Instagramで公式アカウントを運用したり広告を出稿したりして、マーケティングに利用している企業は多いでしょう。広告を運用するのであれば、パートナーシップ広告を利用する方法もあります。これまでInstagramでの広告運用があまり上手くいっていなかった企業でも、改善するかもしれません。
本記事では、Instagramのパートナーシップ広告について解説していきます。
パートナーシップ広告とは
Instagramのパートナーシップ広告(旧称:ブランドコンテンツ広告)は、クリエイター(インフルエンサーやインスタグラマーなど)が投稿したコンテンツ(通常の投稿)を、企業が自社広告として活用できる配信手法です。一般的な広告とはやや異なり、クリエイターの投稿を企業の広告として扱います。
クリエイターのアカウント名のところには「広告/Sponsored」という表示が出るため、「広告である」ということが示されており、よく見れば通常の投稿と区別できる仕組みです。
また、企業とクリエイター双方にメリットがある点も特徴です。
・企業側のメリット
詳しくは後述していますが、クリエイターが作成した投稿や動画を広告素材として活用できるため、より自然な形でターゲット層にアプローチできます。
・クリエイター側のメリット
自身の投稿が広告として広範囲に拡散されることで、フォロワー以外のユーザーにも認知を広げることができ、活動の幅を広げるチャンスになります。
このように、企業とクリエイターがそれぞれに大きなメリットを享受できる配信手法として、さまざまな業界で活用が広がっています。
パートナーシップ広告はフィード・ストーリーズ・リーチで配信可能
パートナーシップ広告は、Instagramのさまざまなフォーマットで配信が可能です。フィード(通常投稿)だけでなく、ストーリーズやリールにも対応しています。
フィード投稿
ユーザーが普段から目にしている通常の投稿形式で、静止画・動画どちらも対応しています。自然な流れで閲覧されやすく、認知拡大やブランドイメージの訴求に適しています。
ストーリーズ
縦型フルスクリーン表示されるストーリーズは、24時間で消える特性があるため、期間限定キャンペーンや特別オファーの告知に効果的です。CTA(リンク誘導)も設置でき、直接的なアクションを促せます。
リール
短尺動画コンテンツ(最大90秒)で、エンタメ性や拡散力に優れています。フォロワー外へ向けた拡散を狙いながら、パートナーシップ広告としてさらにリーチを広げることが可能です。
ターゲットや目的に応じて最適なフォーマットを選択することで、広告効果を最大化できます。
参考:Instagramヘルプセンター「パートナーシップ広告で利用できるフォーマット」
パートナーシップ広告を利用するメリット
パートナーシップ広告を利用することで次のようなメリットが得られます。
インフルエンサーの訴求力を利用できる
パートナーシップ広告を利用する企業の多くは、クリエイターにインフルエンサーを選んでいます。
インフルエンサーの訴求力はかなり強力です。広告だということが分かっていても、インフルエンサーが宣伝していれば、使ってみようと考えるユーザーは少なくありません。
通常の広告を出稿するよりも高いパフォーマンスが期待できます。
宣伝色を抑えて商材を訴求できる
SNSを利用しているユーザーの中には、広告に対してあまり好意的でない感情を抱いている人もいます。宣伝色の強い広告だとなかなかコンバージョンにつながらないこともあるでしょう。
その点、パートナーシップ広告なら、通常の広告と比べて宣伝色が抑えられるのがメリットです。通常の広告だとあまり見てくれないユーザーも、パートナーシップ広告なら見てもらいやすいです。
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フォロワーでないユーザーにも配信できる
パートナーシップ広告は、クリエイターのフォロワーに向けて通常の投稿のようにして配信されます。その上で、ターゲティングも可能です。ターゲティングにより、クリエイターのフォロワーでないユーザーにも広告が配信されます。より多くのユーザーに見てもらえるのがメリットです。
効果測定がしやすい
パートナーシップ広告を出稿している場合には、Meta社で提供している広告分析ツールを利用可能です
どのような層のユーザーに配信されているのか、アクションの数の推移など細かく分析できます。広告出稿による効果を測定しやすいのがメリットです。
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パートナーシップ広告を設定する手順
パートナーシップ広告の配信時には、広告主企業だけでなくクリエイターの方でも設定が必要です。おおまかな手順は下図の通りです。

具体的にどのような手順で設定を行うのか見ていきましょう。
1. Instagramアカウントをビジネスアカウントに変更する(企業側)
まず、Instagramアカウントをビジネスアカウントに変更する必要があります。プロフィール画面の「設定とプライバシー」から「アカウントの種類とツール」を開き、「プロアカウントに切り替える」を選択して設定しましょう。
※すでにビジネスアカウントになっている場合はこのステップは不要です。
2. クリエイターが広告主にブランドパートナー申請をする(クリエイター側)
クリエイターは広告主となる企業に対して、ブランドパートナー申請が必要です。手順は以下の通りです。
1)クリエイターアカウントでInstagramにログイン
2)「設定とプライバシー」→「ブランドコンテンツ」→「ブランドコンテンツツールを設定」を選択
3)ブランドコンテンツツールを有効化
4)「タイアップ投稿ラベルを付ける」設定をオンにし、企業アカウントを検索して承認リクエストを送信
この承認が完了していないと、パートナーシップ広告として利用できないので注意が必要です。
3. クリエイターから届いている承認リクエストを確認する(企業側)
広告主側(企業アカウント)は、クリエイターから送信された承認リクエストを確認・承認します。手順は以下の通りです。
1)企業アカウントでInstagramにログイン
2)「設定とプライバシー」→「ビジネスツールと管理」→「ブランドコンテンツ」を開く
3)クリエイターからの承認リクエストが表示されるので、リストから選び承認
これで、クリエイターの投稿に企業の「タイアップ投稿」タグを付けることができるようになります。タイアップ投稿タグが付いた投稿のみ、パートナーシップ広告として使用可能です。
4. クリエイターの投稿を広告として配信する(企業側)
承認が完了したら、いよいよクリエイターの投稿を広告として配信していきます。手順は以下の通りです。
1)Meta広告マネージャにアクセスして、通常の広告作成プロセスをスタート
2)キャンペーン、広告セットの設定を完了させる
3)「広告クリエイティブ」の設定画面で「既存の投稿を使用」を選択
4)「ブランドコンテンツ」タブから、クリエイターのタイアップ投稿を選択
5)広告として使用する投稿を選び、確認して配信スタート
パートナーシップ広告を利用する際の注意点
パートナーシップ広告を利用する際は、次のような点に注意が必要です。
クリエイターとの事前の契約締結が必要
パートナーシップ広告を配信するためには、クリエイターと契約することが前提です。
まずは、自社の商材と相性の良いクリエイターを見つけて事前に契約を締結しなければなりません。契約ではクリエイターに支払う報酬や、広告を配信する期間などに関して明確な取り決めをしておく必要があります。
投稿を管理する権限はクリエイターが持つ
パートナーシップ広告は通常の広告と違って、広告主企業が管理することはできません。投稿主であるクリエイターに管理権限があります。コメントの管理などもクリエイターが行うという点に留意した上で利用するようにしましょう。
また、投稿がパートナーシップ広告として使用されている間、クリエイター側でその投稿を編集することはできません。ただ、削除はできるため、万が一削除されると広告の配信が停止されてしまうので注意しましょう。
まとめ
Instagramでパートナーシップ広告を利用すれば、インフルエンサーの訴求力を利用して宣伝できます。通常の広告よりも宣伝色が弱いため、広告を嫌うユーザーに対しても効果的です。
ただし、投稿に関する権限はクリエイター側にあることに留意しておく必要があります。通常の広告でパフォーマンスが芳しくない場合には、ぜひパートナーシップ広告の利用を検討してみましょう。
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