転職事例から学ぶ!事業会社出身マーケターが代理店へ転職する前に知っておきたいこと

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公開日:2025/04/16

更新日:2025/04/17

Webマーケティングの経験を積む中で、「もっと多様な業界に関わりたい」「自分の知見を広げたい」と感じたことはありませんか?そんな想いを抱いたとき、選択肢として浮かぶのが“代理店への転職”です。しかし、いざ本気で転職を考え始めると、「代理店と事業会社って何が違うの?」「自分の経験は活かせるの?」といった不安も出てくるはずです。

そこでこの記事では、事業会社出身のWebマーケターが代理店へ転職する際に知っておきたいポイントを、実際の転職成功事例を交えて紹介します。代理店での働き方をイメージじながら、自身のキャリアを次のステップへ進めて行きましょう。

代理店と事業会社の違いを理解する

まず押さえておきたいのが、代理店と事業会社ではマーケティングに対する視点や取り組み方が異なるという点です。最も象徴的な違いは「何を成果とするか」の考え方にあります。

代理店は多くの場合、広告費に対する手数料で売上を得るビジネスモデルを採用しています。もちろんこれに限りませんが、広告運用者としての成果は「コンバージョン数の増加」や「獲得単価の低減」といった、いわゆる“運用数値”が判断材料の一つになることが多い傾向があります。

一方、事業会社のWebマーケターは、単なるリード獲得にとどまらず、「そのリードが実際に売上にどうつながるか」という視点を常に求められていると思います。日々の業務の中で、数字が良くてもそれが売上や契約につながっていなければ、本質的な成果とは言えないという実感を持たれている方も多いのではないでしょうか。

売上や契約といった“事業成果”までを見据えた運用をされてきた方であれば、もしかしたら代理店の働き方とのギャップを感じることもあるかもしれません。逆に、両者の違いを理解したうえで転職に臨めば、自分の強みや改善点をより明確にでき、代理店というフィールドでも自身の価値を発揮しやすくなるでしょう。

代理店で求められるスキルと心構え

代理店では、複数のクライアントを同時に担当しながら、それぞれのニーズに合わせた改善提案を行うことが求められます。この「マルチタスク能力」と「顧客ごとの課題解決力」が、事業会社との大きな違いと言えるでしょう。

1社に集中してマーケティングに取り組める事業会社とは異なり、代理店ではクライアントごとに業種もフェーズも課題も異なります。そのため、表面的な数値改善だけではなく、クライアントが抱える真の課題を見極め、最適な解決策を提案する“コンサルティング力”が重視されるのです。

また、代理店では情報の流通スピードが速く、最新のマーケティングトレンドや媒体アップデートに常に触れられる環境があります。スキルアップを目指す人にとっては絶好の学習環境と言える一方で、自ら学ぶ姿勢や柔軟に変化を受け入れる力が求められます。

「クライアントの期待に応えながら、自己研鑽も怠らない」――このバランスを保つことが、代理店で活躍するうえで欠かせない心構えです。

“売上視点を持つマーケター”は代理店で重宝される

では、事業会社での経験が代理店でどのように活かされるのでしょうか。その鍵となるのが「売上視点を持っていたかどうか」です。

事業会社では、自社の売上にどう貢献できるかを常に意識しながらマーケティングを行います。獲得したリードの質、インサイドセールスとの連携、アポイントの創出、そして成約率――これら全てを意識した運用経験は、代理店にとって非常に価値の高いスキルとなります。

なぜなら、代理店でも「単なる広告運用者」ではなく、「クライアントの事業成長に貢献できるパートナー」が求められているからです。コンバージョンだけを見て判断する代理店が多い中、売上全体を見据えた提案ができる人材は、差別化された存在としてクライアントからも高く評価されます。

つまり、売上設計や戦略立案の視点を持ち、事業会社で培った“ビジネス感覚”を持つマーケターは、代理店においても即戦力として活躍できる可能性が高いのです。

【転職事例】事業会社出身マーケターが代理店で評価された理由

ここでは、実際にHeart Fullに転職のご相談をいただき支援した、事業会社から代理店へ転職した人の事例をご紹介していきます。

■プロフィール
30歳 / 男性
人材業界の事業会社(マーケティング部門のリーダー)からWeb広告代理店へ

■転職の理由
将来的に独立したいという願望があったが、自身の経験が人材業界に偏っており、代理店ならさまざまな業界のクライアントと関わることができ、幅広い知識・視野を得られると考えたため

転職の理由

30歳の男性マーケターは、人材業界の事業会社にてマーケティング部門のリーダーとして活躍していました。転職のきっかけとなったのは、将来的に独立を目指したいという明確なキャリアビジョンです。ただ、その時点では自分の知見が人材業界に偏っていることを課題に感じていました。

より広い業界のビジネスモデルやマネタイズの仕組みを学ぶ必要性を感じた彼にとって、複数の業界と関わることができる代理店という選択肢は非常に魅力的だったのです。また、代理店ではWebマーケティングに関する最新情報やトレンドがいち早く入手できる、という点にも強く惹かれていました。

転職活動で企業側から評価された点

彼が企業から高く評価されたのは、「マーケティング=広告運用」ではなく、「売上や事業成果にどう貢献できるか」という上流からの設計力でした。

特に印象的だったのは、以下のような実績と姿勢です。

  • PL管理や戦略立案を含むマーケティングの全体設計に関わっていたこと
  • 部署間連携を重視し、インサイドセールスや営業との密な協働を行っていたこと
  • 単発施策ではなく、年間・中長期視点でのプロモーション戦略を描けること

「The Model」と呼ばれるビジネスモデルの中で、彼はマーケティング部門としてリード獲得を担っていただけでなく、次のステップであるインサイドセールス部門とも密に連携を取り、「獲得したリードの内容や質はどうだったか」といった点までしっかりと向き合っていました。こうした部門横断の連携力と、KPIの背後にある“本質”を意識した取り組み姿勢が、代理店側からの高い評価につながったのです。

転職活動で苦労した点

彼のケースでは、実は目立った苦労はほとんど見受けられませんでした。転職市場において即戦力として評価されるだけの経験とスキルを備えていたため、比較的スムーズに選考が進みました。

スムーズだった背景には、日頃から「代理店で働くことを想定した準備」が自然とできていた点が挙げられます。代理店の視点でも通用するような視座の高い業務を、事業会社にいながら実践していました。

その他で差別化できたポイント

彼が他の候補者と大きく差別化できたのは、キャリアビジョンと自己分析の解像度の高さです。

ただ目の前の業務をこなすのではなく、「将来どうなりたいか」「そのために今何を学ぶべきか」を常に意識して仕事に取り組んでいたことで、転職活動においても筋の通ったストーリーを語ることができました。代理店側からすると、「この人が入社したらどんな活躍をしてくれるのか」が非常にイメージしやすかったのです。

代理店への転職を成功させるためのポイント

最後に、転職を成功させるための5つのポイントをご紹介します。

自己分析を行う(どんな成果・思考・プロセスで取り組んだか)

転職活動を成功させる上では「自己分析」が最も大切です。ただ「目標に向かって頑張った」だけでは説得力に欠けてしまいます。なぜその施策を選んだのか、どのようなプロセスで実行し、どのような成果が得られたのか。それをきちんと振り返り、自分の思考や行動の裏付けを言語化できるようにしましょう。

キャリアの軸・目的を明確にする

「今が事業会社だから、なんとなく代理店も良さそう」といった動機では、転職活動での説得力が弱まります。「将来独立したい」「多様な業界で経験を積みたい」「広告運用以外にも幅広くWebマーケティングに携わりたい」などといったビジョンを明確に持つことが、企業からの評価にもつながります。

経験を「代理店目線」で語れるように整理する

代理店ではクライアントワークが基本です。これまでの自社マーケティングの経験を、「クライアントに価値を提供するならどう活かせるか」という視点で再構築しておくことが重要です。

市場における自分の強みと差別化ポイントを理解しておく

同じWebマーケターでも、得意領域や経験の深さは人それぞれです。自分が「何ができて」「何が得意で」「どこで貢献できるか」を明確にし、他の候補者との差別化ポイントを押さえましょう。

職務経歴書の定期的な棚卸しとアップデートを習慣にする

転職活動をしていなくても、半年に一度は自分のキャリアの棚卸しをしておくと、いざというときに強いです。どんなスキルが身についたか、どんな成果を上げたかを文字に起こしておくことで、「転職しよう!」と行動するときの自信にもつながります。

まとめ

事業会社でのWebマーケティング経験は、視点と伝え方を変えることで、代理店でも大きな武器になります。ただし、両者の違いを理解しないまま転職してしまうと、ギャップに戸惑ってしまうリスクもあるため、事前の準備と自己分析が重要です。

今回紹介した事例やポイントを参考にしながら、自分のキャリアの目的と現在地を見つめ直し、「なぜ代理店で働きたいのか」「代理店でどんな価値を提供できるのか」を明確にしていきましょう。

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Heart Fullでは、Webマーケティングに特化した転職支援を行っています。事業会社から代理店への転職に興味がある方や、Webマーケター職での転職を検討している方は、お気軽にご相談ください。

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執筆者

マーケティングプラスワン

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広告代理店である株式会社HeartFullの広告担当者、メディア担当者、人材サービス担当者たちがサイト運営に携わっています。
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