直近のWeb広告関連アップデートでは、LINEヤフー広告でAIを活用した配信や広告表示アセットの自動化が進む一方、掲載面の審査基準も見直されています。Google広告では入札戦略やギャンブル・ゲーム関連ポリシーが更新され、Googleマップや検索結果の表示・利用体験にも変化が生じています。
本記事では、2026年8月から9月にかけて発表・実施された主要Web広告媒体などのアップデートを整理します。
【LINEヤフー広告】9/2~3にお支払いセンターのメンテナンスを実施
LINEヤフー広告では、2026年9月2日から3日にかけてお支払いセンターのシステムメンテナンスが実施される予定です。UCカード以外のクレジットカードを使っている場合は影響はありません。
メンテナンス期間
2026年9月2日(水)23時~2026年9月3日(木)6時
※日程は変更になる場合があります。また、実施期間が前後する場合があります。
影響範囲
クレジットカード決済にUCカードを設定中のアカウントは、メンテナンス期間中に以下の機能を利用できない場合があります。
- クレジットカード前払い方式(手動入金・自動入金)
- クレジットカード後払い方式(手動決済・自動決済)
入金および決済が実施されず残高不足になった場合、広告掲載が停止する可能性があります。
UCカードを利用中で、メンテナンス中に広告運用を行う可能性がある場合は、事前に影響範囲や対応方法を確認しておくと安心です。
参考:LINEヤフーforBusiness「システムメンテナンスのお知らせ(2026/9/2~3実施予定)」
【LINEヤフー広告】掲載面ガイドラインを再整備
LINEヤフー広告では、掲載面ガイドラインを統合・再整備しました。特に、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を主なコンテンツとするサイト・アプリの審査基準や、広告配信不可となる掲載面の基準が、より明確に整理されています。
UGCサイト・アプリの掲載面基準を新設
UGCサイト・アプリは、ユーザー同士の活発なコミュニケーションが生まれやすい一方、不適切な投稿が突発的に発生する可能性があります。そこで、広告が不適切な投稿の近くに配信されるリスクを抑えるため、個別の審査基準が設けられました。
基準を満たしたメディアに対しても、LINEヤフーの検知システムによる常時監視が行われます。ユーザー投稿型のライブ動画配信コンテンツと匿名チャットコンテンツは、品質管理やブランドセーフティの観点から、一定の条件を満たす場合を除き、広告配信を制限する対象として整理されました。
広告配信不可となる掲載面の基準を明確化
第4章「コンテンツに関するポリシー」では、広告を配信できない掲載面の基準も整理されました。法令違反またはそのおそれがあるもの、社会規範や公序良俗に反するもの、他人の権利を侵害するものなどを含むWebサイトやアプリには、広告を配信できません。
参考:LINEヤフーforBusiness「LINEヤフー広告、掲載面の新ガイドラインを公開。UGC基準の強化と違法賭博項目を明確化」
【LINEヤフー広告】Agent i内で広告のテスト配信を開始
LINEヤフー広告では、生成AIによる回答サービス「Agent i」の回答結果エリア内で、ディスプレイ広告(運用型)と検索広告(ショッピング)のテスト配信を開始しました。ユーザーの質問文と生成AIによる回答内容を踏まえ、システムが掲載に適していると判断した場合に広告が表示される可能性があります。
広告の掲載面は、Agent iの回答結果エリア内に限られます。配信された広告は課金対象となり、パフォーマンスレポートの配信先URLには「search.yahoo.co.jp」と表示されます。
ディスプレイ広告(運用型)でAgent iへの配信を停止したい場合は、除外設定をすることで対応可能です。
検索広告(ショッピング)についても、2026年8月31日以降、Agent iの回答結果エリア内に配信された広告が課金対象となります。ディスプレイ広告(運用型)とは異なり、検索広告(ショッピング)のAgent iへの配信は停止できません。システムが会話内容に適した広告を表示する仕組みで、質問内容を対象外キーワードに登録していても、必ず配信が除外されるわけではありません。
今後は本格的な配信拡大が予定されています。
参考:LINEヤフーforBusiness「AIエージェント「Agent i」におけるテスト配信について」
【LINEヤフー広告】検索広告でアセット自動作成を開始
LINEヤフー広告では、検索広告向けに「広告表示アセットの自動化」機能の提供を開始します。アカウント内の入稿情報をもとに、システムがクイックリンクアセットを自動作成し、広告グループへの関連付けまで行う機能です。
9月2日に設定機能追加、16日に配信を開始
2026年9月2日には、アカウント設定画面に自動作成アセットの設定機能が追加されます。9月16日には、自動作成されたクイックリンクアセットの配信が始まる予定です。※実施時期は変更される場合があります。
自動作成されたクイックリンクアセットは、審査で承認された後に配信されます。
自動化を利用しない場合は設定変更が必要
広告表示アセットの自動作成は、実施日に検索広告の全アカウントで有効になります。運用方針などにより利用しない場合は、アカウント設定画面に機能が追加された後、自分で設定する必要があります。
自動化によって作成されたアセットは、配信設定の変更と削除のみ操作できます。作成された内容を確認し、自社の広告方針に合わない場合は、配信設定や削除によって対応します。
参考:LINEヤフーforBusiness「広告表示アセットの自動化について」
【LINEヤフー広告】PC・タブレット版でショッピング広告の最上部掲載を開始
LINEヤフー広告では、PC・タブレット版において、スマートフォン版に続き検索連動型ショッピング広告を検索結果の最上部に掲載する配信が始まりました。
商品名や商品の型番など、商品の購入を意図としたキーワードでの検索結果の一部で、最上部に掲載されます。
検索連動型ショッピング広告は、検索結果に商品に関する広告を表示する形式です。以下画像の赤枠部分が、最上部に掲載された広告です。

PCユーザーを対象に商品広告を配信している場合は、掲載位置の変更を踏まえて表示内容を確認するとよいでしょう。
参考・画像出典元:LINEヤフーforBusiness「【検索広告(ショッピング)】 検索連動型ショッピング広告の最上部掲載を開始」
【Google広告】予算調整後も目標値に沿う入札へ変更
Google広告では、2026年8月17日より、目標値に基づく入札戦略の仕組みが変更されました。予算による制限を受けているキャンペーンで予算を調整した場合も、設定した入札単価の目標値に沿って、より安定した成果を得やすくする変更です。
予算調整時のパフォーマンス変動を抑制
これまで、目標アクション単価や目標広告費用対効果などの目標値に基づく入札戦略を利用しているキャンペーンでは、入札単価の目標値を上回る成果が出ている状態で予算を変更すると、パフォーマンスが変動する場合がありました。
今回の変更後は、予算による制限を受けているキャンペーンでも、予算を調整した際に設定した目標値に沿った成果を得やすくなります。これにより、予算を増やした後のパフォーマンスを予測しやすくなり、キャンペーンの拡大を検討しやすくなるとされています。
参考:Google広告ヘルプ「目標値に基づく入札戦略への変更」
【Google広告】ギャンブル・ゲームに関する認定要件を更新
Google広告では、2026年8月26日付けで、オンラインギャンブルが認められている地域、認定が必要なカジノ以外のオンラインゲーム、ソーシャルカジノゲームに関する認定申請と基準が更新されました。
新規申請では改訂版フォームを使用
8月26日以降に認定を申請する場合、新規申請者は改訂版のフォームを使用する必要があります。ギャンブル関連のコンテンツやギャンブルを宣伝するコンテンツを掲載するには、Googleの認定が必要です。
リンク先サイトやアプリの表示要件を整理
リンク先のサイトには、年齢に関する警告、依存症に関する支援情報、利用規約、ライセンシーの名称とライセンス番号を目立つ形で表示する必要があります。データ管理者を明記したプライバシーポリシーも必要です。
オンラインギャンブルおよびカジノ以外のオンラインゲームのアプリを宣伝する場合は、ライセンス対象ドメインからApp StoreまたはGoogle Playの公式掲載ページへ、アプリストアのページから登録済みドメインへ、それぞれ有効なリンクを設置する必要があります。
参考:Google広告ポリシーヘルプ「ギャンブル、ゲームに関するポリシーの更新: グローバル(2026 年 8 月)」
【広告全般】ダークパターン規制強化に向けた動き
消費者庁は2026年8月24日、インターネット上で消費者を巧みに誘導し、事業者にとって望ましい行動を選ばせる「ダークパターン」について、規制を強化する方針を示しました。
広告・契約・解約の各段階で規制を設ける方向性
特定商取引法の改正を視野に入れた中間取りまとめ案では、悪質な広告表示や煩雑な解約手続きなどを対象とし、広告・契約・解約の各段階で規制を設ける方向性が示されています。
従来も、特定商取引法や景品表示法によって一部の手法は制限されていましたが、ダークパターンそのものを包括的に規制する法律はありませんでした。今後は政省令やガイドラインで具体的な違反事例を示し、手口の変化に対応する方針です。
来年の通常国会への関連法案提出が目指されています。
ダークパターンに該当し得る表示例
ダークパターンには、消費者の意図に反して購入や申込みなどの行動を促す、さまざまな画面設計や表示があります。例えば、次のようなものです。
- 初回限定に見せて、実際には定期購入へ申し込ませる
- 商品説明では表示していなかった手数料を、申込み直前に追加する
- 正確なデータではない「在庫残りわずか」「あと数分で終了」などの表示で購入を急がせる
- 企業が望む選択肢をあらかじめ選択した状態にする
- 申込みは簡単にできる一方、解約手続きを複雑にする
- 広告であることが分かりにくい表示を使ってクリックを促す
今後は、広告文やバナーだけでなく、広告遷移後のランディングページ、申込みフォーム、解約画面まで含めて、消費者が誤認しやすい表示や意図しない選択を促す導線になっていないか確認する必要があります。
参考:消費者庁「デジタル取引・特定商取引法等検討会 中間取りまとめ(案) 」
ダークパターン対策協会「ダークパターンとは?類型と具体例をわかりやすく解説」
【Googleマップ】会話型機能「マップに相談」を日本で開始
Googleマップでは、Geminiとの連携により、複雑な条件を含む質問に会話形式で回答する新機能「マップに相談」が日本でも開始しました。発表時点から数週間かけて順次提供が開始されるため、まだ全ユーザーで利用できるわけではありません。
複数の条件を含む質問に回答
「長い列に並ばずコーヒーを買えて、スマートフォンも充電できる場所」や、「今夜利用できる照明付きの公営テニスコート」など、複数の条件を含む質問を入力できます。

これまでは、条件ごとに検索したり、複数のクチコミを確認したりする必要がありました。マップに相談では、専用アイコンをタップして自然な文章で質問すると、Googleマップの情報をもとに候補を提案します。
クチコミや場所の情報をもとに旅行計画も提案
旅行先までのルート上にあるおすすめスポットなども質問できます。回答では、ルートや到着予定時刻に加え、Googleマップに投稿されたクチコミや場所の情報をもとに、ユーザーに合わせたプランが提案されます。

Googleマップでは、5億人以上の投稿者によるクチコミと、3億以上の場所に関する情報が活用されています。店舗や施設を運営する企業にとっては、ユーザーが従来のキーワード検索だけでなく、会話形式で場所を探す機会が増える可能性があります。
参考・画像出典元:Google Japan Blog「Google マップの新機能「マップに相談」を日本で提供開始」
【Google検索】外部リンクをgoto経由に変更
Google検索では、検索結果内のリンクをWebサイトのURLへ直接遷移させるのではなく、「google.com/goto」を経由する形式に変更する展開がされています。リンクをクリックした際に、Googleのサーバーサイドリダイレクトを経由して外部サイトへ移動する方式です。
スクレイピングや不正行為への対策とみられる
Search Engine Roundtableの記事によると、今回の変更は、サードパーティーツールやAI企業、スクレイピング業者などによる検索結果データの自動取得や、不正行為を防ぐための対策とみられます。
Googleの広報担当者は、サービスとユーザーを保護するため、不正行為に対する技術的な対策を定期的に実施していると説明しています。
SEOツールのデータ取得に影響する可能性
検索結果のURLが暗号化・動的化されることで、ボットによるリンクの解読が難しくなります。そのため、各種SEOツールが、検索順位や検索結果データを自動収集しにくくなる可能性があります。
検索ユーザーが外部サイトへアクセスするという体験自体に変更があるかは、今回の情報だけでは明らかになっていません。一方、検索結果を自動取得するツールやサービスでは、データ収集方法の見直しが必要になる可能性があります。
参考:Search Engine Roundtable「Confirmed: Google Search Rolling Out google.com/goto Tracking Parameters」
まとめ
以上、直近の最新アップデートをいくつかピックアップしてお届けしました。
LINEヤフー広告で「Agent i」への広告配信や広告表示アセットの自動化が始まり、広告運用におけるAI・自動化の活用が広がっています。Google広告では、予算を調整した場合も目標値に沿った成果を得やすくする入札システムへの変更や、ギャンブル・ゲーム関連広告の認定要件の更新が行われています。
広告業界全体では、消費者を意図しない契約や購入へ誘導するダークパターンへの規制強化の方向が決まり、誤認を招く表示や不透明な導線になっていないか確認することが求められます。
Googleマップでは新機能「マップに相談」が日本で提供開始、Google検索結果では外部リンクを「google.com/goto」経由に変更する展開も行われました。
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