広告運用においてKPIを設定する際には、ユーザーが広告をクリックした後のコンバージョンを中心に検討するものです。
しかし、広告をクリックせずにコンバージョンに至ることもあります。
そのような状況があっても正確に広告の貢献度を測定できるのが、ホールドアウトテストです。
本記事では、ホールドアウトテストの概要や仕組み、実施手順などを解説します。
広告運用における費用対効果を高めたい場合は、ぜひ参考にしてください。
この記事の内容
ホールドアウトテストとは？
ホールドアウトテストとは、広告がコンバージョンにどれだけ影響（貢献）しているかを測定するテストです。
広告効果の正確な評価には、直接のクリックやコンバージョンだけでなく、広告に触れた後に検索や記事を経てコンバージョンに至るパターンも考慮する必要があります。
このような場合、広告による貢献度を測るためにホールドアウトテストが活用されます。
ホールドアウトテストを利用すると、Meta広告がビジネス全体に与える影響度を簡単に評価できるでしょう。
広告の実際の貢献度を正確に把握すれば、効果的な広告戦略の立案につながります
ホールドアウトテストの仕組み
ホールドアウトテストでは、テストグループとコントロールグループに分けられたユーザーを対象にします。
テストグループは広告に接触する機会がありますが、一方のコントロールグループは意図的に広告に接する機会が与えられません。
つまり、広告を見せるグループと見せないグループに分けることで、広告の影響を客観的に評価できるわけです。
ホールドアウトテストでは、一定期間にわたって両グループの数値を比較し、その結果から広告やキャンペーンがビジネス目標にどのように貢献しているかを評価します。
また、ホールドアウトテストは偶発的な要因や外部の影響を排除できるため、より正確な評価が可能です。
ホールドアウトテストの実施手順
ホールドアウトテストの実施手順は、広告マネージャのメニューから「テスト」を選択し、「ホールドアウトテストのスタート」を選択することから始めます。
次にテストの対象と期間を選択し、テスト名を入力します。対象は以下から選んでください。
- 広告アカウント全体
- キャンペーングループ（複数のキャンペーンを選択した場合）
- 単一のキャンペーン
その後、計測するコンバージョンイベントを選択します。
複数選択すればイベントごとの結果を確認できます。
そして、「テスト詳細を確認」をクリックして設定内容の確認画面に進みます。
そこで、選択したテスト対象のコンバージョンイベント、予算、期間などからどの程度有意なテスト結果が得られるかの推定値が確認できます。
最後に「テストを作成」を選択してテストを開始します。
ホールドアウトテストで推奨したい項目
ホールドアウトテストで推奨したい項目として、まずは十分な件数のコンバージョンイベントの設定です。
テストするイベントは、100件以上の確保が望ましいです。
もし不足する場合は、マイクロコンバージョンをテスト対象にしてください。
また、大型連休やセールなどの影響を受ける期間も避けましょう。
これは外部要因の影響を受けやすいからです。
さらに、十分なテスト期間を確保することも大切です。
少なくとも1ヶ月、最低でも7日間以上が望ましいです。
このような項目に注意すると、因果関係を証明できるテストにできます。
ホールドアウトテストの結果確認の方法
ホールドアウトテストの結果を確認する際は、広告マネージャのメニューからアクセスします。
テスト結果では、設定したコンバージョンイベントごとのリフトや配信された広告の一覧を確認できます。
なお、結果が90%以上であれば統計的に信頼できるとされており、目安になるでしょう。
Meta広告でホールドアウトテスト以外にできるテストの種類
Meta広告では、ホールドアウトテスト以外にもいくつかのテストを実施できます。
そのなかから3つのテストについて解説します。
A/Bテスト
A/Bテストは、複数の広告キャンペーンを比較し、効果の高いものを見極めるテストです。
A/Bテストでは、各バージョンの広告を無作為に選んで同じ回数だけ露出し、結果の単価やコンバージョンリフト単価を比較します。
特にコンバージョンリフトの単価を測定基準にしたケースでは、インクリメンタルコンバージョンリフトを測定し比較するために、ホールドアウトも実行されます。
このようにA/Bテストを通じて、最もパフォーマンスの高い広告キャンペーンを見極めることが可能です。
ブランドアンケートテスト
ブランドアンケートテストは、広告の効果を測定するためのテストです。
このテストでは、無作為に選ばれたオーディエンスを対象に、ブランドの認知度や広告による影響を調査します。
具体的には、Meta広告が表示されるグループと表示されないグループに分け、アンケートを実施します。
この方法により、広告の効果を客観的に評価し、信頼性の高い結果を得られます。
また、アンケートの質問は、ビジネスの目的に合わせてカスタマイズが可能です。
ただし、ブランドアンケートを実施する場所によっては一定の最小予算が必要となります。
キャンペーン予算の最適化テスト
広告キャンペーンの予算最適化テストは、既存の広告キャンペーンをテンプレートとして使用し、予算の最適化が単価に及ぼす影響をテストします。
このテストでは、広告キャンペーンが複製され、予算最適化がオンとオフのA/Bテストが自動的に作成されます。
その結果、異なる戦略のパフォーマンスの比較が容易です。
まとめ
ホールドアウトテストによって、広告の貢献度を確認できます。
「広告費の増加が課題」という場合には、ホールドアウトテストによって、予算の策定にも活かせるでしょう。
また、他のテストも並行すると、さまざまな角度から広告運用の効果を確認できます。
費用対効果を高める広告運用のために、ぜひテストを実施してみてください。
リスティング広告チェックリストを無料配布中！
リスティング広告チェックリストをPDF形式で無料でダウンロードいただけます。広告代理店が教えるリスティング広告の基礎を使ってあなたのビジネスの集客アップにご活用ください。
