GDN・YDAの違いやターゲティング、バナーサイズを一挙解説

  • ディスプレイ広告

公開日:2024/02/14

更新日:2025/12/22

ディスプレイ広告は、検索連動広告とは異なり、ユーザーの検索キーワードに関係なく、さまざまなサイトやアプリに広告を配信できる手法です。認知度向上、コンバージョン獲得など、幅広い目的に活用できます。

この記事では、ディスプレイ広告の基礎知識から、GDNとYDAの違い、最適なバナーサイズ、自動入札の種類までを徹底解説します。

ディスプレイ広告とは?

ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリの広告枠に画像や動画・テキストなどのクリエイティブを表示する広告手法です。検索キーワードに応じて出る検索連動型広告とは異なり、ユーザーの行動や興味関心に基づいて配信されるため、まだ課題に気づいていない潜在層へのアプローチに強い点が特徴です。

課金方式はクリック課金制です。掲載の順位は、設定された上限クリック金額と、広告の品質スコアを元に設定される広告ランクによって決まります。

国内のディスプレイ広告の2つの大きなネットワークとしては、

  • GDN(Googleディスプレイネットワーク)
  • YDA(Yahoo!広告 ディスプレイ広告)※旧YDN

があります。

ディスプレイ広告の概要とリスティング広告との違い

ディスプレイ広告は、ニュースサイトやブログ、アプリ利用中の画面など、ユーザーが閲覧しているメディア上の広告枠に表示されます。

リスティング広告(検索広告)が「探している瞬間に出る」のに対し、ディスプレイ広告は「気づきをつくる」役割として機能します。これにより、まだ検索行動に至っていない潜在層にも訴求可能で、認知拡大、見込み層の獲得、リマーケティングといった目的で活用されることが多いです。

検索広告とディスプレイ広告は対立するものではなく、広告全体の戦略設計として両者を補完的に活用していくのが効果的です。

GDN・YDA(旧YDN)とは?

GDNとYDA(旧YDN)は、どちらも「ディスプレイ広告」を配信するための代表的な広告ネットワークです。

GDN(Google ディスプレイ ネットワーク)とは

GDN(Google ディスプレイ ネットワーク)とは、Googleが提供するディスプレイ広告の配信ネットワークです。GDNを利用することで、Googleが提携するWebサイトやアプリ上の広告枠に広告を掲載することが可能になります。

掲載先には、ニュースサイト、ブログ、情報メディア、エンタメ系サイト、スマートフォンアプリなど、幅広いジャンルの媒体が含まれます。これらはすべてGoogleの広告ネットワークに参加している媒体であり、広告主は個別に媒体と契約することなく、GDNを通じてまとめて広告を配信できます。

掲載面はWebブラウザだけでなく、Android・iOSアプリ内にも広がっており、PC・スマートフォンの両方でユーザーとの接触機会を作れる点も特徴です。

GDNは「Googleのサービス上だけに広告が出るネットワーク」と誤解されがちですが、実際にはGoogle以外の外部サイトやアプリも多く含まれています。そのため、検索結果以外の場所で認知を広げたい、幅広いメディアを横断して広告を表示したい場合に活用されるネットワークと理解すると分かりやすいでしょう。

YDA(Yahoo!広告 ディスプレイ広告)(旧YDN)とは

YDA(Yahoo!広告 ディスプレイ広告)とは、Yahoo!広告が提供するディスプレイ広告の配信ネットワークです。「YDN」という呼び方は“旧称” です

Yahoo! JAPANをはじめとしたYahoo!関連サービスや、Yahoo!広告と提携しているWebサイト・アプリの広告枠に広告を掲載できるのが特徴です。代表的な掲載面としては、Yahoo! JAPANのトップページやニュース、天気、知恵袋など、日常的に多くのユーザーが利用するサービスが挙げられます。

これに加えて、Yahoo!広告ネットワークに参加している外部メディアやアプリにも広告が表示されるため、Yahoo!サービス利用者を中心に幅広い接触機会を確保できます。

Googleとは異なる媒体群・利用シーンで広告が表示されるため、「どのサービス・どのメディア上に広告が出るのか」という観点でGDNと比較しながら選ぶことが重要になります。

GDNとYDA(旧YDN)の違い

GDNとYDA(旧YDN)は、どちらもディスプレイ広告を配信するためのネットワークですが、「どこに広告が表示されるのか」「どんなターゲティング手法があるのか」という点で明確な違いがあります。

ここでは、

  • 配信面(掲載場所)
  • ターゲティング手法
  • 広告フォーマット

の3つに絞って違いを整理します。

配信面(掲載場所)の違い

配信面
GDNライブドア・教えてgoo・食べログ・YouTube・pixivなど
YDAYahoo!関連のサービス・クックパッド・All About・毎日新聞など

GDNとYDAの最も分かりやすい違いは、広告が表示される掲載面(配信先となる媒体群)です。

GDNは、Googleが提携するWebサイトやアプリを中心とした広告ネットワークで、ニュースサイト、ブログ、情報メディア、エンタメ系サイト、各種アプリなど、非常に幅広いジャンルの媒体に広告が配信されます。検索結果画面以外のあらゆる場所に表示される可能性があるため、リーチの広さが特徴です。

一方、YDAはYahoo! JAPANを中心とした広告ネットワークで、Yahoo!トップページ、Yahoo!ニュース、天気、知恵袋など、日常的に利用頻度の高いサービス内に広告が表示されます。加えて、Yahoo!広告の提携パートナーサイトやアプリにも配信されるため、日本国内の生活者向けメディアへの接触に強みがあります。

ターゲティング手法の違い

以下はGDNとYDAぞれぞれの主なターゲティング手法です。同じようなターゲティング手法でも呼称が異なっていることがあります。

呼称説明
リマーケティング(GDN)コンバージョン未達成ユーザー(広告はクリックされたものの、購入に至らなかったユーザー)への広告配信
リターゲティング(YDA)
CV類似(GDN・YDA)類似ユーザー(過去のコンバージョンユーザーと類似する行動や属性を持つユーザー)への広告配信
リマーケティング類似(GDN・YDA)リマーケティングでターゲティングしているユーザーと類似するユーザーへの広告配信
カスタムインテント(GDN)購入意欲の高いユーザー(具体的な商品やサービスに関心を持つユーザー)への広告配信
サーチターゲティング(YDA)
購買意欲の高いユーザー(GDN)カテゴリ関心者・購入検討者(特定のカテゴリを積極的に調べているユーザーや購入を検討しているユーザー)への広告配信
オーディエンスカテゴリ(YDA)
プレースメント(GDN・YDA)キーワード、Webサイト、動画、アプリ、年齢、性別などの情報に基づきターゲットを決め広告配信(配信制限をかけることも可能)
キーワード(GDN・YDA)
トピック(GDN・YDA)
アフィニティカテゴリ(GDN)アフィニティグループ(自社の商品やサービスに強い関心を持つユーザー)への広告配信
インタレスト(YDA)

広告フォーマット・サイズの違い

広告フォーマットやサイズについては、GDN・YDA(旧YDN)のどちらもディスプレイ広告として主要な形式を一通り網羅しており、大きな違いは出にくいです。GDN・YDAのどちらも対応している広告フォーマットが非常に多いため、「どちらのネットワークだからサイズ面で有利・不利になる」と考える必要はほとんどありません。

また、GDN・YDAともに「レスポンシブ広告」を利用できます。レスポンシブ広告は、広告枠に合わせて広告のサイズ、表示形式、フォーマットが自動調整され、最適な形で表示される仕組みです。これにより、個別に大量のバナーサイズを用意しなくても、さまざまな広告枠に柔軟に対応できます。

媒体サイズGDNYDA
デバイス共通PC/タブレットスマホ
従来バナー320×100
320×50
300×50
300×250
468×60
728×90
160×600
200×200
240×400
250×250
250×360
336×280
580×400
120×600
300×600
300×1050
600×600
930×180
970×90
970×250
980×120
レスポンシブ縦横比【1.91:1】1200×628
縦横比【1:1】1200×1200
縦横比【9:16】1080×1920
縦横比【4:5】960×1200

YDA・GDNバナーサイズ一覧および入稿規定については以下の記事でも詳しく解説していますので、こちらもあわせて参考にしてください。

▼関連記事「YDA・GDNバナーサイズ一覧および入稿規定」

【GDN】ターゲティングの種類

コンテンツターゲティング

キーワード

キーワードを設定することで、その言葉に関連するWEBサイトに広告を掲載することが可能。

トピック

特定のトピックに関する複数のページをまとめて、広告の掲載対象にすることが可能。テキスト、言語、リンク構造、ページ構造などに基づいてGoogleが割り出したWEBサイトのメインテーマを元に、ターゲティングを行います。

プレースメント

ディスプレイ広告のネットワークに属するWEBサイトを具体的に特定して、ユーザーがそのWEBサイトを訪れた際に広告を配信する手法。WEBサイト全体を指定するケースと、サイトの一部を指定するケースがあります。

オーディエンスターゲティング

ユーザーの特性や属性、また興味関心を絞って広告を配信する方法がオーディエンスターゲティング。一度WEBサイトを訪れたユーザーを追跡して広告を表示するリマーケティングも、オーディエンスターゲティングのひとつです。

アフィニティカテゴリ

アフィニティカテゴリとは、Googleがユーザーの閲覧履歴などをもとに興味関心を分類したカテゴリです。特定の分野に興味関心を持つユーザーに絞り込んで広告を表示することができます。

大カテゴリから小カテゴリまで、130を超えるアフィニティカテゴリから、ターゲットを設定が可能です。

ユーザー属性

ユーザーの地域、年齢、性別、使う端末の種類など、ユーザーの属性を絞ってターゲットを設定が可能。

【YDA】ターゲティングの種類

サイトリターゲティング

GDNのリマーケティングに当たる機能。一度WEBサイトを訪れたユーザーに対して広告を表示。

サーチターゲティング

ユーザーが使用する検索キーワードに応じて広告を表示。

性別・年齢・地域ターゲティング

性別、年齢、地域といったユーザーの属性を特定してターゲットを絞る方法。

デバイスターゲティング

ユーザーが使用するデバイスを絞り込んで広告を表示。

プレイスメントターゲティング

広告を配信したいWEBサイトを具体的に指定し、また、配信をしないWEBサイトを指定することが可能です。

GDN・YDAの自動入札の種類

GDN

目標コンバージョン単価

コンバージョン単価の目標値(tCPA)を維持しながら、できるだけ多くのコンバージョンを獲得できるよう、入札価格を自動的に調整します。

コンバージョン数の最大化

キャンペーンで指定した1日の予算の範囲内でコンバージョン数が最大になるよう、入札価格を自動的に調整します。

クリック数の最大化

キャンペーンで指定した1日の予算の範囲内でクリック数が最大になるよう、入札価格を自動的に調整します。

目標広告費用対効果

指定された目標となる広告費用対効果(ROAS)を基に、コンバージョンを最大化できるよう自動で入札単価を調整します。

視認範囲のインプレッション単価

クリックに対する課金ではなく、「視認範囲のインプレッション」に対して課金が行われるという自動入札です。

YDA

コンバージョン単価の目標値(tCPA)

コンバージョン単価の目標値(tCPA)を維持しながら、できるだけ多くのコンバージョンを獲得できるよう、入札価格を自動的に調整します。

コンバージョン数の最大化

キャンペーンで指定した1日の予算の範囲内でコンバージョン数が最大になるよう、入札価格を自動的に調整します。

クリック数の最大化

キャンペーンで指定した1日の予算の範囲内でクリック数が最大になるよう、入札価格を自動的に調整します。

動画再生数の最大化

キャンペーンで指定した1日の予算の範囲内で動画再生数が最大になるよう、入札価格を自動的に調整します。

GDN・YDAはどちらを選ぶべき?

結論から言うと、GDNとYDAは「どちらが絶対に正解」というものではありません。狙う目的(認知/獲得/再訪)や、ターゲットが日常的に接触している配信面(掲載場所)で選ぶのが最も失敗しにくい判断軸です。

たとえば、ブランドやサービスの認知を広げたい場合は、まず「ターゲットが普段どのメディアにいるか」を基準に考えるのが現実的です。GDNは提携サイト・アプリの範囲が広く、多様なジャンルのメディアを横断して露出を確保しやすい一方、YDAはYahoo! JAPANを中心とした日常接点(ポータル・ニュースなど)での表示機会を取りやすい傾向があります。

広く接触してまず知ってもらうことが重要な新サービスや、潜在層が幅広い商材では、GDNの広範なネットワークがフィットしやすいケースがあります。一方で、生活者向け商材で、ニュース・情報面の閲覧中に自然に目に触れる機会を重視したい場合は、YDAの配信面が相性良くなることがあります。

迷ったら、同じクリエイティブを使って両方で短期間テストし、配信面やターゲティングごとの反応(表示回数、クリック率、指名検索の増減など)で相性を見極めるのがベストと言えるでしょう。

まとめ

ディスプレイ広告は、潜在顧客へのアプローチや、認知度向上、コンバージョン獲得などに有効な広告手法です。GDNとYDAを使い分け、適切なターゲティングとクリエイティブ、入札戦略を組み合わせることで、広告効果を最大限に高めることができます。

本記事を参考に、ぜひディスプレイ広告を活用した効果的なマーケティング戦略を立案してください。

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執筆者

マーケティングプラスワン

Marketing+Oneの編集チームです。
広告代理店である株式会社HeartFullの広告担当者、メディア担当者、人材サービス担当者たちがサイト運営に携わっています。
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