楽天ディスカバリーレコメンデーションの登場により、楽天市場では検索上位を狙うだけでなく、ユーザーに「発見される」ための商品ページづくりが重要になっています。RPP広告( Rakuten Promotion Platform ) の費用対効果や売上の伸び悩みを感じ、次の施策を探している担当者も多いでしょう。本記事では、従来の楽天検索との違いから、AIに選ばれる商品ページの条件、動画やSNSコンテンツの活用方法まで、具体的な改善策を紹介します。
ディスカバリーレコメンデーションとは
「ディスカバリーレコメンデーション」は、楽天市場で新しい商品との出会いを生み出す機能です。2025年11月20日に、楽天市場アプリで本格提供が始まりました。
楽天市場アプリのホーム画面にある「探す」タブから「発見」を開くと利用できます。ページをスクロールすると、商品画像や動画、商品ページ、コンテンツページなどが表示される仕組みです。

画像出典元:Rakuten「「楽天市場」、AI活用により新たな商品との出会いを創出する新機能「ディスカバリーレコメンデーション」の本格提供を開始」
表示内容は、購買履歴や閲覧履歴、お気に入り登録などのデータをもとにAIが選定します。検索キーワードを入力して商品を探すだけでなく、興味や関心に合った商品と偶然出会える点が特徴です。
従来の楽天市場での検索との違い
従来の楽天検索と大きく異なるのは、ユーザーが検索キーワードを入力しなくても商品と接点を持てることです。
従来は「化粧水 敏感肌」「父の日 プレゼント」など、ユーザーが目的を言語化して検索することが主な商品発見の入口でした。店舗側も商品名や説明文、RPP広告などを通じて、検索結果で商品を見つけてもらう施策に取り組んできました。
ディスカバリーレコメンデーションでは、ユーザーの行動データをもとにAIが商品やコンテンツを提案します。欲しいものが明確になっていない段階でも接点を作れるため、検索対策だけでは届きにくかった潜在層との出会いを期待できます。
「Rakuten AI」と「ディスカバリーレコメンデーション」はどう違う?
Rakuten AIのAIコンシェルジュとディスカバリーレコメンデーションは、どちらもAIを活用しますが、商品を提案する方法が異なります。
Rakuten AIのAIコンシェルジュは、ユーザーとの会話をもとに商品探しを支援する機能です。例えば「予算1万円で父の日のプレゼントを探して」と入力すると、条件や意図を踏まえて商品を提案します。

画像出典元:Rakuten「楽天、エージェント型AIツール「Rakuten AI」を「楽天市場」のスマートフォンアプリに搭載」
一方、ディスカバリーレコメンデーションは、ユーザーが質問しなくても商品を表示します。楽天市場内での購買履歴や閲覧履歴などから興味・関心を推測し、「発見」ページで商品との出会いを作る仕組みです。
楽天グループの2026年度第2四半期決算説明資料(2026年8月10日公開)によると 、2026年5月1〜25日の比較で、AIコンシェルジュ経由は通常検索経由より購入決定までの時間が約41%短く、平均注文金額は約17%高い結果となりました。ディスカバリーレコメンデーション自体の成果を示す数値ではありませんが、楽天市場の商品探しにAIが入り始めていることがわかります。
参考:Rakuten「最新決算資料 2026年度第2四半期 決算説明会プレゼンテーション資料」
商品は「探してもらう」から「見つけてもらう」へ変化している
従来は、商品名や説明文を整え、RPP広告で露出を増やす施策が売上拡大の中心でした。ただし、検索施策は基本的に「欲しい商品やカテゴリーが決まっているユーザー」との接点を作るものです。検索されなければ、魅力的な商品でも候補に入りにくいという限界があります。
ディスカバリーレコメンデーションでは、検索行動の前に商品を知ってもらえる可能性があります。例えば、アウトドア用品を頻繁に見ているユーザーが、検索していなかったアウトドア用品と出会うケースです。
今後のEC市場では、検索で「探してもらう」施策を続けながら、レコメンドで「見つけてもらう」接点も設計することが求められます。検索順位の改善だけにとらわれず、商品ページそのものの情報量や伝わりやすさも見直す余地が広がっています。
AIに選ばれる商品ページのポイント
ディスカバリーレコメンデーションを意識するなら、まず商品情報を正確かつ具体的に整えることから始めるのがおすすめです。
楽天は商品の選定アルゴリズムを公開していません。そのため、「動画を載せれば表示されやすい」「説明文を増やせばAIから評価される」といった因果関係は断定できません。
一方、楽天は商品画像や動画、商品ページなどをユーザーの興味・関心に合わせて表示すると説明しています。ユーザーが商品を見つけた後の購入判断まで考えると、商品の特徴や用途が伝わるページを作ることには意味があります。
商品情報を具体的に掲載する
商品ページでは、ユーザーが購入前に知りたい情報を具体的に掲載します。
例えば、アパレルなら素材やサイズだけでなく、着用感や着用に適した季節 、手入れ方法まであると判断しやすくなります。食品なら内容量、原材料、保存方法、賞味期限の目安などが候補です。
情報量を増やすこと自体が目的ではありません。「誰向けの商品か」「何に使えるのか」「ほかの商品と何が違うのか」を迷わず把握できる状態を目指します。
利用シーンや用途を伝える
商品のスペックだけでは価値が伝わりにくい場合は、利用シーンまで見せると理解を促しやすくなります。
例えば、収納用品なら本体だけを撮影するより、実際に衣類を収納した状態を見せたほうが容量をイメージできます。調理家電なら、調理中の様子や完成した料理を見せると、実際の使い方や仕上がりをイメージしやすくなります。
「商品そのもの」だけでなく、「商品を使うとどうなるか」までページ内で伝える設計が有効です。
画像や動画で商品の特徴を伝える
文章だけでは説明しにくい特徴は、画像や動画で補完するのがおすすめです。
例えば、バッグの収納力、衣類のシルエット、家具のサイズ感などは、実際の使用シーンを見せたほうが直感的に伝わります。動画なら、商品の動きや操作方法も短時間で確認できます。
ディスカバリーレコメンデーションでも画像や動画が表示対象となるため、テキストだけでなく、視覚的に伝わる素材も用意しておくとよいでしょう。
楽天の商品ページに載せる動画のポイント
楽天の商品ページで動画を使うなら、短時間で「何の商品か」「どんなメリットがあるか」が伝わる構成がおすすめです。
楽天市場では、YouTube動画を商品ページへ埋め込む方法などがあります。ただし、動画を掲載するだけでディスカバリーレコメンデーションに選ばれやすくなるとは公表されていません。動画はあくまで商品理解や購入判断を助けるコンテンツとして設計します。
冒頭で商品とメリットを明確にする
動画の冒頭では、商品と主なメリットを早めに提示します。
例えば、フライパンならパッケージから始めるより、食材が焦げつきにくい様子を先に見せるほうが特徴を把握しやすくなります。アパレルなら、商品単体の静止画より着用した状態から始める方法があります。
ブランド紹介を長く入れるより、ユーザーが続きを見る理由を最初に作ることがポイントです。
使用シーンを具体的に見せる
動画では、商品を実際に使っている様子を見せると購入後をイメージしやすくなります。
例えば、掃除用品なら汚れを落とす前後、収納用品なら物を入れる過程を見せます。サイズ感が気になる商品なら、人や身近な物と比較する方法もあります。
写真では伝えにくい動きや変化を動画に任せると、静止画との役割分担もしやすくなります。
縦型動画と音声なし視聴に対応する
SNS用動画と素材を共用する場合は、縦型での表示を想定し、音声なしでも内容が伝わる設計にします。
具体的には、商品のメリットや使い方をテロップでも表示しておく方法です。スマートフォンで音を出さずに見ても内容を理解できます。
なお、縦型9:16や15〜60秒といった形式は業界で推奨される例であり、ディスカバリーレコメンデーションの公式な掲載条件として公表されたものではありません。楽天側の最新仕様を確認したうえで制作する必要があります。
動画を優先して掲載したい商品ページ
動画制作の予算や工数が限られている場合は、購入判断に動画が影響しやすい商品から試すのがおすすめです。
全商品へ一斉に動画を追加すると、どの商品で成果が出たのか判断しにくくなります。アクセス数やCVR、商品の特性から対象ページを絞り、掲載前後の変化を確認すると改善につなげやすくなります。
アクセス数に対してCVRが低いページ
アクセスは集まっているのにCVR(コンバージョン率) が低いページは、動画を試す候補になります。CVRとは、商品ページを訪れたユーザーのうち購入に至った割合です。
流入があるにもかかわらず購入されない場合、商品の魅力や使い方が十分に伝わっていない可能性があります。離脱の原因を確認したうえで、動画で補える情報がないか検討します。
購入までの検討期間が長い商品のページ
比較検討が必要な商品も、動画との相性を確認したいカテゴリーです。
家具や家電、高価格帯の商品などは、サイズや操作方法、使用感が購入の判断材料になります。文章や静止画だけで説明しにくい部分を動画で見せることで、購入前の疑問を減らせる可能性があります。
使用シーンが購入判断につながる商品のページ
実際に使う様子が商品の魅力になる商材では、動画を優先する価値があります。
例えば、コスメの質感、調理器具の使いやすさ、アパレルのシルエットなど、商品単体では伝わりにくい特徴ほど、使用シーンを見せる意味が大きくなります。
SNS用動画を楽天市場でも活用すべき理由
SNS用に制作した動画は、投稿だけで終わらせず、楽天市場の商品ページでも活用できるように設計すると制作投資を生かしやすくなります。
TikTokやInstagram、インフルエンサー施策で制作した動画には、商品の使用感や利用シーンを伝える素材が蓄積されています。こうした動画を楽天の商品ページにも展開すれば、SNSでは認知、楽天市場では購入判断の後押しと、接点に応じて役割を変えられます。
そこで、動画を制作する段階から複数チャネルでの利用を想定します。例えば、SNSでは商品の認知を広げ、楽天の商品ページでは購入を迷っているユーザーの判断材料として使う方法です。
SNS施策とEC施策を別々に考えるのではなく、一つの動画素材をどこまで展開できるかを事前に決めておくと、撮影や編集にかけた費用を有効に活用できます。
SNS動画を楽天の商品ページに活用する方法
SNS動画を楽天の商品ページへ転用する場合は、制作後ではなく契約段階から二次利用を想定しておく必要があります。
特にインフルエンサーやモデルが出演する動画は、企業が制作費を支払ったからといって自由に使えるとは限りません。利用する媒体や期間によって、必要な許諾の範囲も変わります。
動画の二次利用範囲を決める
インフルエンサーへ動画制作を依頼するときは、二次利用する媒体と期間を契約時に決めておくのがおすすめです。
例えば、「Instagramへの投稿」だけでなく、「楽天市場の商品ページ」「Web広告」「自社EC」「公式SNS」など、利用する可能性がある媒体を整理します。利用期間も1カ月、6カ月、1年など具体的に定めておくと、後から追加交渉が発生するリスクを抑えられます。
SNS用の一本を作るのではなく、複数の販促チャネルで使える素材として発注する考え方です。
出演者の肖像権と音源の権利を確認する
動画を二次利用するときは、出演者の肖像権だけでなく、音源などの権利も確認します。
SNS上で使用できる楽曲でも、ECサイトや広告で同じ条件のまま利用できるとは限りません。インフルエンサー本人の出演許諾についても、利用媒体や期間によって契約条件が変わる場合があります。
そのため、楽天市場への掲載を予定している場合は、制作会社や出演者へ利用目的を事前に伝えておくほうが安全です。既存のSNS動画を転用するときも、元の契約内容を確認してから掲載します。
まとめ
ディスカバリーレコメンデーションの登場により、楽天市場では検索結果から商品を探してもらうだけでなく、ユーザーの興味・関心に合わせて商品を発見してもらう接点が生まれています。
選定アルゴリズムは公開されていないため、特定の施策が表示につながるとは断定できません。一方で、商品情報を具体的に掲載し、利用シーンや特徴を画像・動画でわかりやすく伝えることは、商品を発見したユーザーの購入判断を助けます。
まずはアクセス数に対してCVRが低い商品や、使用感を伝えにくい商品からページを見直すのがおすすめです。SNS用動画も二次利用を前提に制作すれば、楽天市場を含む複数の販促チャネルで活用しやすくなります。

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