページ)を示すことができます。
なぜcanonicalタグが必要なのか
検索エンジンは、同じ内容のページが複数存在する場合、それらを重複ページ(コンテンツ)と判断します。
重複ページがあると、1つのページに評価を集中させたいと思っていても、検索エンジンはそれぞれの重複したページに評価を分散させてしまいます。
検索エンジンからの評価を受け、本来なら100となるはずのページが、2つの重複ページがあるゆえに評価が分散してしまい、ページの評価が50となってしまうイメージです。
そこでcanonicalタグを設定することで、重複ページの評価の分散を防ぐことができます。
canonicalタグは、検索エンジンの評価を正規ページに集中させるよう、検索エンジンへ伝えることができるのです。
これにより、検索エンジンはどれが重要なページであるかを判断でき、サイト全体のSEO効果を高めることができます。
301リダイレクトとの違い
ここで、canonicalタグと301リダイレクトの違いについて補足しておきます。
canonicalタグと301リダイレクトは、どちらも重複コンテンツの対策として使用できます。
しかし、両者には以下のような違いがあります。
項目 | canonicalタグ | 301リダイレクト |
ページの評価 | 正規ページに集中 | 正規ページに引き継ぐ |
ユーザーの遷移 | なし | 強制遷移 |
クローラーの巡回 | 可能 | 不可 |
canonicalタグは、正規ページに評価を集中させるための「道しるべ」のようなものです。
そのため、ユーザーは正規ページと重複ページの両方を閲覧することができます。
また、クローラーも正規ページと重複ページの両方を巡回することができます。
一方、301リダイレクトは、正規ページに評価を引き継ぐための「リダイレクト」です。
そのため、ユーザーは重複ページから正規ページに強制遷移されます。
評価についても、古いページの評価を新しいページに継承させる効果があります。
また、クローラーも正規ページしか巡回しません。
canonicalタグを使用する具体的なケース
canonicalタグを使用するケースは、大きく分けて以下の3つに分けられます。
- 同じ内容のページが複数存在する場合
- サイト移転時に301リダイレクトが使えない場合
- URLの正規化で301リダイレクトができない場合
1.同じ内容のページが複数存在する場合
前述の通り、同じ内容のページが複数存在すると、検索エンジンは各ページに評価を分散させてしまいます。
このような場合は、canonicalタグを設定し、重複ページの評価を分散させないようにしましょう。
同じ内容のページが複数存在するケースとしては、以下が挙げられます。
1-1.重複ページが自動的に生成されてしまう場合
ECサイトやブログなどでは、サイトの仕組み上、同じ内容のページが自動生成されてしまう場合があります。
例えば、ECサイトでは、商品のカラーやサイズごとにページが生成される場合があります。
また、ブログでは、同じ記事が複数のURLで表示される場合があります。
【その他の例】
- 動的ページの場合、パラメーターによってURLが異なるページが生成される
- フィルタリングや検索機能によって、同じコンテンツのページが生成される
- コンテンツを複数の形式で表示する(PDF、Word、HTMLなど)
1-2.PCサイトとスマホサイトでURLが異なる場合
PCサイトとスマホサイトを別々に運用している場合、コンテンツが全く同じでURLが異なる場合があります。
1-3.コンテンツを複数のサイトに掲載する場合
コンテンツを複数のサイトに掲載する場合、重複ページが発生する可能性があります。
例えば、以下のようなケースが該当します。
- ニュースサイトが、自社サイトと他社サイトに同じ記事を掲載している場合
- 企業が、自社サイトとオウンドメディアに同じ記事を掲載している場合
2.サイト移転時に301リダイレクトが使えない場合
サイト移転時には、旧サイトのURLから新サイトのURLにリダイレクトを行うのが一般的です。
しかし、リダイレクトを行うのが難しい場合や、ユーザーの利便性を考慮して、旧サイトのURLを残したい場合もあります。
このような場合、canonicalタグを使用して、旧サイトのURLを正規ページとして指定することもできます。
3.URLの正規化で301リダイレクトができない場合
ウェブサイトのURLが「wwwを付けたバージョンと付けないバージョンの2つのURLでアクセス可能」であったり、「HTTPとHTTPSどちらのURLでもアクセス可能」であったりする場合には、URLの正規化が必要です。
通常、URLの正規化には301リダイレクトを使用するのが一般的です。
しかし、サーバーやサイトの仕様によっては、301リダイレクトができない場合があります。
このような場合は、canonicalタグを使用してURLの正規化を行うことができます。
canonicaタグの記述方法
canonicalタグは、HTMLのheadタグ内に以下のように記述します。
<head>
<link rel=”canonical” href=”https://example.com/canonical-page“>
</head>
※href属性の上記URLは例
- rel属性に「canonical」を指定します。
- href属性(アンダーライン部分)に、正規ページのURLを指定します。
この記述方法は、上記で紹介したどのようなケースでも同じです。
canonicaタグを設定するときの注意点
canonicalタグの設定を行う際には、以下の点に注意しましょう。
正規ページを正しく指定する
URLの正規化は、正規ページを正しく指定することで効果を発揮します。
正規ページを誤って指定してしまうと、SEO効果が低下する可能性があります。
正規ページを指定する際には、慎重に判断するようにしましょう。
同一ページに複数のcanonicalタグを記述しない
同一ページに複数のcanonicalタグを記述すると、検索エンジンが混乱する可能性があります。
同一ページには、1つのcanonicalタグのみ記述するようにしましょう。
canonicalタグをbodyタグ内に記述しない
canonicalタグは、headタグ内に記述する必要があります。
bodyタグ内に記述すると、検索エンジンが正しく認識できない可能性があります。
【推奨】絶対URLで記述する
URLを指定する際には、相対URLでも絶対URLでも可能です。
ただ、正規ページを誤ってしまった場合のリスクが大きいため、指定するURLを間違えないという意味でも、絶対URLを使用することをおすすめします。
Google公式も絶対URLでの記述を推奨しています。
まとめ
canonicalタグは、サイト内の重複ページを対策するために活用すべきタグです。
canonicalタグを適切に設定することで、検索エンジンに正規ページを正しく伝えることができます。
しかし、誤った使い方をすると検索エンジンからの評価を落としかねないため、今回解説した注意点を参考に、canonicalタグを正しく設定してサイトのSEO効果を高めましょう。
自社でcanonicalタグを設定することが難しい場合は、SEO対策の専門家に依頼するのも一つの方法です。
Heart Fullでは、現在のサイトの状況を分析して、最適な対策をご提案させていただきます。
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